悲しき令嬢は少女のゆめのなか

１１、１２

１１　令嬢、復讐する

化物誓う　城の中

令嬢恥辱　拭うため

国の王子の　首を取り

2人夫婦に　結ばれん

化物皆を　呼びあつめ

集まる森の　獣たち

化物語り　言うことは

令嬢妻に　迎えんと

森の住人　ことほぎて

化物望む　婚礼の

準備を頼み　旅立ちて

森の獣が　承(うけたま)る

化物城を　駆けて去り

令嬢問うは　獣たち

国を構える　王の城

乗り込み生きて　戻るかと

口を揃えて　褒め称う

化物強し　負けはせぬ

１２　婚儀の準備、令嬢後悔する

化物去りし　城の中

森の獣が　盛り上がり

婚儀のために　飾りつく

森の恵みを　盛り合わす

令嬢ひとり　城の中

与えられたる　部屋の中

蚕(かいこ)吐き出す　絹の糸

併せて紡ぐ　女郎蜘蛛(じょろうぐも)

白きドレスが　出来上がり

令嬢おはす　ベランダに

フクロウ届く　ドレス落つ

令嬢ひとり　崩れ落つ

フクロウ尋ね　聞くことに

令嬢嘆き　語り出す

復讐誓う　青年を

まだ令嬢は　愛したり

嫁ぐ相手が　化物と

後悔しきり　嘆きたり