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1.ヤマトの挑戦

ヤマト編


この物語はカードファイトで頂点を目指す「ヤマト編」と新米冒険者として成りあがっていくヤマトの父親の「タクマ編」に分かれて進行して行きます。

 「っしゃぁぁ!!!また勝ったぜ!これで優勝は頂きだな!」


 とある休日の昼下がり、カードショップの一角に設けられた会場にとある少年の声が響き渡った。


 世界中で大流行しているトレーディングカード【マジカ】。

 今日はその【マジカ】を使ったカードバトル、【マジカファイト】の公式大会が開催されており、たった今優勝者が決定した瞬間だった。


 「はいお疲れ様、優勝者はヒロキ君。これでうちの大会で三連覇だね、はい優勝賞品のカードパック、優勝したから3つ贈呈します」


 カードショップの店長が優勝賞品を手渡す。


 「ああ、それとヒロキ君は今回の獲得ポイントで目標達成だから来月の関東大会に出場可能だからね」


 店長が端末を確認しながら情報を伝えると、ヒロキと呼ばれる少年はふふんと鼻を鳴らした。


 「へへへ!まあ任せときな!もはやこの辺りで俺と張り合えるやつなんていないんだからよ!関東大会でも大暴れしてきてやるぜ!」

 「すげえよなぁ、ヒロキは……」

 「さすが親が冒険者だけあるぜ、あんな強力なデッキじゃ誰も叶わねえよ」


 このヒロキと呼ばれる少年の父親はこの辺りではある程度名の知れた冒険者だった。

 冒険者とは、ダンジョンを攻略することを生業とした職業だ。


【マジカ】は冒険者がダンジョンを攻略することで精製され、世間に流通していく。

 そのため、最前線で【マジカ】を入手できる冒険者は自分の家族にカードを融通可能なのだ。

 ヒロキは父親から特別に強力なカードを融通してもらっているため、その辺りの少年たちでは相手にならない程の強さを誇っていた。


 「今日はちょっと相手に歯ごたえが無さすぎて物足りねえな!誰か俺と特別に試合したいやつはいないのかよ!?」


 ヒロキが意気揚々と声を張り上げる。

 だが、誰も手を上げずに顔を伏せている。

 どうせ誰も叶わないのだ。

 一方的に蹂躙されるだけの試合など誰が手を上げるというのか。

 

 「なんだよ!?誰もやらねえのか!?俺に勝ったら今回の優勝賞品のパックを譲ってやるぜ!」


 ヒロキが獲得したばかりのパックを頭上に掲げ対戦者を募っている。

 

 それでも誰も手を上げない。


 「なんでえ!しけてやがるぜ!腰抜けばかりだなぁ!」


 ヒロキが慇懃無礼に周囲を煽り散らし空気が悪くなっていく中……


 「それじゃあ僕がやるよ!」


 一人の少年が手を上げた。


 「ほお?お前は確か……ヤマトとか言ったか?良い度胸じゃねえか!」

 「おいおい、よりによってヤマトかよ」

 「確かあいつのデッキは最弱の【スライムデッキ】だろ?」

 「【スライムデッキ】なんかじゃヒロキに瞬殺されるのが目に見えてるぜ……」


 周囲がざわつく中、ヤマトとヒロキが席に着き試合の準備を開始する。


 「まじで【スライムデッキ】なんかで俺様とやり合う気か?身の程知らずもいいとこだぜ」

 「あはは、まあお手柔らかに頼むよ」


 試合の準備をしながらタツオを挑発し続けるヒロキ。

 ヒロキの挑発をのらりくらりとかわすヤマト。


 二人はそれぞれ持ち込んだデッキをマシンに設置し、配置につく。

 これで両者ともに準備が終わり後は試合の開始を待つばかりとなった。

 

 「おい、尻尾を巻いて逃げるなら今のうちだぞ!」

 「まあ勝負はやってみなきゃわからないからね」

 「減らず口を!一瞬で片を付けてやるから覚悟しておけよ!」

 「……よし!いっちょやってやるか!」


 ヒロキの言葉を無視して気合を入れるヤマト。

 これがヤマトの挑戦の第1歩。


 後に【スライムマスター ヤマト】と呼ばれることになる伝説の始まりであった。

次回からカードバトルが始まります!


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