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『ぬかとたくあん漬けと黄色プレスマンと赤プレスマン』

作者: 成城速記部
掲載日:2026/03/31

 ある男が、女房の実家に呼ばれて、一人で行くことになった。女房は、実家では母が風呂を沸かして待っているだろうから、ぬかで体を洗って、男を上げて、私の両親をぐっとさせてくれ、と言うので、ぬかで体を洗うんだな、と念を押してから出立した。

 道々、ぬかを体に塗って洗うなんて初めて聞いた。たくあん漬けみたいだな、などと思って歩いていると、うっかり記憶が入れかわってしまった。

 女房の実家に着くと、既に風呂が沸いていて、すぐに入れという。男は、女房の母親に、おっかさま、男を上げたいので、たくあん漬けを用意してください、と頼むと、女房の母親は大層不思議がったが、しかし婿の頼みなので、では、今すぐ切ってくる、と答えると、いや、切られては困る、と言うので、さらに不思議な気持ちになって、これは、本当のたくあん漬けのことではなくて、符丁なのではないか。黄色くて細長くて男を上げるといえば、そうだ、黄色プレスマン以外に考えられない。そう思って、下女に言いつけて、黄色プレスマンを風呂に届けさせた。男は、たくあん漬けが届くものだと思っていたので、たくあん漬けで背中を洗う練習までしていたのに、こんなに小さくて短くてはそれもできない。どうしてこんなことになったのか。思い出した。たくあん漬けではない、ぬかで体を洗うのだった。この家では、これをぬかと呼ぶのか。そうだと思った。米のぬかで体を洗うなんて聞いたこともない。よし、これで体を洗おう。

 男は、男を上げるために、黄色プレスマンで念入りに体をこすり、体中が真っ赤に腫れ上がって、自分が赤プレスマンみたいになってしまった。



教訓:ぬかを袋に入れてつくったぬか袋で顔や体を洗うと肌がすべすべになる、というのは、よく言われている。

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