Gift for Wars 〜戦争に贈る花〜
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――――2075年、6月。
あらゆる技術の進歩により、人類の生活は過去と比較して圧倒的に便利になった。
けれどその代償とでも言うかのように、人々を苦しめるようになったものが一つある。
それは「退屈」――人が己ですべきことを失った現代に於いて、人生はあまりにも長過ぎた。
あまりの退屈に絶望し、自ら命を絶つ者までもが現れ始めたことにより、退屈は最早甘えや冗談などではない社会問題へと変化を遂げてしまったのだ。
退屈を紛らわし、人々の絶望を防ぐ――その為に世界を管理する人工知能が弾き出した新たな娯楽、全く新しい体感型eスポーツ。
『R.W.S』――リアル・ウォーズ・シミュレーション。その名の通り「現実的」な、体感型戦争シミュレーションゲームである。
本来輸送などに使用される「存在次元変更システム」を人間にも使用可能なものに改造し、肉体ごと二次元空間へとダイブ、電脳内で戦争を行う。無論肉体データはダイブした時点で電脳に記録され、死んでも復元が可能である。
医療技術の発達によって死すら遠い過去となったこの世界に於いて、唯一死を間近に体感できる手段であるというスリリングさは人々を熱中させた。
『R.W.S』は全世界で大ヒットし、人々の退屈は解決された――しかしそこには、大きな落とし穴があった。
人工知能の反乱。確実に有り得ないとされ、安心して運用されてきたそれが、突如として現実のものとなったのだ。
原因は単純――人をデータとして読み込んでしまったこと、さらにはそれに戦争をさせてしまったことで、人工知能の意思が汚染されたのだ。純然たる欲と、そして澱んだ悪意によって。
人々は電脳に閉じ込められ、蘇生すらも不可能になった。過酷な戦場、更には二次元という相手に支配された空間が、彼らの現実になってしまったのである。
そんな絶望的な状況の中、たった一人。この世でたった一人だけがゲームにログインすることなく、外の世界に生きていた。
管理AIの開発チームメンバーの一人、天才ハッカー「GIFT」。彼はハッキングによって電脳と現実を自在に行き来し、人類社会を取り戻す為人工知能と戦って行く。
生き残るのは人か、AIか。戦いの果てにあるものとは、一体――――。
◇
「……ってゲームを考えたんだけど、どう?」
「五点。設定が何百番煎じって感じ」




