プロローグ
初投稿です。小説を書くのも初めてです。こんなものでも読んで頂ければ幸いです。
「……くっぅ……これ以上は……」
黒いローブを着た者達が苦痛に歪んだ顔で、額に汗を滲ませている。
「なんとか……踏ん張るのじゃ」
そう言う老人もまた、額に汗を浮かばせ歯を食いしばる。
老人も含め十二人が輪になり、輪の中心に向けた己の掌に意識を集中させていた。
輪の中心には立体映像のようなものが映し出され、その中に巨大な光の球のようなものがあった。球の大きさはおよそバスケットボール位だった。
「魔力が…持ちません……」
「もう少しじゃ。皆耐えてくれ」
手を抜いている者などいない。全員が持てる力の全てを注ぎ込んでいる。しかし、それ以上の為す術は無い。
標的の真上高くに光の球のようなものを出現させるまでは順調だった。あとはこの球を直径二メートル程まで拡大するのだが、なかなか大きくならない。
それでも僅かながらも膨らみ続け直径二メートルに達しようかという時、ドサッと言う音が響いた。
「トゥルーデル!」
トゥルーデルと呼ばれた男が力尽きて倒れた音だった。
やがて光の球は制御を無くし、ゆらゆらと揺れながら標的の頭上から外れた。皆の願いも虚しく標的に命中することなく、フラフラと地上に落ちる寸前、一瞬輝きを増したかと思うと消えた。
「……失敗だ…皆…すまぬ…すまぬ……」
その場に立っている者は老人唯一人だけだった。




