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良い人生を  作者: 猫神教徒
1/5

リトライ

楽しんで頂ければ幸いです。




その日から自分の全てが壊された。何もかも失いそれでも生きているのは自分でもわからない。何故こんなことになってまで自分は生きなければならないのか、神様とやらがいるのなら聞いてみたい。









今日もいつもと変わらない退屈な日だった。いつも通り学校へ行き授業を受け家に帰る。それだけだった。帰り道の交差点、横断歩道を渡っている最中目の前で大型トレーラーが横切った。自分は轢かれない位置だったが、そこに子供がいた。気が付いたときにはその中に飛び込んでいた。死ぬとわかっていたが不思議と迷いはなかった。









目が覚めるとそこは白い空間だった。


「ここは…」


「ここはあの世とこの世の狭間とでも呼ぼうか」


そこに白く輝く丸い玉が浮いていた。


「お前は?」


「神様…かな」


神様…ね


「そうか。で、俺はどうしてここにいる?」


「君、こんな所に急に来たのにやけに落ち着いているね」


「そうだな、正直どうでもいいからかもな」


「どうでもいい?」


「昔から興味がないんだ。自分の事も他人の事も」


あの日から自分の全てがどうでもよくなった。今もそれは変わっていない。


「それはおかしいね。此処に来れる人間は決まって…おっと危ない危ない、これはダメなやつだ」


「いいから俺はどうなった?」


「結論から言えば君は死んだ。子供を守ってね」


「そうか、ならいい」


自分の人生で何か一つ残せたのならそれでいい。


「しかし、君にはチャンスを与えられた。別の世界でもう一度生きられるチャンスをね」


「別の世界、異世界ってやつか」


「そう、そこで生きてもらう。理由は色々あるけど、一番の理由は君に未練があるからかな」


「未練?」


「そう人生のね」


「そんな人間たくさんいるだろ」


「そう、その中で君は特別凄い為チャンスが与えられた。新しい人生を謳歌して満足して亡くなってもらう為に」


「ありがた迷惑だな。俺に未練なんてないのに」


それどころか死を望んでいた。生きる理由も目的もなかったのだから。


「いいや、それは君の本心じゃない。どれだけ偽ろうとも自分自身を騙し続ける事はできない。君に与えるのは、君が満足する人生と君の心の奥底で願った力だ」


「願った力?」


「次の世界は異種族も魔法もある。その特殊技能とでも思ってもらえればいい」


「俺はそこでどうすればいい?」


「それを決めるのは君自信だ。それでは良い人生を」


そこでまた俺の意識はとう退いた。

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