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働く毎日

人間なら誰しもが持っているもの『友情』


そんなものただのマヤカシだ。誰しも?ふざけんなよ。なにが友情だ。なにが人間関係だ。そんな厄介なもん、ぶっ壊せるならぶっ壊してやるよ。




朝、僕の眠りを妨げようとする、その忌々しい物体特有の不愉快な音と共に僕は目覚めた。


「ふぁーぁぁ……」


音が鳴っている原因となる忌々しい目覚まし時計を止め、欠伸によって出てきた涙を拭う。


「会社……行きたくないなぁ…」


そうは言ってもこのご時世、仕事がなければ何にもできないもので。


「準備するかぁ」


とりあえず僕は洗面所へ向かい顔を洗い、歯を磨く。

次に昨日の内に買っておいた朝ごはん用の菓子パンの袋を開封、そして口に運ぶ。

ふわふわとした食感に食べ慣れたことにより何も感じないままその動作を繰り返し、食べ終わる。

そして、昨日帰ってから脱ぎ捨てたままの、テンプレどうりの色をしたスーツをダラダラと着ていく、最後にネクタイを適当に締め、おしまい。鏡で自分の姿を確認するとネクタイはヨレヨレであったとさ。

さてと、行くか。


「忘れ物はー…無いな」


マンションの鍵を持ち財布をズボンのポケットへ。

外へ出たら鍵を閉め、そのまま歩いていく。

幸い会社と自宅との距離はそこまで長くないのでバスなんかに乗らずにすむ。何事も節約だよね。



会社に着くと、僕が最後だったと分かった。


「おはよう。新井くん」


「あぁ、おはようございます。課長」


僕の名前は新井火音(あらいひおと)

4年前にこの会社に入社し、現在25歳だ。

ちなみにこの「僕」という一人称は入社する前に買った本にこっちの一人称の方が悪印象を与えにくいとあったからで、たまに前のが出そうになり、焦る。


朝礼が始まり、また今日も仕事が始まるのかと、嫌になった仕事に対しての溜息を周りにバレないようについた。





「お疲れ様でしたー」


今日の分の仕事を終え、帰ろうとすると。


「新井くん、明日も付き合ってくれるね?」


案の定課長からのお誘いだ。


「ははは…も、勿論ですよぉー」


「それじゃ、お疲れ様」


内心舌打ちをしながら帰路につく。

明日は休日、この課長からの誘いは毎週だ。なんでも以前、と言っても僕が会社に入社してすぐのことだが、受けた健康診断の結果が良くなかったらしく、ジムに通うことを決め、何故かそれの付き添いを僕が担当してるってわけ。なんでわざわざ休日に、僕がこんなオッサンとジムに通わないといけないわけ?

周りに誰も居ないことをいいことに早大にため息をつき、コンビニへ向かう。



いつもの菓子パンを買い、店を出ると、大粒の雨が降っていた。ほんとについてないよなぁ。

仕方なしに、念の為入れて置いたたためるタイプの黄色いレインコートを取り出し着用、フードを被り歩き出す。


歩いている途中、ふと頭に浮かんだ昔の記憶、学生時代のことだ。

僕の学生時代なんてろくなものじゃなかった。周りは友達だ恋人だと浮かれていた。だけど家の教育方針上、そんなことは許されなかった。なにがカラオケ、遊園地だ。僕なんて勉強しかさせて貰えなかったっての。


勿論、僕だって昔は純粋無垢な子供だったのだから友達をつくりたいと思ったし、少なからずできた。だが僕が勉強ばかりするつまらない奴だと分かった途端みんな離れていった。


やっと出来た友達、直ぐに離れていく連中、この繰り返しさ。



昔の事を思い出し気分が悪くなった僕は、家に帰ると、服を脱ぐこともめんどうだとそのままベッドへ入り、こう願った。


(あぁ……誰でもいいから誰か、誰か俺をここから連れ出してくれ)


是非評価ブクマよろしくお願いします。


どこかで主人公の見た目設定とかを挟ませて頂きます。

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