表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/17

スキルなしでの戦闘

家に帰り、釣った魚を夕飯にして食べたあと、眠る準備を色々整え、今に至る。



「さて、それじゃあ寝ようか」


「………ヒオトさん、その椅子で寝るの辛くないですか?」


「まー、確かに辛いけど、ここ以外に寝れる場所ないし…」



あー、あの朝の感覚思い出したらまた腰が痛い気がしてきた……。



「あ!それじゃあこうしましょう!私が寝ているベッドを交代で使うんです」


「交代?一日交代ってこと?」


「はい!一緒に寝なければいいんですもんね?」



それはそうだけどさぁ。

なんとなく身構えちゃうんだよね……女の子が使ったベッドとか……。

いや、ガキなのに変わりはないんだけどね?

って、誰に対して言い訳してんだ。いや、言い訳じゃないけど…



「えと…ヒオトさんは、私のベッドとか使いたくない…ですか……?」



いやそんな悲しそうな顔しないでよ。

しかも若干上目遣いだし。



「そうじゃなくて、その…女の子が使ってたベッドで寝るとか普通はないし」


「…そうなんですか……。えへへ、ヒオトさん、私の事女の子としてみてくれてるんですね」



何故そんなに嬉しそうな顔をする。

はぁ……分からないなぁ。



「そりゃ女の子でしょ。性別違うってのは誰が見ても分かるっての」


「む!そういう女の子じゃなくてですねー…」


「あーはいはい、もうその案でいくから早く寝よ」



適当に話を切り上げ、ベッドに歩いていく。



「もー…!、とりあえずはそれでいいですよー……よいしょ」



椅子に腰掛けたのを確認し、僕もベッドに腰掛ける。


腰掛けてからチラッと椅子の方を見てみると、何故か顔を赤くしていた。



「…顔赤くするくらいなら譲らなけりゃいいのにね」


「そ、そりゃ赤くもなりますよ…それに!ヒオトさんも顔少し赤いですよ!」


「は!?」



急いで顔に手をやる。

赤いってマジかよ…。相手ガキだぞ!?

どうしたんだ僕は……。



「あ、赤くないっての!ほら、早く寝ろ!僕も寝るから」


「わ、分かってますよ…電気のスイッチそこなので消してもらってもいいですか?」



言われた通り電気を消し。布団に潜る。



「……ヒオトさん…おやすみなさい…」



やっぱり、こういう挨拶されたことなかったからか変な気分だ。



「…………おやすみ……」



あー、返すのも変な気分になるな…。

とりあえず僕は何故かいい匂いのする布団のなかで意識を落としていった。






朝、目が覚めたのが早かったのは以外にもあの少女だった。


昨日と同じく朝食を食べる。

やっぱり美味いんだよな…。


外に行こうと言われたため、食べたあと、歯を磨くなどの外へ行くための準備を重ねた。



「はぁー…それで今日は何するのさ?」



昨日今日とで外って…家に居たいんだけどなぁ。



「今日はですね……昨日よりもハードな運動として、モンスターを倒したいと思います!」


「は、はぁ……?本気で言ってんの?キミどこからどう見ても戦えそうに見えないんだけど…」



モンスターって結構強いんだぞ?

いや、僕が対峙したときは、どのモンスターもあんまり強いとは思わなかったけど……。



「ヒオトさん、そういうのは偏見って言うんですよ?ちゃんと武器も持ってますし」



そう言って僕に見せたのはジャックナイフのような小さな刃物だった。



「これ使えるの?キミ」


「……えっと、私そんなに運動音痴そうに見えます?」



見えなくはないんだよなぁ。



「まぁいいさ。ほら、行くならとっとと行こうよ。最悪僕が何とかするから」


「え!?ヒオトさんって戦えるんですか!?」



そう告げると、驚いた様子で言ってきた。



「僕結構強いからね?多分だけど」


「ははは……多分なんですね…」



そんな話をしながら家を出て、しばらく歩いていると尻尾が二つある狐のようなモンスターと遭遇した。


狐にしてはかなり大きいな…。大きさは日本で言う小柄なクマってとこかな?



「あ、出たね」


「すごく呑気ですね……」


「まぁ、戦えるんでしょ?やっておしまーい!……なんてね?」



ん?なんのネタか分からないって顔してるな……。

少し恥ずかしくなり、手でしっしっ、とすると微笑を浮かべ頷きながら走っていった。


手元を見るとナイフは逆手持ちのようだ。



「はッ…!!」



初撃は下からの切り上げ。だがそれを後ろにひょいとジャンプするように下がり避けるモンスター。


すると、それを読んでいたのか。上に振り上げた手を振り下ろす。


危険を察知し、横にズレたが傷は負ったようだ。



「クァ……!!」



次はこっちの番だと言わんばかりに口を開け、噛み付こうと鋭い牙を剥き出しにし地を蹴った狐。


だが、その牙はその少女には届かなかった。

なんと器用にあの小さなナイフで牙を全て弾いていた。


感心していると、その少女は牙を弾かれ体制を崩しているモンスターを切りつけた。そこから徐々に手数はどんどんと増えていく。


おーおー、速いねぇー…。


最後に上から下に切り下げ、その狐は黒煙と化した。



「へー、強いねぇ」


「そ、そうですか?えへへ……」


「あれ?そういえばスキルとか使わないの?」



思ってみればさっきもずっとナイフ一本で戦ってたし、大変じゃない?スキルなしだと。



「確かに使うと便利なんですけど、使うと魔力が減って疲れちゃうので、ここぞ!ってとき以外使わないようにしてるんです」


「へぇー、そんなもんかね?僕は結構ぽんぽん使っちゃうけど……」


「それじゃあ疲れちゃいません?ここは一度、スキルなしでモンスターを倒す練習とかした方がいいですよ!そうしましょう!」


「えー!別にいいじゃない?魔力?使っても減ってる感じとか全然しないし……」


「使っても減ってる感じしないって…そんなに魔力多くもってるんですか……」



そんなこと言われてもねぇ。多いのか少ないのか他の人と見比べないと分からないし…。ん?



「ねぇ、スキル持ってるってことはステータスプレートとかも持ってたりする?」


「え?えぇ、はい。持ってますけど」



しめた!これで僕のステータスが普通なのかどうかが分かる!



「ちょっと見せてよ。僕のも見せるからさ」


「う、うーん……まぁ、ヒオトさんになら……あ!でもスキルの欄は見ないでくださいね?ヒオトさんのスキルの欄も見ないので」


「はいはい」



そう言いながらステータスプレートを交換し、見てみると……。


ん??あれぇ!?



「低くない!?ステータス!!」


「高くないですか!?ステータス!!」


「どういうこと!?これは流石に低すぎるでしょ!?」


「何言ってるんですか!!私の方が普通で、ヒオトさんがずば抜けて高いんです!!」



え?そうなの?

だって僕のと比べると、ステータス差多分10倍以上あるよ?これ。



「んー……他人のと見比べたことなかったから分からなかったけど、僕ってホントは結構強いんだなぁ」


「あー、だからさっき自分のこと多分強いって言ったんですね…」


「まぁ、僕が強いって分かったし?僕が戦う必要もないんじゃないかなー?」


「いえ、せっかくなら戦いましょう!強いのは分かりましたけど、スキル使わずに倒す練習もしないと!」


「えー、でもさぁー……」





あれから色々話し、結局押し切られました。はい。


わかったよ、やればいいんでしょ。やれば。



「あ、出ましたよ!」


「なんというか、見た目ごついな…」



出てきたモンスターは、四足歩行で歩くタイプのモンスターで、犬のようなではあるが、ものすごく筋肉マッチョだ。そして、目つきが悪い。



「つ、強そうですね……このモンスターは私長いこと、この山奥に住んでますが見たことないです……」


「まぁ、なんとかなるでしょ」



そう言いながらリボルバーを取り出し、前に出ていくと、マッチョから仕掛けてきた。

脚に力を込め、地を蹴ったのまでは見えたのだが……。



「な!?」



なんとか高いステータスによって得た動体視力で体を捻り避ける。


よかった、少女には気がついていないようだ。

って何安心してんだっての。



「というか、速すぎるだろ……」



筋肉の性能は見た目通りだな。

あんな突進食らったら一溜りもない……。


しばらく様子を見ていると、何故か一度距離を取ってからもう一度突っ込もうとしてきた。


あー、なんとなく分かったかも。


あのマッチョが脚に力を込めているのを見届け、なんとなくこの辺だと思うところで思いっきり拳銃を左から右へ降り抜いた。

すると、マッチョの顔の側面にクリティカルヒット。


横にある木まで吹っ飛び。

ドサッと倒れた。多分まだ死んでないので、リボルバーのハンマーを起こし、眉間を狙って発砲してとどめを刺す。


すると何故か後ろにいる少女から小さな悲鳴が。

疑問を抱きつつも、リボルバーをしまい、頭を掻きながら歩いていく。



「どうしたのさ?急に悲鳴あげて」



どういう訳か少女は涙目であった。



「きゅ、急にバァンって……」


「あー、ビックリしたんだね。ごめんごめん。でもまぁこれに関しては仕方がないよ、こういう武器だから、なんとか慣れていってね」



頷き、次の言葉を掛けてくる少女。



「でも、ホントに強いですね。なにか倒し方あったんですか?」


「いやね?よく顔見て見たら牙が全然鋭くなくて、ならアイツの武器はなんだ?ってなったときにあの突進だけだから殴った方が早いかなーと思ってね」


「よ、よく見てますね…私だったら危なかったかも……」


「どうだろうねー、突っ込んできた時ナイフ突き出しとけば勝手に死ぬんじゃない?」



なるほど!といった表情に微笑を浮かべながら声をかける。



「ほら、満足したろ?帰ろうよ」


「はい!帰りましょう!」



帰りながら色々なことを聞かれたが、教えるのがメンドウなもの以外は軽く教え、メンドウなものは適当に流した。


そんなこんなで今日も一日が終わったのだった。

是非評価ブクマよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ