表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/28

05 事情


 家に着いた途端、シュレディーケさんのマジックバッグが開放された。


 居間に、大量の荷物が……


 いや、お礼の品なのでしょうけど、申し訳ないですがよく分からない品物を置いていかれても。



「もちろん、一品一品、全て説明させてもらう」


 今からですか。



「大丈夫、準備は万端だ」


 えーと、マジックバッグから取り出した物は、テント?



「庭の隅をお借りする」


 ……泊まり込みですか。



「もちろん、これらの物品だけでは命の恩人に対して失礼千万」

「家事は苦手だが、この身をもって誠心誠意奉仕させてもらう」


 悪いけど、すごく迷惑です。



「私はこれまで、自身の全てを懸けて"乙女の純潔の誓い"を守ってきた」

「あの時、全てをさらけ出したのに、今なお純潔であること」

「これこそがフォリスさんに我が生涯を捧げる理由」

「覚悟は出来ている」


"乙女の純潔の誓い"って、結婚する人以外には裸を見せちゃダメってことでしたっけ。


 確かに見ちゃったけど、治療行為って別だと思いますよ。



「肌をさらしてなお純潔を守っていること」

「それこそがフォリスさんの類まれなる誠実さの証し」

「我が生涯を捧げるにふさわしい殿方」


 さっきからシュレディーケさんの都合ばかりですけど、僕の気持ちはお構いなしなんですか。



「全てを捧げると誓ったのだ」

「この身体のみならず、心まで欲してもらえるよう、努力は惜しまない」



 ……うん、事情は大体分かりました。


 とりあえず、そのテントと居間にある品をマジックバッグにしまってください。


 外で寝て風邪でもひかれたら、看病するのは僕ですし。



「その優しさこそが、まさに我が主人たる器の証し」



 というわけで、突然同居人が増えました。


 シュレディーケさんが冷静になってくれたら、帰るよう説得できる、と思う。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ