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黒須三太

作者: ハタケシロ

クリスマスが近いんでクリスマスにちなんだものを書いてみました

この世界には魔法を始めとしたファンタジーなものが想像上または架空上ある。

やれドラキュラだの魔法使いだのベガサスだの色々な物をひとは想像してきた。


だがそんな中で一つだけ実在する人物がいるそれがサンタクロース。

俺だ。日本を担当している


この世界ではサンタクロースが実在すると認知されているし、俺が町を歩けば子供にやれ今年はあれが欲しいだのこれが欲しいだのと声を掛けられる。

がそれもこの前までだ。


何故かって?


若返ったからだ!


何故若返ったくらいで子供に声をかけられなくなったかって?


それは……………


俺のトレードマークでもある髭と出っ張った腹が若返ったことにより無くなったからだ!

今の俺の外見は腹は引っ込み、筋肉がいい感じにつき、顔も自分で言うのもなんだが美男子になっている。

髪も黒になったし。


そして若返って見た目が変わったせいか、町を歩いても子供はおろか美男子過ぎて誰も話かけてこなくなった。


いや、でもね。

最初のうちは俺はサンタクロースだ!って言ってたんだけどね、周りからちょっと頭の痛い美男子という目で見られたからすぐやめたよ?


俺の住んでいたアパートでもサンタクロースじゃなく何故か美男子が住んでいるということになり、即追い出された。

(ちなみに俺は普通に激安のアパートに住んでたからな!)


ここまで語ったが別に俺は元の年老いた見た目に戻りたいわけじゃない。

むしろこのままがいい。美男子だと店のおばちゃんにおまけを大量に貰えるし、ある程度の事なら美男子という理由で許されるからだ。

だから別に戻りたいわけじゃない。


だが俺はクリスマスにプレゼントを配ることで国から金を貰い生活して来た。

え?ボランティアみたいな感じでやってたわけじゃ無いのって?

バカヤロー!!生活できねぇだろうが!!

年老いた元の見た目なら法律で勝手に他人の家に入っても良かったのだが、今の美男子の見た目でプレゼントを配るためとはいえ勝手に他人の家に入ったらいくら美男子でも捕まる。

つまり俺は職を失い生活が出来なくなったということになる。

これが一つだけ困ったことだ


だが現在、俺はコンビニでアルバイトをして何とか生活をしている。

生活してるといっても家は同じバイトの子の家に居候している形だから自立をした生活をしているわけじゃない。


そしてそのバイトの子といのが女子高生の栞ちゃんだ。

栞ちゃんは家がないという俺に対して親を説得して、一緒に暮らしてくれているとてもいい子だ。


今日も栞ちゃんと一緒にバイトをしている。ちなみに栞ちゃんは黒髪セミロングで顔も整っていてとても可愛い。

一緒の家に暮らしているが正直毎日ドキドキしてる


「栞ちゃんこれはここでいいんだよね?」


バイトでの栞ちゃんは俺の教育係なので色々栞ちゃんから教わっている。また分からない時はこうして栞ちゃんに聞いている


「はい、いいですよ。自称サンタクロースさん」

「だから本当だって」

「嘘だ〜。サンタクロースがこんな美男子なはずないじゃないですか!」


俺はバイト初日、あまりにも栞ちゃんが可愛いかったので俺がサンタクロースだと言ったのだが、他の奴らと同じで信じて貰えていない。

まっそうだろうけどね。

ちなみに栞ちゃんを含めた家族には黒須三太と名乗っている。


「ところで三太さん」


客がいないせいか、話を続ける栞ちゃん


「何?栞ちゃん」

「明日ってバイト入って無いですよね」

「そうだけど」

「じゃ出かけません!?休みだし!一緒に!」

「いいけど、どこに?」

「映画とかは?」

「いいよ。じゃ明日ね」


俺が了承したあたりで客が来たので俺と栞ちゃんは仕事に戻った。

俺が言うのもなんだが俺は美男子で栞ちゃんは可愛いから俺達の働いているコンビニは客が結構くる。

さっきみたいに客が一人もいないというのはたまにしかない。

俺はさっきの会話を思い出しながら働いていた。

なんかデートの約束みたいだったな



私中津栞は平静を装いながら仕事をしていたが内心、嬉しさで一杯だった。

なぜなら明日三太さんとデートできるからだ。


三太さんがバイトとして入って来た初日、私は一瞬で恋に落ちた。一目惚れだった。人間簡単に恋に落ちないだろうと思っていたがそうでもなかったらしい。(俺はサンタクロースだと言ったときは困惑したけど)

そして家がなくて困っているというのを聞いてすぐに両親を説得して一緒に暮らす事にした。

私は毎日ドキドキしながら生活しているけど三太さんはどうなんだろう?

とりあえず私は明日着ていく服などを考えながら仕事をこなして行った。



翌日

俺は清々しい気分で目覚めた。

時計を確認し、考える。





――――うん寝坊だね。


でもいいかい?みんな?

まだ慌てちゃ駄目だ。

まだ待ち合わせの時間に3分ほど時間がある。


ん?なんで待ち合わせかって?

それはね栞ちゃんが明日は駅前に集合しましょうと昨日いったからだ。

俺としては一緒に家をでて行きたかったんだけど。

俺は考えたよ?もしかして俺と一緒に休日に家を出るところを誰かにみられるのがやじゃないかって。

でもそれはないと俺は考えた。


だって俺美男子だし


なんて語ってる場合じゃない!

俺は急いで身支度をして時計を確認。

よし!あと20秒ある。

そこでおれはテレポートして待ち合わせ場所に向かった。

え?なんでテレポートできるかって?

そりゃサンタクロースならテレポートの一つや二つくらいできないと!

じゃないとクリスマスの夜のうちにプレゼント配れないじゃん!え?トナカイ?あ〜あれ美味しいよね!


俺は駅のトイレの個室にテレポートして駅前にでた。

なんとか間に合ったな。

栞ちゃんはっと、おっいた


「ごめん栞ちゃん待った?」

「いえ全然、2時間しか待ってないですよ」

「そう?それなら良かっ……………2時間!?」

「はい。ちょっと早く付き過ぎて」


そういうと少し頬を赤く染める栞ちゃん。


たく栞ちゃんは可愛いな。

良く考えれば2時間くらい早く来てもなんらおかしくないじゃないか。


「じゃ行こっか」

「はい。」


俺は昨日こっそり店の雑誌でみた本の通り栞ちゃんをエスコートすることにした。

雑誌にはデートは男がエスコートするものと書いていたから、俺はそれを実践することにした。

でもこれデートじゃないんだよな。


「で、栞ちゃん何見る?」


俺は映画館が入っているデパートに向かう途中今日の目的でもある映画について聞いてみた。


「そうですね。ホラーとかどうですか?」


ホラーかホラーね


「ごめん無理」

「!!何故ですか!?」


なぜか……………なぜって


「俺、怖いの駄目なんだ」


いいかみんな!サンタクロースは怖いのは駄目だ!

え?じゃなんで夜にプレゼントなんか配ってるかって?

それは仕事だからしゃーない


「そうなんですか」


栞ちゃんは少し顔を俯きながら言う

どうやら相当ホラー映画を見たかったみたいだ

でもごめんね。美男子な俺でもこやればかりは譲れない


「別のじゃ駄目かな?」


俺は落ち込んでいる栞ちゃんに話しかける


「いいですよ。けど……………」

「けど?」

「映画じゃなくてもいいですか?」

「うん。べつにいいけどどこに行く? 」

「あそこに」


そういう栞ちゃんの指は天に向かってそびえ立つ赤いタワーに向いていた。


ほほう。よりにもよってあそこですか。このサンタクロースにいいでしょう!

望む所です。



「うう。高い」


もちろんこの声は栞ちゃんのものじゃない。俺だ

俺は今赤いタワーの展望台へと続く、エレベーターのなかにいた。

ここでもう分かったと思うが、この俺、サンタクロースは高い所も無理なのだ。



「三太さん大丈夫ですか?」


俺の隣にいる栞ちゃんが声をかけてくる


「な、何が?」

「何がってエレベーターに乗ってから凄い汗ですよ!?」

「きのせいだよ栞ちゃん。べつに高い所が怖い訳じゃないからね」


うん。われながら上手く誤魔化せた。

美男子のくせに高い所がこわいだなんて恰好悪くて言えないからな


エレベーターから降りた俺達は景色をみるべく移動した


「わあ〜いい景色!綺麗ですね」


満面の笑みで俺に向かっていう栞ちゃん

ん?そういえば雑誌で女の子が綺麗とか言ったらこう言ったほうがいいってなんか書いてあったな

ん〜なんだったっけ

あっそうだこういえばいいんだ。

俺は雑誌に書いてあった通りの言葉を栞ちゃんに言う


「君の方が綺麗だよ」


……………

……………


ん?待て。




やっちまったー!!!

今考えたらこれは彼氏が彼女に言う言葉じゃねーか!


俺は恥ずかしさですぐに顔を背けたがゆっくり栞ちゃんの方に顔を向ける


「あ、ああ、あわ」


栞ちゃんは顔をみるみる赤くして言葉にならない言葉を発していた。


そして……………


ダッ


栞ちゃんは階段に向かって走り出し、みるみる赤いタワーの下につきどこかに行ってしまった。


栞ちゃん足早いんだな

ってそうじゃねえ!


俺は栞ちゃんを追いかけた。



私は今、家路を歩いていた


いきなり三太さんに綺麗って言われてびっくりして逃げ出してしまったことを今は後悔している。でも三太さんが不意に言うのが悪い。だって、ね。心の準備とか

でも素直に綺麗って言われて嬉しい。


今日のデートを私は楽しみにしていて、昨日のうちにシミュレーションもしていた。

まずホラー映画を見て、三太さんに思いっきり抱きつこうと思ったのにまさか、三太さんがホラー映画駄目だなんて思いもしなかった。

起死回生のために今度は高い所で再び抱きつこうと思ったけど三太さん高い所も駄目だなんて


あ〜あ結局私が逃げたせいで今日のデート台無しだよ〜


私は憂鬱な気分で歩を進める

すると数人の男の人に話しかけられた

ナンパだ。

私はよくナンパされるのでいつものように適当に断ろうとしたが、今日のはしつこかった


「ねっいいじゃんちょっとだけさ」


そういう男の人は私の手を掴んでくる


「やめて!離して下さい!」


誰か助けて

私は心の中で叫んだ

すると


「おい、手離せよ」


聞き覚えのある声が聞こえた。

振り返ると三太さんがそこにいた



俺は赤いタワーをテレポートで脱出したあと栞ちゃんを探した

栞ちゃんは俺が不用意に綺麗だなんて言ったからきっと気分を悪くしたんだろう

俺はそう思い、とにかく謝らなければと思って栞ちゃんを探した



探すと言ってもそこはこの俺サンタクロース。

すぐに見つけることができた。

だがなんて話しかけたらいいか迷っていると、栞ちゃんは数人の男に絡まれた。

俺は助けなきゃと思い栞ちゃんに近づいて、男どもにいう

「おい、手離せよ」

「あん?なんだ美男子?お前もしかしてこの子のかれ……………」


ドコッ


男がなにかいい終わる前に俺は殴った


「手離せって言っただろ?」


決まった。今の俺超恰好いい。


だがそう簡単に事態は終わらない


「こいつやりやがったな!」

「この野郎!」


残りの男達が殴りかかってくる

俺は殴りかけられる前に言った


「一つだけ教えてやる。サンタクロースは喧嘩つぇんだよ!」


……………


…………


………


……




「ありがとうございました。」


帰り道栞ちゃんが俺に言ってきた


俺はあの後殴りかかってきた残りの男達を一人残らずボコボコにした。


そして今は栞ちゃんと一緒に家に帰っている途中だ


「いいって、それよりごめん。気分を害するようなこと言っちゃって」

「??」

「ほらその勝手に綺麗とか言っちゃてさ」

「あ、いえ、むしろ嬉しいといかなんというか」

「え?じゃあ怒って駆け出したわけじゃないの?」

「違いますよ。ビックリしちゃって………それで」

「なんだそうだったのか〜」


あ〜安心した。栞ちゃん怒ってると思ってたから


俺が安堵していると栞ちゃんが声をかける


「三太さんこっち向いて貰っていいですか?」

「ん?なに?」


俺が振り向くと


チュ


とキスされた



俺は今こう思っている


ああ〜若返ってよかった



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