16. 鳳凰寺アキラ登場
ヤマト編
ライバル出現回です!
シモンとのマジカファイトに勝利した僕はウィザードの中にいたギャラリー達から拍手喝采を浴びていた。
いやぁ、良かった良かった
って感動してる場合じゃない!
僕は放心状態のシモンに駆け寄り話しかけた。
「あのさ、僕が勝ったから約束は守ってもらうよ」
「や、約束だと?」
「ああ、僕が勝ったらヒロキへの発言を取り消して本人に謝罪するって約束したろ?」
「……そ、そうだったな」
「約束はちゃんと守ってもらうからね?」
「当たり前だろう!この熔崎 シモン、鳳凰寺四天王の名にかけて約束は必ず守る!」
また鳳凰寺四天王か、まあ約束を守ってもらえるなら何でも良いや。
約束事の確認だけした後、シモンは帰って行った。
シモンは言動は嫌な奴だったが約束はきちんと守ると豪語していたのでまあ良しとしよう。
「いや、大変な目にあったな」
「でもあいつって鳳凰寺四天王とかって言うかなり強いファイターなんだろ?それに勝ったって事はヤマトもかなり凄いんじゃないか?」
「本当だよ!関東大会とかでも優勝とか出来ちゃうんじゃない?」
アラタとチヒロがわいわいと盛り上がっていると、店長がやってきた。
「確かにあのシモン君は鳳凰寺四天王の1人だが、関東大会で優勝となると少し話が違ってくるね。]
「そうなの?でもシモンは一回戦でヒロキに大差で勝利したんでしょ?」
「ああ、確かにそうだね。だがその後の2回戦でシモン君は惨敗してるんだ、しかも、相手は同じ鳳凰寺四天王の1人だ」
……何だって?
店長から驚愕の事実を聞いてしまった。
「という事は優勝したのはそのシモンを倒した相手?」
「いや、その相手は準優勝だね」
「じゃあ優勝したのは?」
「優勝したのは鳳凰寺 アキラ、鳳凰寺四天王を率いる鳳凰寺グループの御曹司だ」
「鳳凰寺アキラ?そいつが関東大会の覇者ってわけか」
「そう、ちなみに関東大会の残りのベスト4は全員鳳凰寺四天王のメンバーだよ」
「そうなの!?半端ないな四天王!」
強豪揃いの関東大会で上位を独占するなんて並の強さじゃない。
「だから、そんな鳳凰寺四天王の1人がこんな所に現れるなんて不思議だったんだけどね」
店長がそう言うのも不思議じゃない。
シモンはヒロキに言われて僕に会いに来たって言ってたけど、いくら何でも不自然に思える。
鳳凰寺グループ、一体何が目的なんだ……
◆◆◆◆
「……アキラ様、シモンが敗れたと報告が入りました」
「ふん、あいつは元々四天王の中で最弱」
「あんな所で敗れるとは四天王の面汚しだ。即刻除籍にするべきだ」
唯ならぬ雰囲気を纏った者たちがテーブルを挟んで座っている。
そこで、1番上座に座っているアキラと呼ばれた男性が口を開いた。
「まあまあ、確かにあんな所で負けてしまうのは四天王として失格だ。だけど、あんな所まで【マジカファイト】に行けって指示を出したのは僕だしね。あまり厳しい事を言うのは可哀そうだよ。フドウもそれで良いね?」
年齢は高校生くらいだろうか。
端正な顔立ちの男性は和かな表情で話している。
「アキラ様がそう仰るならば、文句はございません」
フドウと呼ばれたリーダー格であろう大柄な男性が険しい顔つきで答えた。
「それにシモンが付けていたボディカメラの映像から得られた情報は素晴らしい価値があったよ。
【レインボーゴッドスライム】なんて、うちのグループが持っているダンジョンのどこにもいない。
ああ、早く戦ってみたいなぁ」
恍惚とした表情で笑顔を浮かべる男性。
鳳凰寺アキラ、関東大会の覇者にして、国内有数の大財閥、鳳凰寺グループの御曹司にして時期総帥である。
そして、この鳳凰寺アキラこそが、石動ヤマトと自他共に認めるライバルとなっていく存在なのであった。
「まあ、もう手は打ってあるから後は待つだけだね、対戦が楽しみだよ」
鳳凰寺アキラは目的のためならば手段を選ばない。
どうしようもないくらいの巨大な力が間近に迫っている事を、ヤマトは知る由も無かった。
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