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3.マジカファイト VS ヒロキ②

ヤマト編


カードバトル続きです!

 2ターン目後攻の僕のターン、渾身の力を込めてカードをドローする。

 これで僕の手札は3枚、マジックポイントが2ポイント回復し、合計で9ポイントとなった。


 「よし、僕のターン!まずは魔法カード【スライム分裂】を【グランドスライム】に使用!この魔法カードの効果で【グランドスライム】のバトルポイントと同じ合計になるまで山札からスライム系統のモンスターを召喚出来る!」

 「ああ?わざわざレアモンスターを細かく分解して雑魚を増やしてどうすんだよ?」


 【グランドスライム】のバトルポイントは8000。

 僕は山札から【ルーンスライム】を2体。

 【レッドスライム】を2体召喚する。


 これらのモンスターは全てバトルポイント2000のため、丁度合計バトルポイント8000となり、


 【ルーンスライム】 レアリティ Nノーマル バトルポイント 2000

 

 【ルーンスライム】 レアリティ Nノーマル バトルポイント 2000


 【レッドスライム】 レアリティ Nノーマル バトルポイント 2000

 

 【レッドスライム】 レアリティ Nノーマル バトルポイント 2000

 

 以上の合計4体がフィールドにぷるぷると震えながら並んでいる。


 ……ここから逆転するには。


 「まずは1体目の【ルーンスライム】のスキル【ルーンチャージ】を使用!マジックポイントを2ポイント回復し10ポイントにする!」

 「ちょこまかと鬱陶しいな!」

 「もういっちょ!2体目の【ルーンスライム】で【ルーンチャージ】を使用!これでマジックポイントは12ポイントだ!」


 僕の怒涛のスキル使用にヒロキは見るからにイライラを募らせている。


 「続いて【レッドスライム】のスキル【スライムボム】を使用!このスキルは【レッドスライム】が2体揃っている時にのみ使用可能でバトルポイント8000以下のモンスターを1匹破壊することが出来る!」

 「何だと!?」

 「ただし【レッドスライム】2体も破壊されるけどね。【スライムボム】の標的は【群生狼】だ!」


 僕の宣言と共に【レッドスライム】が2匹合体したかと思うと、怪しい光を放ち出す。

 そのまま【群生狼】に向かって飛んでいき、派手に爆発してしまった。

 これで相手のフィールドには【邪影狼】と【群生狼】が1匹ずつとなった。


 「ここでマジックポイントを2ポイント消費して手札から【フェアリースライム】を召喚!」


 カードをマシンにセットすると、ピンク色に輝く羽根の生えたスライムがフィールドに出現する。


 【フェアリースライム】 レアリティ レア バトルポイント 4000


 「へえ、もう一匹レアカードを持っていたなんてな」

 「小遣いを貯めてやっと買えたレアカードだよ!」


 ああそうさ、毎月コツコツと貯金をしてやっと購入した2枚のレアカード【グランドスライム】と【フェアリースライム】。

 特に【フェアリースライム】は人気があるためカードショップでの相場もそれなりに高くなる。

 僕がこのカードを手に入れるまでにどれだけ苦労したか……

 その特に思い入れのあるこのカードで……


 「この勝負は絶対に勝つ!!!」

 「はん!レアカードのくせにバトルポイントが4000しか無いとか、そんなカードで勝てるかよ!」


 確かに【フェアリースライム】は他のレアカードと比べたらバトルポイントは低いかもしれないが、その分便利なスキルを持っている。

 その内の一つをまず使う……


 「【フェアリースライム】のスキル【フェアリードロー】を使用!このスキルの効果で山札から新たにカードを3枚ドロー可能となる!」

 「何だとぉ!?」


 【フェアリースライム】のスキルで山札から3枚カードをドローする。

 

 「そしてマジックポイントを1ポイント消費して手札から【ガードスライム】を召喚!」


 ガードスライム レアリティ ノーマル バトルポイント 2500


 「【ガードスライム】のスキル【硬質化】を使用!次のターンに一度だけ相手の攻撃を無効化する!」


 ガードスライムの体が鉄のようにカチカチに固まる。

 これで次のターンの相手の攻撃を何とかしのぎ切りたい、そのために僕はもう一段階防御策を施すことにした。


 「さらにマジックポイントを1ポイント消費し、魔法カード【超粘体化】を使用!この魔法の効果でフィールドのスライム1体は、攻撃が出来ない代わりに1ターンの間相手の攻撃対象から外れる事が出来る!」

 「また時間稼ぎのカードかよ!」

 「悪いな!対象は【フェアリースライム】だ!」


 魔法カードをマシンにセットすると、【フェアリースライム】の体がアメーバの様に柔らかくなり相手の攻撃を受け付けなくなる。


 「よし、これでターンエンドだ!」


 現状で、出来ることが無くなったためターンエンドを宣言した。



 2ターン目後攻終了時点


 ヒロキ 手札 3枚 ライフポイント 3 マジックポイント 2


 フィールド 

 【邪影狼】 レアリティ レア バトルポイント 15000

 【群生狼】 レアリティ Nノーマル バトルポイント 7500




 ヤマト 手札 2枚 ライフポイント 4 マジックポイント 8


 フィールド 

 【フェアリースライム】 レアリティ レア バトルポイント 4000

 【ガードスライム】 レアリティ ノーマル バトルポイント 2500 

 【ルーンスライム】 レアリティ Nノーマル バトルポイント 2000

 【ルーンスライム】 レアリティ Nノーマル バトルポイント 2000


 

 2ターン目の後攻終了時点である程度の陣容で3ターン目に繋ぐことが出来た。

 ただしあくまで時間稼ぎだ。

 このままではヒロキの【魔獣デッキ】のパワーの前に敗北してしまうのは目に見えている。


 やっぱり父ちゃんにもらったあのカードを使うしかないのか……

 僕は汗ばんだ拳をぎゅっと握り込んだ。


 「また時間稼ぎかよ!俺のターンで止めを刺してやるぜ!俺のターン、1枚ドローだ!」


 ヒロキが山札から1枚ドローし手札が4枚、マジックポイントが4ポイントになった。


 「まずはマジックポイントを2ポイント消費し手札から【デュアルファングボア】を召喚だ!」


 「ボエエエエエエ!!!!!」


 ヒロキのフィールドに巨大な2本1対の牙を携えた猪のモンスターが出現する。


 【デュアルファングボア】 レアリティ レア バトルポイント 6000


 「そして【デュアルファングボア】のスキル【フォールドチャージ】を使用!このスキルは【デュアルファングボア】の牙を1本折ることによりプレイヤーのマジックポイントを2ポイント回復させることが出来る!」

 「マジックポイントを回復させるスキルだって!?今更どうしてマジックポイントを回復させる必要があるんだ!?」


 ヒロキの宣言により【デュアルファングボア】の大きな牙が1本折れてしまった。

 それと同時にヒロキのマジックポイントが2ポイント回復し4ポイントとなる。

 そして、【デュアルファングボア】は牙を1本失ったことにより、バトルポイントが6000から4000へと減少する。


 さっきからひたすら攻撃に徹してきたヒロキがいきなりマジックポイントを回復させるコンボを使うなんて、何か狙っているのか?

 不安が頭をよぎる中、ヒロキが新たなカードの使用を宣言する。


 「これで……終わりだ!俺はマジックポイントを4ポイント使用し手札から【ジェノサイドグリズリー】を召喚する!このモンスターを召喚するのに必要なコストはレアモンスター2体。【邪影狼】と【デュアルファングボア】をコストとして使用する!」


 ヒロキがマシンにカードをセットすると、【邪影狼】と【デュアルファングボア】が光に包まれ消滅していく。

 そして間髪入れずにフィールドの中央に凄まじく獰猛そうな熊のモンスターが出現する。


 【ジェノサイドグリズリー】 レアリティ SRスーパーレア バトルポイント 12000


 ……やはり出たか、SRスーパーレアカード。さっきからこれを狙っていたんだな。


 「見たか俺の切り札【ジェノサイドグリズリー】だ!これで一気に決めてやるからな!」


 バトルポイントは強化無しで12000と他のモンスターを軽く凌駕している。

 一気に勝負を決めてしまえるポテンシャルを持つモンスターの出現に会場のギャラリーのテンションも最高潮に達している。


 「やはり出したか【ジェノサイドグリズリー】!」

 「さすがにあいつに勝つのは無理だろう!!」

 「ああ、これで決まりだな!!!」


 最早、ギャラリーたちの中に僕の勝利を信じている者は誰もいないだろう。

 だが、僕はあきらめない。


 「どうだ、今のタイミングなら降参しても良いぞ?」

 「へへん、降参なんかするわけがないだろう」

 「何だと?まだ勝てる気でいるのか?」

 「当たり前だろ!最後に勝つのは僕さ!」

 「この野郎!もう知らねえからな!」


 ヒロキの顔が更に赤くなり僕を睨みつけてくる。


 「じゃあ遠慮なくボコボコにしてやるよ!【ジェノサイドグリズリー】のスキル【トライクロウコンボ】を発動、このスキルは手札を全て破棄する代わりにこのターンの攻撃回数を3回に増やすことが出来る」

 「そんなの有りかよ!?」


 ヒロキが残る手札を全て破棄し、攻撃対象を選択する。


 「攻撃対象は【ルーンスライム】2体と【ガードスライム】だ!」



 【ジェノサイドグリズリー】が物凄い速さでスライム達に襲い掛かる。

 両手の爪で2体の【ルーンスライム】を、鋭い牙で【ガードスライム】に攻撃を加える。


 【ガードスライム】はスキル【硬質化】を使用していたため、攻撃を無効化し生き残った。

 しかし【ルーンスライム】2体は破壊されてしまう。


 「スキル【ルーンバースト】を発動!2体の【ルーンスライム】を破壊されたので合計で6ポイントのマジックポイントを回復する!」


 これでマジックポイントが14となる。 

 ……が、フィールドには残りモンスターが2体となってしまった。

 【フェアリースライム】は魔法カード【超粘体化】の効果でこのターンは敵の攻撃を受けることはない ので、このターンに敵の攻撃を受けることが出来るのは実質【ガードスライム】1体のみとなってしまった。


 「ここで更に【ジェノサイドグリズリー】のスキル【ジェノサイドアサルト】を発動する!このスキルは攻撃時に相手のモンスターを破壊した場合、もう1度攻撃することが可能となる!」

 「何だって!?さすがにやばいだろ!」

 「対象は、【ガードスライム】と……お前だヤマト!」


 【フェアリースライム】は攻撃対象に選べないため、必然的にフィールドに残っている【ガードスライム】と僕が攻撃対象になってしまう。


 【ジェノサイドグリズリー】がまずは【ガードスライム】を鋭利な爪で切り裂く。

 そしてそのまま僕の方へ飛び掛かり爪で1撃、牙で1撃を加えてきた。


 これで僕のライフポイントは2ポイント減少し、残り2ポイントとなる。


 「おおっと、【群生狼】でヤマトを攻撃だ、忘れるところだったな、危ない危ない」


 フィールドに生き残っていた【群生狼】が僕に追撃を加える。

 これで僕のライフポイントはとうとう残り1ポイントとなった。


 「さすがにもうあきらめた方が良いんじゃないか!?ターンエンドだ!」


 ヒロキがターンの終了を宣言する。


 3ターン目先攻終了時点


 ヒロキ 手札 2枚 ライフポイント 3 マジックポイント 0


 フィールド 

 【ジェノサイドグリズリー】 レアリティ SRスーパーレア バトルポイント 12000

 【群生狼】 レアリティ Nノーマル バトルポイント 7500




 ヤマト 手札 2枚 ライフポイント 1 マジックポイント 14


 フィールド 

 【フェアリースライム】 レアリティ レア バトルポイント 4000


 

 ヒロキのターンで一気に形勢が傾いてしまった。

 僕の残りのライフポイントは1ポイント、フィールドに残るモンスターは【フェアリースライム】のみ。

 正に絶対絶命だ。


 「……でも僕は、最後まであきらめないぞ!ドローだ!」


 一縷の望みを託して山札から1枚ドローする。 

 これで手札は合計3枚となり、マジックポイントは16ポイントになる。

 そして僕は……たった今ドローしたカードを見て動きを止めた。


 「あん?何固まってんだ?負けすぎて頭が混乱してんのか?」

 「……………………」


 僕はカードを凝視しながら深く考え込む。

 このカードはある意味待ち望んだカードでありながら、今まで使用するかどうかを決めかねていたカードだ。


 「おい早くしろよ!どんだけ考えようが時間の無駄だろうが!」


 ヒロキが大声で野次を飛ばす中、ひたすら考え続けて出した結論は……


 父ちゃん、やっぱりこのカード……使わせてもらうよ!


 「僕はマジックポイントを16ポイント消費し、手札からこのモンスターを召喚する!」

 「16ポイント消費だと!?一体どんなカードを召喚するんだ!?」


 僕がマシンにカードをセットした瞬間、フィールド全体が七色の光に包まれあまりの眩さに何も見えなくなる。


 「くそお!一体どうなってやがる!?」


 ヒロキが焦りを隠せない様子で叫んでいるが、僕にもフィールドの様子は見えない。


 やがて、光が収まるとフィールドには虹色に光り輝く体に金色の翼を広げて宙に浮いているスライムが出現していた。



 「これが……僕の……切り札だ!」




 【レインボー・ゴッド・スライム】 レアリティ レジェンダリ バトルポイント 20000



 

 「レジェンダリだと!?何でそんなカードをお前なんかが持ってるんだよ!?」

 

 ヒロキが目を見開きながら驚愕している。


 「いや、僕も初めて見たな、驚いたよこりゃ」


 ジャッジを務めている店長ですら驚きを隠せないようだ。


 そりゃ驚くよな。僕も昨日の夜に父ちゃんにこのカードをもらった時は信じられなかったんだから。

 正直、使うかどうか迷っていたけどこんな土壇場の局面でドロー出来たからには使わないわけにはいかない。

 これが正真正銘、僕の最後の切り札だ。


 「よし……行くよ!!!」


 僕はこの戦いに終止符を打つべく気合を入れなおした。

 

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