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27 作戦


 数日後、ルルナさん、襲来。


 なんと、お忍びの私服イーシャさんと共に。


 ……サプライズ禁止ですってば。



 しかし、どんとこいなのです。


 もちろん、こちらも準備は万端。



 僕たちが考えた作戦は、


『夫婦円満を極めた問答無用の有無を言わさぬらぶらぶ作戦』


 略して『夫婦らぶらぶ作戦』


 つまりは、おふたりの前で、これ以上はないってくらいの熱々らぶらぶな態度を見せつけちゃおう、と。




「おふたりの手作りというこの甘々お菓子以上に、しっとりと寄り添う雰囲気が甘々なのですが」


 イーシャさん、ちょっとだけあきれ顔ではありますが、まずは御満足の様子。



「最近のツァイシャ様とライクァ様に匹敵するほどの甘々ですよ」


 ルルナさん、照れ顔ではありますが、ご機嫌は大変によろしいようです。



 よしっ、どうやら作戦成功。


 やりましたよ、シュレディーケさん。



「はい、あーん」



 ……シュレディーケさん、やり過ぎ注意ですよっ。


 でも、食べちゃう。



 ぱくり



「なんだかいたたまれないのですけど、ルルナはどうしますか」


「私も、今日は早めに退散させていただきます……」




 そして晩餐。


 僕たちふたりで作った夕食で、誠心誠意のおもてなし。


 お味はともかく、お世話の方は満点だったかと。



 イーシャさんからは、特に苦言もお説教もなく、


 ルルナさんからは、特に冷やかしも駄目出しもなく、


 おふたりは言葉少なに、別れのご挨拶。


 なんとも言えぬ表情のまま『ゲートルーム』へ。



 よし、作戦大成功。


 この調子で"夫婦らぶらぶ作戦"を継続すれば自然と家事能力も向上し、ルルナさんのお墨付きを貰えれば訪問ペースも減っていくはず。


 僕たちふたりの平穏な暮らしのためにも、頑張ってもっともっとらぶらぶせねば。



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