21.マジカファイト VS 田中係長②
ヤマト編
田中さん編 決着!
なるかワンターンキル!
手札から満を持して召喚された【レインボー・ゴッド・スライム】は、虹色の神々しい光を放ちながらフィールドに出現した。
【レインボー・ゴッド・スライム】 レアリティ L バトルポイント 20000
「こ、これが噂の【レインボー・ゴッド・スライム】!?」
田中さんが動揺しているのがわかる。
ここから一気に畳みかけるぞ!
「【レインボー・ゴッド・スライム】のスキル【神の究極召喚】を使用!山札からこのモンスターを召喚する!」
山札から1枚のカードをマシンにセットすると、フィールドには激しい炎が燃え盛り渦巻き始めた。
やがて炎が収束し始め、その中心に真紅の光が出現する。
このモンスターこそがワンターンキル実現のために必要不可欠な新たなスライム……
「頼むぞ!【プロミネンス・サファイア・スライム】!」
真紅の宝石の如く、全身から深い紅色の光を放つスライムがそこにはいた。
【プロミネンス・サファイア・スライム】 レアリティ UR バトルポイント 16000
「う、URまで!?こうして対峙すると、やぱり恐ろしいデッキだなぁ……」
田中さんが頭を掻きながら苦笑いを浮かべている。
父ちゃんの話によると、田中さんは一度【レインボー・ゴッド・スライム】を始めとするカードを一通り確認しているらしい。
という事は、ある程度はこのカードの性能も頭に入っていてもおかしくない。
下手したらぼろ負けする可能性もあるのに、敢えて練習相手になってくれた田中さん、間違いなく良い人だ。
その御恩に報いるためにも全力を尽くすんだ!
「【プロミネンス・サファイア・スライム】のスキル【紅晶の豪炎】を使用!このスキルを使用したターン、相手のモンスターを破壊した瞬間、相手のライフポイントを1ポイント奪う事が出来る!」
「な、何て恐ろしいスキルなんだ……でもヤマト君のフィールドにはモンスターは2体しかいない、このターンを何とか耐えればこちらにもまだ勝機はある!」
……残念ながらこのターンで決めちゃうんだけどね。
スキルの発動を宣言すると【プロミネンス・サファイア・スライム】から紅蓮の炎が迸り始め、フィールド全体に展開された。
これでこのターン、相手モンスターを破壊すればする程、相手のライフポイントを奪う事が可能となった。
「続いてマジックポイントを1ポイント消費して魔法カード【ウエポントリガー】を発動!このスキルは山札から好きな装備カードを手札に加える事が出来る!」
【ウエポントリガー】を使用し山札から1枚装備カードを選択する。
「僕は装備カード【ガトリングブラスター】を手札に加える!」
「そ、そのカードは確か!?」
【ガトリングブラスター】と聞いた田中さんの顔が途端に青ざめる。
どうやらこのカードの効果を知っているらしい。
という事は、この先の自分の運命を悟ってしまったのかな?
「【ガトリングブラスター】を【プロミネンス・サファイア・スライム】に装着!このカードの効果は1度だけ装備したモンスターの攻撃範囲を全体攻撃へ変更する事が出来る!」
「や、やっぱりかぁ!」
「ただし、使用したモンスターは反動で破壊されちゃうけどね」
宣言と共に【プロミネンス・サファイア・スライム】に巨大なガトリングガンの様な砲身が装着される。
この【ガトリングブラスター】は父ちゃんの会社で保管されていたSRカードだ。
どこかのダンジョンでレアドロップしたのを、会社の資産として保有していたらしい。
今回の代表選のために特別に僕に支給してもらったという訳だ。
「よし、行くよ!【プロミネンス・サファイア・スライム】で攻撃だ!」
僕の宣言と共に【ガトリングブラスター】の砲身から無数の紅蓮の炎の球が発射される。
相手のフィールドを爆炎が覆いつくし、瞬く間に4体の獣人を消し去った。
……かに見えたが【コボルトガードナー】のみ生き残っている。
確か、スキル【シールドガード】で1度だけ攻撃無効の効果を獲得していたんだったな。
【ガトリングブラスター】の反動で【プロミネンス・サファイア・スライム】は破壊されてしまった。
それでも他の3体のモンスターの破壊に成功、同時に田中さんのライフポイントを3ポイント削る。
これで相手のライフポイントは残り2ポイントだ。
「ふう、スキルを使っておいて良かったよ、何とかこのターンを耐えれそうだね」
田中さんが額の汗を拭きながら安堵の表情を浮かべているが……
「まだ終わらないよ!僕は手札から魔法カード【命の連鎖】を使用!この魔法カードは自分のライフポイントを2ポイント消費する代わりに、以下の効果からどちらかを選択できる!
①破壊されたモンスターを1体復活する事が出来る。
②任意のモンスターを1体選択し、そのモンスターへ2回行動の効果を与える。
今回、僕が選ぶのは②番の効果だ。選択するモンスターはもちろん……【レインボー・ゴッド・スライム】へ2回行動の効果を与える!」
「嘘だろぉ!?という事はぁ……!?」
「まずは【レインボー・ゴッド・スライム】で【コボルトガードナー】を攻撃する!」
【レインボー・ゴッド・スライム】から虹色の閃光が放たれ【コボルトガードナー】を貫く。
【コボルトガードナー】は破壊され、【紅晶の豪炎】の効果で相手のライフポイントを1ポイント奪う、これで残りのライフポイントは1ポイントのみとなる。
しかし、相手のフィールドにはもうモンスターは1体もいない。
後は最後の詰めだ。
「最後に【レインボー・ゴッド・スライム】で田中さんにダイレクトアタックだ!」
【レインボー・ゴッド・スライム】から再び虹色の閃光が放たれ田中さんに襲い掛かる。
「いやぁ……参ったなぁ……強すぎるよぉ」
田中さんは閃光を受けながら苦笑いを浮かべていた。
これで田中さんのライフポイントが0となった。
「田中さんのライフポイントが0ポイントとなったため、このファイトはヤマト君の勝利!」
ジャッジ役の店長が僕の勝利を宣言する。
……ワンターンキル、ばっちり決まったな。
今回のファイトは自らに課題を設けながらも勝利する事が出来た。
鳳凰時アキラとの代表戦に向けて大きな手応えを感じていた。
炸裂!
ワンターンキル!!!
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