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短編詐欺シリーズ

【短編詐欺注意】デフ・マーチ!

作者: 適当男

某年5月公立物語高等学校


朝のHR前の若干騒がしい教室で草臥れたスーツ姿の男性教師が、


「あー、静かに。ホームルーム始める前に転校生を紹介する。ちっと変わった見た目と経歴の奴だが皆仲良くな。」


「この時期に転校生!?」


「センセー、男?それとも女?」


「あー、期待した男子にゃ悪いが、男だ。美少女ではない。……先生もよく知らんのだが、男、でいいんだよな?」


廊下に顔を出しながら妙な事を言い出す男性教師、田中凡人(45)


「そこの処はおいおい皆さんにわかって頂けるかと。」


廊下から返事があり、入口から一人の男子生徒が入ってくる若干筋肉質な中肉中背の身体に短めのブロンドヘアにブルーアイの西欧系の外国人に見えるが、何故か自身の身体より一回り大きな棺桶を背負っている。

異様な光景に全員が鎮まる中で、転校生と思わしき不審人物は教壇に立ち、自己紹介を始めた。


「皆さんこんにちわ。イギリスから訪日して今日から物語高等学校で皆さんと共に学生として一緒に過ごします、フランケンシュタイン属のデミ・ヒューマンのエリオット=F=ナイチンゲールと申します。どうかよろしくお願いいたします。」


 ザワ……

   フランケンシュタイン?

     デフ…始めてみたな……

         てゆーかあの棺桶何?マジヤバイんだけど……

 ザワ……

  田中先生が性別断言しなかったの何で?どーみても男じゃん

 ザワ……


「はーい!」


微妙な雰囲気の中で一際明るい声を挙げ、一人の男子が手を上げる。


「お、水津樹どうした?」


「先生、クリス君。質問タイムいいですか?」


「おい、そういうのは後で…「先生が宜しければ私は構いませんが、よろしいでしょうか?」まぁ、君が良いならHRの時間内なら別にいいぞ?」


「やった、田中先生話が分かる!早速ですが、さっき先生がクリス君の性別で迷ったのは何でですか?」


「おい、いきなりデリケートな事を…」


「ああ、フランケンシュタインは肉体改造に長けているので見た目と書類では性別の判断ができない事があるんですよ。私はどちらも男で統一していますし、将来的にも女性になる予定はありませんので男扱いで何も問題ありませんよ。」


「なるほどな~、わかったよありがとう! 俺、水津樹みづき 滋滋しげる。デミ・ヒューマンに興味があってさ、これからも色々聞いたりすると思うけど、クリス君も何かあったら俺に聞いてくれよ!」


「わかったよ。何かあったらよろしく。」


「おう、デフ公。俺は北牢きたろう 泥魯でいろだ。テメェが担いでいるその棺桶は何だ?テメェの葬式用のやつか?随分用意の良い事じゃねえか。バケモノはいつでも退治される覚悟があるってか?あぁ?」


「北牢さん、ヤバイですよ!フランケンシュタインは素手で人を肉団子にできるって言われる位のスゴク=ヤバイ級のデフですよ!いくら北牢さんでも… おい、塗可部、お前も何か言えよ。」


「オレ、北牢さん守る。肉団子、させない。肉団子、美味いから好きだけど。」


「何言ってやがるんだこのデクノボウ!?何かあったらお前が真っ先に肉団子になるんだぞ!?」


「それ、困る。おい、クリス。俺、美味くない。肉団子にしても不味いぞ。」


「そもそも僕は人を肉団子にしないし、原材料:人間の食品は食べたくないなぁ……」


「あ、この棺桶は予備の身体が入っているんだ。ジャパニメーションでも”こんな事もあろうかと”ってシチュエーションがあるでしょ。これもそれと同じでいざという時の為の備えなんだ。アメリカだと”センタ・パラタス”と言うらしいけど」


「はっ、予備の体とか、随分とふざけたモンを持っていやがるじゃねーか。」


「備えられるから備えているだけだよ。ノーマンには出来ないだろうけどね。」


「ノーマンだぁ……!?喧嘩売ってんのかデフ公!」


「デフは国際的な差別用語だ。ノーマンには理解できないらしいけどね。」


「ねぇねぇ、デフとノーマンって悪口なの?」


「元々はただの略語さ。Demi=Humans(デミ・ヒューマン)をデフ、Normal=Human(ノーマル・ヒューマンをノーマンって言うだけのね。でも、デミ・ヒューマンの排斥運動があった時にDemi=Humans(デミ・ヒューマンをdemonics=Humans(デモニクス・ヒューマン)

、Normal=Human(ノーマル・ヒューマンをNoah's=Human(ノアズ・ヒューマン)・あるいはNo individuality =Human(ノー・インディビジュアリティー・ヒューマン)の略語として使われていた時代もあったんだよ。」


「それぞれどういう意味なの?」


「demonics=Humansは悪魔人間、をNoah's=Humanは、聖書のノアの大洪水で神に裁かれた人々、No individuality =Humanは無個性人間って事。まぁ子供の悪口みたいなものさ。」


「ふ~ん、まぁどうでもいいけどさ。」


「まったくだね。」


「わざわざ答えてくれてありがとね。アタシ、大橋おおはし 姫子ひめこ。よろしくね!」


「こっちこそ、よろしく。」


「それでアタシの後ろに引っ付いているこの子は友達の豆柴まめしば 戌子いぬこ。良い子なんでこの子もヨロシク!」


「は、初めまして。豆柴まめしば 戌子いぬこです。よろしくおねがいします、クリスさん。」


「こちらこそよろしく、ミス・マメシバ。」

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