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15.マジカファイト VS シモン ②

ヤマト編


VS シモン、決着です!

 絶対絶命のピンチの中、自分のターンが回って来た。


 「よし、僕のターンだ。1枚ドロー!」


 敗北寸前の盤面、気合を入れながらカードをドローする。

 これで僕のマジックポイントは14ポイントになる。


 「まずはこれだ!マジックポイントを2ポイント消費して手札から【スライムマンサー】を召喚する!」


 カードをマシンにセットすると、フィールドには女性の姿をした魔導士型のモンスターが出現する。


 【スライムマンサー】 レアリティ レア バトルポイント 3000


 このカードは最近新たに入手する事が出来たレアカードだ。

 レアカードにしてはバトルポイントが3000と少ないが、このモンスターには【スライムデッキ】には必要不可欠と言えるある特殊スキルがある。


 「【スライムマンサー】のスキル【眷属召喚】を使用!このスキルは山札からレアリティ ノーマルのスライム系統モンスターを2体召喚出来る!」

 「あん?まだ悪足掻きしてやがるのか?」

 「僕が呼ぶのは【ルーンスライム】2体だ!」


 【スライムマンサー】が魔力を放出すると、地面に魔法陣が描かれ、その中から【ルーンスライム】が2体出現する。


 これで僕のフィールドにはモンスターが3体。


 「続いて【ルーンスライム】のスキル、【ルーンチャージ】を使用!2体分で4ポイントマジックポイントをチャージする」


 これで丁度マジックポイントが16ポイントになる。


 ……よし、これで準備は整った。

 この貯めに貯めたマジックポイントを使って召喚するのはもちろん……


 「僕はマジックポイントを16ポイントを使用して手札から【レインボー・ゴッド・スライム】を召喚する!」

 

 その言葉にシモンが目を見開いて驚愕の表情を浮かべている。


 カードをマシンにセットすると、フィールドには虹色の閃光が迸る。

 あまりの眩しさに会場中の人間が直視出来ずにいる。

 そして虹色の光が収まった時に虹色の羽根を携えたスライムが召喚されていた。


 【レインボー・ゴッド・スライム】 レアリティ レジェンダリ バトルポイント 20000


 「な、何だと?……何でこんな所にそんな強力なモンスターがいるんだ?」


 やはりシモンはヒロキとの対戦はノーチェックだったんだな。

 僕が【レインボー・ゴッド・スライム】を持っている事は知らずに挑んで来たわけだ。

 よし、チャンスだ。

 ここから絶対に逆転してやるぞ!


 「【レインボー・ゴッド・スライム】のスキル【神の究極召喚ゴッドサモン】を使用、自分のデッキの山札から好きなスライム系統のモンスターを1体だけノーコストで召喚出来る効果でこのカードを召喚する!」


 山札から1枚のカードを選択しマシンにセットする。

 その瞬間フィールドに強風が吹き荒れ始め、その中心に鮮やかな緑色の光が出現する。


 「な、何だ!?一体どんなモンスターが出てくるんだ!?」


 シモンが驚きを隠せないでいる。


 ……見てろよ、ここから逆転するにはこのモンスターに賭けるしか無い。


 「頼むぞ!【テンペスト・エメラルド・スライム】!


 光が収まったその場には、翡翠色の体から淡い緑色の光を放ち続けるスライムの姿があった。


 【テンペスト・エメラルド・スライム】 レアリティ URウルトラレア バトルポイント 16000


 「レジェンダリの次はURウルトラレアだと!?そんなデッキは見たことないぞ!?」


 シモンが更なる驚愕を隠せないでいる中、会場のギャラリー達の間では違う意味で一様に驚きの表情を浮かべていた。


 「……あのモンスターってこの間のヒロキとのファイトでは使われていなかったよな?」

 「まさか、新たなURウルトラレアだと……?」

 「あんなの反則じゃねーかよ……」


 そうさ、この【テンペスト・エメラルド・スライム】は父ちゃんからもらった数枚のカードの内に1枚。

 【レインボー・ゴッド・スライム】や【ゴールデンエンペラースライム】と同様に1枚だけでも戦局を引っ繰り返す程の能力を持っている。


 「さあ行くよ!【テンペスト・エメラルド・スライム】のスキル【翠晶の暴風(エムラルドストーム)】を使用!このスキルは相手フィールドにいるバトルポイント2500以下のモンスターを全て消滅させる事が出来る!」

 「何ぃ!?」


 【テンペスト・エメラルド・スライム】の周囲に凄まじい勢いの風が吹き荒れ始める。

 シモンのモンスター達を巻き込み始めたかと思うと瞬く間に【インフェルノスネイル】以外の3体のモンスターが跡形も無く吹き飛ばされ消滅してしまった。


 「そんなぁ!?」


 これでシモンのフィールドには【インフェルノスネイル】しかいない。

 一気に形勢逆転のチャンスだ。


 「そのまま【テンペスト・エメラルド・スライム】で【インフェルノスネイル】へ攻撃だ!」


 【テンペスト・エメラルド・スライム】が再び緑色の光を放ち始めると、周辺から風が収束し始め巨大な竜巻を形成する。

 淡い緑色の光を帯びた竜巻はそのまま【インフェルノスライム】を飲み込みそのままズタズタに引き裂いてしまった。


 これでシモンのフィールドにはモンスターが1匹もいなくなった。


 「続いて【スライムマンサー】でシモンへダイレクトアタックだ!」


 【スライムマンサー】が杖から魔力弾をシモンへ放つ。


 「ちっ!」


 シモンのライフポイントが1ポイント減少し4ポイントとなる。


 「更に【ルーンスライム】でダイレクトアタック!もちろん2体共にだ!」


 【ルーンスライム】が2体続けてシモンへ飛び掛かり攻撃を加える。

 これでライフポイントは2ポイント減少し2ポイントとなる。


 「最後に【レインボー・ゴッド・スライム】でダイレクトアタックだ!」


 【レインボー・ゴッド・スライム】の羽根から閃光が放たれシモンを貫く。


 「くそぉ!」


 またライフポイントが減少し、残り1ポイントとなった。


 「これでターンエンドだ!」


 さすがに出来る事が無くなってしまったのでターンエンドを宣言する。

 だが、このターンで盤面は一気にひっくり返った。


 「ば、馬鹿な!完全にこちらが勝つ流れだったろうが!ふざけんじゃねえぞ!」

 

 シモンが感情的になるのもわかる程の逆転劇だ。

 やっぱりこのデッキの爆発力は我ながら恐ろしい物がある。


 2ターン目先攻終了時点

 ヤマト 手札 1枚 ライフポイント 1 マジックポイント 0

 フィールド 

 【レインボー・ゴッド・スライム】 レアリティ レジェンダリ バトルポイント 20000

 【テンペスト・エメラルド・スライム】 レアリティ URウルトラレア バトルポイント 16000

 【スライムマンサー】 レアリティ レア バトルポイント 3000

 【ルーンスライム】 レアリティ Nノーマル バトルポイント 2000

 【ルーンスライム】 レアリティ Nノーマル バトルポイント 2000


 シモン 手札 2枚 ライフポイント 1 マジックポイント 2

 フィールド モンスター無し


 こちらのターン終了時点では完全にこちらが有利だ。

 シモンのフィールドにはモンスターが1体もいないが、こちらのフィールドには強力なモンスターが勢揃いしている。


 しかし、ライフポイントは両者とも1ポイント、どちらかの攻撃が決まれば即座に終了してしまうので油断は出来ない。


 「俺の……俺の【分解デッキ】の恐ろしさはここからだぜぇ!1枚ドローだ!」


 シモンが山札からカードを1枚ドローする。

 これでマジックポイントが4ポイントとなる。


 自分の手札を舐める様にじっくり見るシモン。

 やがてその表情がニヤリと歪む。

 

 ……まさか、まだ逆転の1手を持っているのか。


 「やはり俺の【分解デッキ】の勝利は揺るがないぜ!マジックポイントを2ポイント消費し手札から【コラテラルスカベンジャー】を召喚する!」


 シモンが自信たっぷりに召喚したモンスターは巨大なフンコロガシの様な昆虫型のモンスターだった。


 【コラテラルスカベンジャー】 レアリティ レア バトルポイント 2500


 「このモンスターのスキルはモンスターの【分解】に成功した瞬間、相手プレイヤーのライフポイントを1ポイント奪う事が出来る!」

 「何だって!?」

 「ひゃははは!一時はどうなる事かと思ったがやはり雑魚は雑魚だったな!ヒロキ同様に無様に散るが良いさぁ!行くぜぇ【コラテラルスカベンジャー】のスキルを使用……」


 そこまでシモンが叫んだ瞬間、暴風が吹き荒れ【コラテラルスカベンジャー】が消し飛んだ。


 「……あん?」


 あまりの出来事に口をあんぐり開けたまま硬直するシモン。

 会場のギャラリー達も何が起こったかわからない様だ。


 「なんじゃぁこれはぁ!?一体何をしたぁ!?」

 「ああ、言い忘れてたけどね、【テンペスト・エメラルド・スライム】の【翠晶の暴風(エムラルドストーム)】は1度使用すればその効果は永続的に継続するんだ」

 「……な、何だと?という事は……」

 「【コラテラルスカベンジャー】のバトルポイントは2500だろ?という事はフィールドに出現した瞬間に【翠晶の暴風(エムラルドストーム)】の餌食になって……」

 「消滅したって事かぁ!?そんな馬鹿なスキルがあるかよ!?」


 そんな事言われても事実存在するのだから仕方がない。

 全体的にバトルポイントが少ない傾向にある【分解デッキ】には正に天敵と言えるスキルだろう。


 「これから出すモンスターも召喚した瞬間やられちまうじゃねえか……」


 シモンは自分の絶望的な状況を理解したのか手札を見ながら唇を噛みしめている。

 そして暫く考え込んだ後に観念したかの様に言葉を絞り出した。


 「……ちくしょう、サレンダーだ」


 シモンが降参した瞬間、僕の勝利が確定した。


 「熔崎 シモン君のサレンダーにより、勝者 石動 ヤマト君!」


 ジャッジ役の店長が僕の勝利を宣言した瞬間、アラタとチヒロがこちらに駆け寄って来た!


 「やったなヤマト!冷や冷やしたぜ!」

 「でもすごいファイトだったね!手に汗握っちゃったよ!」

 「うん、本当にギリギリだったけど楽しいファイトだったよ」


 僕は仲間達の祝福を受けながら、何とか手繰り寄せた勝利を噛みしめていた。



ブクマ、評価や感想など有難うございます。

本当に心の底から嬉しいです。


第二章はまだまだカードバトルを描く予定ですのでよろしくお願いします。


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良ければ、感想もお待ちしております。


評価や、ブックマーク、いいね等、執筆する上で非常に大きなモチベーションとなっております。

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[良い点] 見事な展開で良いバトルでした!これからが楽しみです!
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