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広告に苛立ち

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 動画サイトで延々と実況動画を流しながら勉強をしていたところ、不意に実況ではない動画が流れた。

 人々がゲームの戦闘力で自分の方が偉いと自慢し合っている中に突然突出した一人が現れ、驚く周囲にドヤ顔で「〜をしたから」なんてことを教えている。まぁ、所謂「広告」というヤツだ。

 

 この広告というものを、蛇蝎の如く嫌う人間は多い。

 当然と言えば当然だ。他のものを見たくて動画を再生しているのに、無理やり全く別のものを見せられる。その上飛ばすこともできず待たされるのだから、見ている人間にとっては「時間の無駄」以外の何物でもない。


 ……だが僕は、割とこの広告と言うものが好きだった。

 これを周囲に話すと「変人」だとか「おかしい」とよく言われるのだが、まぁ正直自覚はある。

 何が好きかと言えば、こういう惰性で動画を流す時間の中に挟まる僅かな感情の揺れ動きだ。

 言ってしまえば僕とて、広告動画に苛立たない訳ではない。音楽を流している時に挟まると心底腹が立つし、長尺動画の途中に突然差し込まれた時などは「早く続きを見せろ」と苛々しながら待っている。

 ――ただ、今のような惰性の時間だけは。退屈な無心の中にふと入り込んでくるその苛立ちさえ、心地良いもののように思えるのだ。

 

 ぶっちゃけた話、僕は異端なのだろう。少なくとも、世間的には少数派であることに違いはない。

 まぁ、好みは人それぞれだ。僕は僕なりに、この無駄な時間を楽しめば良い。

 ……また、動画に広告が挟まる。心地良い苛立ちを胸の奥に感じながら、僕は静かに次の動画が再生されるのを待った。

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