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第6話 鬼ごっこ開始

「ほら、きなさいよ」


 令嬢が再び挑発する。


 こうなったらもう何がなんでも仕留めてやる。


 ついでに口を割らす。


「ほぉら、また避けられるのが怖いのかしらぁ? ……ん? なにやって」


 私はまず一度避けるのに成功し気を良くしている令嬢の隙を狙い、令嬢との間にある机を両手で思い切り押し出した。


 すると当然 机は奥にいた令嬢の腰にあたり、

「ぐえっ」

 令嬢はよろける。


 そこをすかさず私は机を飛び越え令嬢に殴りかかる。


 が、令嬢は今度は机の下へ潜り込みそれも避けられた。


 攻撃が失敗し体勢を崩している上を令嬢が踏みつけて通る。


「ぐぎゃっ」


 令嬢はそのまま戸を開け部屋の外に逃げる。


 ご丁寧に「バイバ〜イ」と手を振ってだ。


「くそっ……。待てコラァメスガキィ!」


 私も後を追い外に出る。


 外に出ると先ほどの文官たちが驚いた様子でこちらを見てきた。


「あの、黎音様。一体何が……」


「長くなるのであとで話します。あの令嬢はどちらに?」


 私が聞くと、文官・武官ともに一斉に指をさす。


「あれです」


 指された方を見ると、奥の部屋で令嬢が戸棚に椅子を乗せ屋根裏部屋に入ろうとよじ登っている。


 それに気づいた近くの役人が焦って駆け寄っていく様子も見える。


 私も急ぎ令嬢の下まで一気に走る。


 かけ寄ってきたきた役人が心配そうに声をかけてきたので、適当に「親睦を深める鬼ごっこなので無視してください」と言い、戸棚によじ登った。


 が、令嬢が使い終わった椅子が上から落としてきて妨害される。


「あっぶなっ!」


「あの、黎音様。これって本当に鬼ごっこなのでしょうか……」


「あー、えーっとうちの地元ではこのやり方が普通です」


「地元は()()では?」


「そうでしたっけ」


 役人の言うことを適当に無視し、私も椅子を使い屋根裏によじ登る。


 屋根裏部屋まで上がると、薄暗い中走り去る令嬢の姿が見えた。


「待てこら! ひと足さきに国際問題起こして戦争としゃれ込むつもりかバカ!」


 私が叫ぶと向こうから声が聞こえる。


「あれ〜、戦争は起きないじゃなかったんすかw? てか追ってくるのはそっちだし手を出す方が悪いし」


「うっせー死ね! 『脳が死んだと思い込むと人は本当に死んでしまうことがある』ってやつでしね!」


「それ都市伝説だから〜」


 無駄話をしながら声のする方向にしたがって令嬢を追いかける。


 しかし少しして、令嬢の足音がなくなった。


 立ち止まったのか?


 私は令嬢の方まで駆け寄る。


「ようやく観念したか!」


「しっ!」


 私が近くまで来ると、令嬢は口の前に人差し指を当てて静かにするように促した。


「なんです」


「下から何か聞こえるわ」


「下?」


 一体何だ。


 私たちは2人で床に耳を当て、下の階の会話に耳を澄ませる。



※おまけ・『脳が死んだと思い込むと人は本当に死んでしまうことがある』ってやつ→https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1332421878

最後まで読んでいただき本当にありがとうございます!


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