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宿の夫婦

街に戻り、ギルドへ、クエストの達成報告をしに来た僕。


どれくらいの報酬なのかなー。


金に困っているわけではないが、あって困るものでもないし、普通に好きなので期待している。


受付へと向かい、職員に声をかける。



「すいません、クエストの報告をしたいんですが」


「あ、はい。クエスト用紙のご提示お願いします」



へー、これクエスト用紙って言うんだ。


クエスト用紙を渡すと、あの赤いランプを手に持ち、問いかけてきた。



「シャドウヒューマンの討伐は達成出来ましたか?」



嘘をつく必要も無いのでそのまま「はい」と返事をする。

そのランプに変化はない。

嘘ではないと判断した職員は労いの言葉をかけてきた。

その後、用紙にハンコを押し、何かの機械のようなものに用紙を通した。



「ステータスプレートのご提示をお願いします」


「え?あぁ、はい」


「ありがとうございます」



まさか使うとは思わず、少し焦ったが、ステータスプレートを取り出し、渡す。


すると、その機械のようなものにプレートを差し込むと、微かに光だしたかと思うと、すぐに光は消えた。



「おめでとうございます!冒険者ランクがEからDランクに昇格しました」



カードを引き抜き、こちらに手渡しながらそう言ってきた。



「あ、あれ?早くないですか?」



さすがに初めてのクエスト一回で昇格ははやすぎるんじゃないの?だって一回だよ?一回。



「いえ、そんなことはないですよ?最初のEランクDランク辺りはかなり上げやすいというのもありますし、それにシャドウヒューマンは普通、ランクDの人が頑張って倒せるレベルなんですから」


「あー、なるほど」



つまり僕は低いランクで、上のランクの人が倒せるモンスターを倒したから早く上がったってことでもあるのかな。


あれ?でもそしたらそれを楽々倒せた僕って案外強いんじゃないの?

こりゃまた自信つくねぇ。



「それではこちら報酬の6000ゴールドになります」


「どうもー」



軽く会釈したあと受付を後にし、ステータスプレートを確認してみた。


おー、なんか少しだけ光沢感出てきたなぁ。


ん?そういえば、シャドウヒューマン倒した時に使ったあのスキル、低確率なのに、一回目で当たるって……。

あ、もしかして。


そう思い、ステータスプレートでエンチャントの欄を確認してみる。


あ、やっぱこれのお陰か。

『確率系スキルの確率絶大上昇』


前見た時は何となくでスルーしてたけどこれかなりすごいよね。

絶大って書いてあるし。


あと確かあのスキル使ったとき、リボルバー使った記憶ないけど、なんで発動できたのかな……。


僕が持っているスキルにはリボルバーを使って発動するものもあれば、使わずに発動するものもある。


まぁ、困ってるわけでもないから別にいいんだけど、不思議だよなぁ。



「なーんか、クエスト達成したら疲れちゃったなぁー……」



今日は宿に帰ってダラダラしよーっと。


特に寄り道もせず真っ直ぐ宿に向かった。




僕が使っている宿の扉を開くと、いつも通り宿屋を経営している夫婦二人が話しかけてきた。



「あら、おかえりなさい。クエストは達成できた?」


「怪我はなかったかい?」


「あ、あはは……はい、お陰様で…」



宿を何日か使っていると、親近感が湧いてきたのか、よく話しかけてくるようになった。



「ヒオトちゃんは私達の息子によく似ているからねぇ」


「冒険者ってところもなぁ…ヒオトは俺たちを置いて逝かないでくれよな……」



なんか、この夫婦の息子に似ているとかでよくこんな風に絡んでくるんだけど、正直どう反応したらいいか分からなくて困っちゃうんだよねー。



「あはは。大丈夫です!黙っていなくなったりしないのでご安心を!」



全く困っちゃうよね。

なんか親代わりされてる、みたいな気分だよ。

まぁ、この二人の息子さんにとっては、僕の両親よりかはいい両親なんだろうね。



「えっと、それじゃあ部屋に戻りますね」


「ええ、ゆっくりしなさいね…」



ホントにあの二人にはかなわないや…。



部屋に戻り、ベッドの上に横になると、何故か睡魔に襲われウトウトとしてくる。

この後に予定がある訳でもないので、今は睡魔に身を任せることにし、僕は眠りについた。





どれくらい眠っただろうか。

僕は、僕を取り囲むような熱気に叩き起された。



「こ、これは……」



この宿の状態は大火事といった様子だった。

窓から外を見てみると、この宿だけではなく、街全体が炎で包まれていた。


是非評価ブクマよろしくお願いします。

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