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静暑の記憶【中編】

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「……いっしょに、あそぼう?」


 そう声を掛けてきた女は、幼い私にも容易に理解出来る程にとても美しい容姿をしていた。

 彼女の姿は、今も鮮明に思い出せる。背丈は当然ながら当時の私より遥かに高く、何なら今の私と比較しても彼女の方が若干高いかも知れない。


 腰まで伸ばした髪は黒の中に微かな赤が混じり、その独特な色の艶は柘榴石を彷彿とさせる。身体の肉付きは服越しにも見事の一言で、無駄や不健康を一切感じさせない程だ。

 しかし、それ以上に美しかったのは顔立ちだろう。彼女の顔立ちは、今思い返しても圧倒的に綺麗だった。


 どう――と、形容することは難しい。「人形のよう」という表現があるが、その言葉ですら物足りないと思ってしまう。

 敢えて言うなれば、「天使」という存在。恐らくは、それが最も彼女に近しいのではと思う。

 人間では、理解や再現の不可能な――けれど、美しいことだけは分かる人外の美。彼女の顔立ちは、まさしくそういうものだった。


 私が今も美人とされる人物を見て「綺麗だ」と認識出来るのは、多分それが理由だろう。イメージで言うならば、三つ星レストランのシェフの料理と日常で食べる家庭料理を比べるようなものか。

 レベルが違い過ぎれば、人は比較する気を失う。失礼な表現かも知れないが、私にとってはこれと同じだ。


 だからなのか、当時から今に至るまで私から彼女に対しての思いは一貫して「美しい」というだけであり、一度も「恋」にはなっていない。

 あの日、彼女と出会った時の衝撃は、本で読む恋のそれとはどうも違う気がするのだ――と、いつの間にか話が逸れてしまっていた。


 話を戻そう。彼女に誘われた私は、友人に会えず退屈していたこともあって、その誘いに頷いて返した。

 瞬間、ずぅと引き摺り込まれるような感覚に襲われ、私は意識を失った。そして、次に気付いた時――私は何故か、病院のベッドで眠っていた。


 何処かと思って身体を起こして……驚愕した。

 目覚めた私の身体には、とんでもない変化が起きていたんだ――――。


                   〈続く〉

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