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7文字と5文字で14行詩風に書くのが、最近お気に入りです。
1 ゆめのなかの令嬢
おやすみなさい ゆめのなか
眠る少女が 降り立つは
バラ咲き誇る 庭園に
令嬢となる ゆめのなか
髪も手足も 長く伸び
まるで絵本の ものがたり
バラ咲き誇る 庭園で
お茶傾ける ゆめのなか
高い背を持つ 青年が
腰掛け語る ゆめのなか
告げる言葉が 突き刺さる
別れを告げる ゆめのなか
立ち去る腕を 掴み取り
振り払われて 倒れ伏す
振り返らずに 立ち去るを
復習誓う ゆめのなか
泣きて喚きて 目が覚めて
ただ怒りのみ 身に宿る
2 裏切られた令嬢
おやすみなさい ゆめのなか
少女は戻る 令嬢の
体は校舎 学び舎の
学徒眺むる 部屋の中
婚約者たる 青年に
すでに別れを 告げられて
虚しく座る 令嬢の
前に戯る 学友の
噂話に 登るのは
かつて囁く 青年が
別の誰かと 睦み合う
目撃されし 旧校舎
噂話に 踊らされ
令嬢ひとり 忍び入る
人気失い 風化した
封印された 旧校舎
忍びし先に 絡み合う
令嬢捨てた 男あり