キラ
全方向が見えるのは嬉しくは無い。
しかし、今の動きからして、頭は打たれたくないのか。
なら決して厄介な奴ではないか。突進に合わせて頭を狙えばいい。
奴が突進して来る!
と思うと奴は途中で倒れた。 顔に一滴の汗が流れる。
死を確認。念のために頭に一発発砲する。
きっとこいつにこの核遺伝子は合わなかったのだろう。
ではなぜ研究員はこいつに核遺伝子を注入したのだろうか。
いや、今は。
フィアとトウロウのもとへ向かう。
一つ一つの壁で立ち止まり確認して進む。目的地に近づく度に死体の数が増えていく
まるで誰かが先に通っていったかの様だ。
次の角を曲がった所に目的の部屋がある。辺りを見回すとユメキチがいた。
ここでいったい何をやっているんだあいつは。まさかさっきの死体あいつがやったのではないだろうか。ユメキチもこちらに気づいて手を振ってくる。
あいつ、俺の命令をちゃんと聞いているのか。
呆れた顔で俺が先に行く。そうサインして部屋へ近づこうとした時
「キャー」
フィアの悲鳴だ。部屋の扉へ走る。
中を覗くと、血だらけになったトウロウの前でフィアが座り込んで泣いている。
そしてその横に背中に刀を背負った男がいる。苦神キラという男だ。
「クシナ!いるんだろ。お前も来いよ。」