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クエスト達成

討伐対象がいる森へと向かう前に、一応回復薬?を買うことにした。


一応ね、一応。あの人も危険とか言ってたし。


前にチラッと見た時以来だなぁ。


中に入ってみると、やはり少し汚れている感じではあった。

まぁ、前の武器屋よりかはマシかもね。



「いらっしゃーい!」



店に入ると、ちょび髭を生やしたおっさんが大声を上げ、そう言ってきた。


店内は、店員ゾーンと客ゾーンに別れており、店員ゾーンの方には回復薬らしきものなどが置かれている。

逆に客側には、ちょっとした観葉植物や、置物が置いてあるだけだ。


「あの、回復薬とかってありますか?」


「回復薬?あぁ、ポーションのことだな。いくつ買ってくんだい?」



所持金は正直そこまで困ってはいないし、ちょっと多めに買ってもいいかな。



「えっと、ポーション以外には何があるか教えてもらえますか?」


「他かい?他にはー……解毒薬に、戦闘には使えねーだろうが目薬だとか、風邪薬とかだな!消耗品に変わりはねぇだろぉ?」



そう笑いながら言い放ってきた。

まぁ回復薬……じゃなくて、ポーションさえあれば何とかなるとは思うけど、品揃えもう少し何とかならないのかねぇ。



「あー……それじゃあ、ポーションと解毒薬をいくつかもらいますね」


「あいよー!」



ポーションと解毒薬をいくつか買ったあと、店を出た。


さてと、早速街の外に出て、森へ向かいましょうかねぇ。


歩いていると、見たことのない施設のような場所があった。


なにあれ?施設……というよりかは、牧場?でもないよなぁ……。なんだろう?


その場所には本当に多くの馬が飼育されていた。

恐らく馬車にし、乗ろうと思えば街人全員が乗ることが出来るだろう数だ。


不思議なことしてるなぁ…。まぁ、僕には関係ないかな。


関係ないことはすっぱりと切り落とし、クエストへ向かうことにした。




僕は今、討伐対象がいる森にいる。


全く、森に来るなんてガキの時以来だよ。まぁ、日々の努力のお陰か、疲れは全然出ないけどさぁ。


森に入ってからしばらく歩き、討伐対象ではないモンスターを倒し、また歩き出すということを繰り返して、少し参ってきていると、目の前に黒い影のような人型のモンスターが現れてきた。



「うわー、ホントに名前の通りだねぇ。しかも地面から出てくるとか、どこのホラー映画だよ」



そう呟いていると、先制攻撃とばかりにこちら側に手をかざしたかと思うと、手の先から黒いムチのようなものが伸び、攻撃してきた。


あまりに急なことで回避が間に合わず、ダメージを覚悟したのだが。


バシンっ!!という音ではなく、ぺしっ。というなんとも可愛らしいような音が鳴った。



「……あはは、全然痛くねぇ…」



シャドウヒューマンはその事に少し驚いてはいたが、質より数だと言わんばかりに攻撃を重ねてきた。


しばらくは攻撃を無言で耐える……というか赤子の相手をするような感覚で直立不動だったが、我慢の限界とばかりにそのムチのようなものを素手で掴んだ。



「!?」


「しつこいんだよねぇ!!!」



掴んだムチもどきを思いっきり引っ張り自分の方へ引き寄せる。

そのまま顔であろう部分を鷲掴みにし、握りつぶしてやるとばかりに力を込めていった時にふと力を込めるのをやめた。



「そーうだ、いいこと考えた」



せっかくなら、新しく覚えたスキル使ってみよーっと。


そう思い立ち、シャドウヒューマンを軽く投げ、スキルを発動させるために頭に浮かんだ格好をする。


シャドウヒューマンに手をかざすように腕を伸ばし、まるで見えない手でもあるかのように両手で両手を掴む仕草をする。



「『牢獄の殺人鬼』」



するとどこからともなく枷が現れ、シャドウヒューマンの手足を空中で拘束した。


スキル発動の条件は頭に浮かんだポーズを取ることが必要だと最近理解した。

ホント、まるでゲームだな。


このスキル、『牢獄の殺人鬼』は、低確率で相手に対し発動し、発動した場合はどこからともなく現れた枷に拘束され、またもどこからともなく空中に現れた長剣が手、足の順に飛んでいき、相手を苦しめた後に心臓、いわゆる急所を貫き、絶命させる。

ちなみに、長剣を飛ばすタイミングは自由だが、長時間放置は不可能。

放置した場合、自動的に長剣が飛んでいき絶命させる。



「はい、それじゃあ手からいきますよー」



人差し指をたてると僕の周りに長剣がいくつか出現する。

次にシャドウヒューマン向けてクイッと指を前に倒すと、空中を漂っていた長剣がシャドウヒューマン向けて飛んでいき、腕を切り落とした。


痛みを感じているのかバタバタともがいているが、空間自体に固定されているので、動いてもその場から逃れることは出来ない。



「はい、次足ねー」



さっきと似たような手の仕草をし、剣を飛ばす。

そして次は足が切り落とされた。

相変わらずもがいているようだ。



「はい、ラスト」



最後にフィンガースナップをし、長剣を飛ばすとシャドウヒューマンの中心に突き刺さった。


するとピクリとも動かなくなり、空中から地面へ、ドサリと落ちた。


下に落ちていた手足と共に死体は黒煙と化し、そこから経験値が入った。



「おっ、レベルアップー、と」



それにしても、なんでこんなスキルが僕の所に?僕ここまで残忍じゃないんだけど……。

やっぱり、日本でこういう感じの映画見すぎたのかねぇ。


クエスト達成ということで、街に戻ることにした僕だった。

是非評価ブクマよろしくお願いします。

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