表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/17

詐欺?

とりあえず僕は真っ直ぐ歩いていた。


「ほぇー、不思議なもんだ…」


なにが不思議なのかというと、店の看板には日本語とは程遠い形の文字が書かれているのだが、どういう訳かそれが理解できるのだ。


店には色々あった、武器屋や、防具屋、消耗品店などなど…


「ふーん、武器屋とかにも色んな店があるんだなぁ」


まぁ僕はリボルバーあるし、要らないかな。

というか、この世界に銃とかってあるんだろうか。


試しに近くにあった武器屋の窓から中を覗いてみると。

中の商品は、剣や槍、弓、杖そして大きな盾など様々だが、どうやら銃はないようだ。


この店で取り扱って無いだけかもしれないし、もう一つくらい見ておくか。


「武器屋、武器屋ぁーっと」


少し歩くとまた武器屋があった。

いくら大きな街だからって、同じような店ばっかり要らないだろ…もしかしてバカなのだろうか。


窓からその店の中を確認しても、やはり銃はなかった。


「一応、聞いてみるかね」


銃という概念がこの世界にあるのかどうかを確認しておく必要がある。店主に聞いて知らない単語なら、この世界に銃はないということだろう。


中に入ると、少々煙っぽくてむせそうになった。

ちゃんと掃除してるのかよ…


「らっしゃー…ん?おい、あんた。見ない服着てんな…どこのモンだ?」


どこのモンだ?って極道じゃないんだから…

あ、そういえば僕スーツ着たまんまだ。


今まで歩いてて不思議なものを見ているような目を向けられてたのはこれが原因か。


「あー、はは…いえ、僕は旅のものでして…」


「まぁ客だし服のことは大して気にしねぇよ。で、何の用だい?」


僕は本題を切り出すことにした。


「えっとー、銃って取り扱ってます?」


すると店主はあからさまに不思議そうな顔をしてきた。


「じゅう?なんだそりゃ?」


「あぁ、いえ知らないのなら結構です。お邪魔しましたー」


未だに不思議そうな顔をしている店主に背を向け逃げるように店を出た。

冷やかしがどうこうとか言われたくないしね。


「さて、どうしたもんか…」


財布を確認してみるが、入っているのは日本での通貨だ。

この世界では当たり前だけど使えないよなー。


まぁ大した額でもないし捨ててもいいんだけど…


そんなことを思いながら歩いていると、男複数人の怒声が聞こえてきた。


「おいッ!どういうことだよ!!」


「防具の付与効果消えてんじゃねぇか……よッ!!」


「詐欺りやがって…!!金返せ!!」


「ぐぅ……うッ!!」


話を聞く限り、狭い通路で鍛冶師風の男一人に対し、日本ではよく見かけた風貌。

イキがってるガキ三人が詐欺られて、それに対し暴力で金を巻き上げようとしてるってとこか。


もし本当に詐欺ったのならあの男の自業自得だが…

この狭い通路の前を通っていく人達は見て見ぬふりをつき通しているようだ。


まぁ、この辺は日本と大して変わらんよな。


それにしても少しやりすぎではないだろうか。

腹を何度も殴られたのか、口から血が混じったような色をした胃液が垂れている。


うわ、痛そうだなぁ…。そして汚い…。


「はぁ……仕方ないなぁ」


僕は頭を掻きながら気だるげに歩いていく。


運が良ければ助けた側からなにか情報を聞き出せるかもしれないし、この世界のことについて僕はまだ何も知らないからな。


「ねぇ、君たちさぁ。ちょっと荒っぽすぎるんじゃないの?」


声をかけると、ソイツらは僕の方を「あぁ?」とか言いながら振り向いた。


「何があったのか知らないけどさぁ、ちょっと落ち着きなよ、暴力だけじゃ解決できないことなんて、世の中には沢山あるんだよぉ?」


「んだよ?おっさん。お前には関係ねぇだろ?」


「そーそ、こうなりたくなかったらさっさと失せな」


全く、どこの世界もこういうガキはいるんだなぁ。オツムが弱いというかなんというか…

それに僕はまだ25だっての。


「いいから、事情を話してごらん?何があったのさ?」


するとガキの一人が叫ぶように事情を話し出した。


「こいつに金払って俺らの装備にエンチャント付けさせたのによォ、ちょっと戦っただけでもう効果が消えてんだよ!!」


すると次は鍛冶師風の男が口を開いた。


「だ、だから最初に言ったじゃないですか!あなた方の装備では一度戦うだけで効果は失われますと!!」


ん?それじゃあこのガキたちはこの人の説明を聞いてなくて、詐欺られたって勘違いしただけ?


「うるせぇ!!そんなもん聞いてねぇよ!」


コイツらは本当にただのバカらしい、話を聞かない方が悪いでしょうよ。


「君たちさ、本当にバカなんだねぇ…」


煽るような笑みを向けながら言ってやる。


「んだと!?てめぇ!!」


するとカチンときたようで、ガキのうちの一人が胸ぐらを掴んできた。


はは、すっげぇ顔してやがる。不ッ細工だなぁ。


「だってそうじゃない?この人は最初に説明したって言ってるし、ここまで追い詰められて嘘はつけないでしょ」


「ち、違ぇよ!最初に説明なんて俺らは受けてねぇ!!」


コイツら本当に救いようがないな。


「だから、それはさぁ。君たちが聞く能力に長けてない猿共だからだろぉ?」


更に追撃、ガキ三人衆はみるみるうちに顔を怒りで真っ赤に染めあげた。


はは、ウケる。


「テメェ!!」


そう言って僕の胸ぐらを掴んでいたガキが空いている方の手で殴ろうとしてきた。

だが……


ん?あれぇ?こいつ動き遅くね?

僕は首をひょいと反対へ動かし、向かってきた拳を避ける。


「な、なに…!?」


なに!?じゃねぇよ。殴る気あんのか。


と、本気で思っていると。あの自称神が言っていたことを思い出した。


確か、潜在能力を引き出すとか…。


あぁ、だから動体視力が上がってゆっくりに見えたってことなのか。


これは…上がるねぇ。


胸ぐらを掴んでいたガキはまさか避けられるとは思っていなかったようで、驚いて手を離していた。


「あれぇ?きみそれ、僕のこと殴ろうとしてたのぉ?」


「ふ…ふざけやがってぇ!!」


更に殴りかかってくるが拳を避け、胸をチョンと押してやる。


「う、うおっ…!」


バランスを崩したようでそのまま尻もちをついていた。


「ははは、ダッサイねぇ。エンチャント?君たちなんかより僕にした方がまだマシだったね。金の無駄遣いご苦労さまぁ」


今回は煽りパレードだな。

そう言ってやると、残りの二人の地雷も命中したようで、怒りに任せて殴りかかってきた。


ホント、学ばないよなぁ。仕方ない。先に手を出したのはそっちなんだから、あとから文句垂れるなよ?


二人の拳が僕に届く前に、僕はリボルバーを取り出して、振り払うように銃の先端を一人のこめかみ目掛けてぶつけた。

片方にぶつけると、もう片方のガキも巻き込んで壁に押し付ける。


あちゃー、やりすぎたかな…。二人とも気を失ってるし。

壁に亀裂が入ってるし。

動体視力だけじゃなくて運動能力、つまり筋力とかも上がってるわけね。


「ひ、ひィ……… !!」


尻もちをついていたやつはテンプレ通りの悲鳴をもらし、走り去って行った。


「ふぅ……あー疲れた」


やっぱり頭の悪いガキは嫌いだな。

あ、そうだ。

僕は倒れたままの鍛冶師風の男に声をかける。


「あー、大丈夫です?」


「…あ、ありがとうございます…!誰も助けてくれないので、俺このまま死んでしまうのではと……」


余程怖かったのか目が潤んでいる。

はぁ…どうしたもんか……。


「それで、あなたは本当に最初に説明したんですよね?」


「勿論です!これは即答できます」


なんだ。結局アイツらが全部悪いんじゃないの。


「と、ところであの…」


「ん?なんだい?」


「俺はすぐ近くで、防具なんかに付与効果を付けるエンチャント店を切り盛りしてる者なんですが、良ければお礼がしたいので少し時間をいただいてもよろしいですか?」


お礼、か……まぁ色々聞きたいこともあるし、ついでってことで行ってもいいかな。


「うん。分かったよ」


「あ、俺はキレア・グレーターと言います」


「そう、僕は新井火音」


「アライ?不思議な名前ですね」


僕からしたらそっちの方が不思議なんだけどね。


「まぁよろしくね。キレアさん」


「はい、よろしくお願いします。アライさん」


そうして僕はキレアさんに店に案内してもらうことになった。


あの倒れてるやつは……放っておけばいいだろ。

是非評価ブクマよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ