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プロローグ1.プレイボーイの作り方 side柊

基本、男性視点でお話は進みます。

フツーの女の子が、カッコイイ男の子に愛されるご都合主義が苦手な方はご遠慮ください。

香月かづき しゅうはプレイボーイだ。



そんな風にいつも言われる。



あぁ、「女ったらし」とか「熟女キラー」なんて言われた事もあったな。

中には「フェロモン撒き散らしヤロウ」って言われた事もあったっけ。


悪友の言葉を思い出し、思わず苦笑する。



好きでこんな風になったわけじゃーないんだけどなー。



苦笑ついでに、ため息もこぼしてみる。



そこに、さっき頼んだカプチーノが運ばれてきた。

持ってきたウェイトレスは同一人物のはずなのに、先ほどとは違って香りがキツい。

どうやら、香水をつけてきたらしい。

こんな、一瓶かぶってきたのか?って位のキツさは、カフェスタッフとしては

あるまじき行為だろ!

心の中で、もう一度ため息をつく。

しかも、やたら動きが遅いしさっきよか制服のスカート、短くね?

これで化粧直しもバッチリしてたらほんとアウトだな。

ちょっと確かめてみたくて顔をあげたら、案の定、グロスでテカテカになった

唇が、きれいな弧を描いた。

おいおい!天ぷらでも食ったのかよ!



「ご注文の品は、お揃いですか?」



「ええ・・・」



まさか・・・まさかなー。


すっと出された伝票は2枚。チラッと覗くと本物の伝票の下には、ケータイ番号とメアドが書かれていた。

今時この手かよ!



「俺が頼んだのはカプチーノだけだから。伝票は1枚で結構ですよ」



にこりと笑って、2枚目のメモを返す。



びっくりしたような表情。

そうだろうなー。自分に自信があるようなタイプだし。


後はもう無視だ。悪いけど、女には不自由してないし、この香水は嫌いな香りだ。


この女はクビだな。

食べ物を扱う店で、こんだけ匂ってたら旨いもんもまずくなる。

別にミステリーショッパーじゃないけど、このカフェはうちが経営してる店舗の

ひとつだから、オーナーに言っとこう。

明日にはもう、彼女はこの店からいなくなっているだろう。



中学あたりから、こんな女が周りに多くなってきた。

モデルの母親の遺伝子を見事に受け継いでしまったため、その辺の女よりもキレイだと言われる。

でも性別は男だから、別にキレイって言われても嬉しくはない。色々と困らないから嫌ではないけど。

両親共に長身で、俺自身も20歳で183cmだ。これは親に感謝している。

母の仕事の関係者からモデルになるように勧められる事もしょっちゅうだ。

でもモデルなんて真っ平だ。


先ほどのウェイトレスの香水を思い出す。

初めて付き合った女がしてた香水だ。

中学の時の家庭教師だった。なんてベタな関係!

雑誌の読者モデルをしてるとかで、スタイルも良かったし、化粧は濃かったがキレイな顔立ちをしていた。

でも女の目的はカネだった。これもなんてベタな!!!

カネがある、扱いやすそうな年下の男だったら、多分どんな男でも良かった。


受験勉強以外にも、色んな意味でのオベンキョをしてると気付いた両親の行動は早かった。

さっさとクビにし、手切れ金を要求してきた女に、誓約書を書かせ、いくらか手切れ金を

渡したらしい。

勿論、その誓約書を元に、センセイが読者モデルをしていたという母の知人の出版社に

圧力をかける事も忘れず、モデルが出来ないようにはなったが。


別にそこまでしなくても、心から好きだったわけじゃない。

でもまぁ・・人間には3大欲っていうのがあって。その内の1つが解消できたし、

その行為への興味もあった。

でも、そいつのおかげで女に対する興味と、期待は無くなったけど。


興味と期待は無くなっても、3大欲の1つは無くならないわけで。

そんな時に困らない容姿にしてくれた両親には本当に感謝だ!

たとえ、キレイと言われても嫌じゃないのはこーゆー事だ。



ほら、プレイボーイはこんな風にしてたら自然と出来上がる。

俺は冷めた目で、カウンターの向こうから睨みつけるさっきのウェイトレスを見た。

あーあ。カプチーノがまずくなったじゃないか。

初めての、投稿・・・ドキドキのバクバク。

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