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5、6

5 令嬢、尼僧院(にそういん)に入れられる


戻れぬことに 気づかずに

我が身の不幸 振り返り

復讐せずに おられぬと

少女はひとり 思いたり


目覚めて直ぐに 起きられず

令嬢ベッドに 横になり

囲む家族に 告げられる

もはや家には 置かれぬと


令嬢愛す 青年は

やんごとあらず 尊くて

令嬢自殺 図ること

知られることは 許されず


回復せして 命じらる

遥か遠くの 尼僧院

頭丸めて 入内し

2度と世情に 出ぬことと


哀れ令嬢 塀の中

祈りの日々に 没頭す


6 尼僧院からの脱走


長らく続く 塀の中

少女は何故か ゆめのなか

戻れぬ事を 考えず

虚しく日々を 繰り返す


されども尼僧 令嬢は

裏切る男 忘られず

復讐せんと 意を決する

尼僧院から 逃げ出さん


出入りの下男 捕まえて

連れて逃げろと 迫りたり

下男困りて 承諾す

肥桶(こえおけ)見せて 迫りたる


臭くにおいし 肥の桶

令嬢()りて 蓋をして

牛ひく車 揺られたり

途中で桶が 転がりつ


肥桶潜む 令嬢は

見事逃げ出す 尼僧院

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