26 相談
部屋着に着替えたシュレディーケさんが戻ってきて、ルルナさんと今後の相談。
次回の訪問は少し時間を置いてから、と決議された模様。
言葉少なに『ゲートルーム』から去っていったルルナさん。
本当に申し訳なかったです。
今は居間にて、真剣な表情のシュレディーケさんと差し向かい。
どんな苦言も受け入れねば。
「私も、反省している」
……
「ずっとこの森で独り暮らしだったフォリスさんを、良かれと思って無理やり王都に連れ出した事」
「性急過ぎたのだな」
……返す言葉も無いです。
「どこまでも静かなこの森と、華やかではあるが賑やか雑多な王都」
「あのような環境に耐性の無いフォリスさんをいきなり連れ出したのは、私の失態」
「浮かれ気分でメイド服など着てしまったのも、私の失態」
「寄り添う相手のことも考えず我を通してしまったこと、心からお詫びする」
うなだれたシュレディーケさんから、こぼれ落ちる涙。
夫婦の危機、僕が今できる事は……
優しく抱きしめて、静かに語りかける。
顔を上げてください、シュレディーケさん。
まずは大事な相談を。
その涙の事情、もしイーシャさんの耳に入ると、この先のふたりの暮らしに暗雲が。
いや、今日の僕のやらかしは、ルルナさんから伝わるであろう事はまず確実。
「……」
僕はこの暮らしを守るためならどんな事だってする覚悟がありますが、
イーシャさん、もとい、ツァイシャ女王様が、シュレディーケさんの幸せを願う気持ちは半端じゃないこともご存知の通り。
「……」
今回の事、お互いに反省すべき点はありますが、まずはイーシャさんに安心してもらうことこそが肝要。
つまりは、この次のルルナさんの訪問時に、僕たちふたりは夫婦として全く問題無い事をしっかりと証明する必要があります。
「……」
まずはその涙を拭いてから、ふたりでよく話し合って、夫婦として困難に立ち向かいましょう。
「……しかと心得た」
相談の前に、今日はたくさん変な汗をかいてしまったので、まずはお風呂で身体も頭もすっきりさせてきますね。
「……お供する」
とても良いお湯でした……




