24 満足
当然のように、室内はキレイに清掃・整頓されていて、
当然のように、美味しいお茶がすぐに用意されちゃうわけで。
優秀なメイドさんの実力、誠に侮りがたし。
うはっ、お茶、うめぇ。
「ふたりきりでの旅は、いかがでしたか」
往路と違って、のんびりとした良い旅でしたよ。
のんびりし過ぎて、だいぶ予定より遅くなってしまいましたが。
って、もしかしてルルナさんは、毎日ここに来ていたのですか。
「今か今かとお待ちしておりました」
「嘘ですけど」
ウソかよ。
「おふたりが今日到着するのは、しっかりと把握済みですよ」
「お持ちの『Gふなずし』には、所有者の現在位置をみんなが共有できる機能があります」
「もし知られたくない場所にこっそり訪れたい時には、設定画面で機能を一時停止してくださいね」
「殿方は、そういう秘密で内緒な場所がお好きでしょうし」
行きませんって、そんなところ。
まあ『ゲートルーム』を使えば、いつでもどこでも行けちゃうんだろうけど。
「私だけでは不満か?」
毎日大満足ですって。
ほら、ルルナさんが変なことを言うから、シュレディーケさんがご機嫌斜めですよ。
「もう、まだ日も高いうちから思っていた以上にらぶらぶですこと」
「お夕食が済んだらすぐに退散しますので、それから存分にふたりきりでらぶらぶしてくださいねっ」
ご配慮、痛み入ります。
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夕食の支度をてきぱきこなすルルナさん。
シュレディーケさんは、支度を手伝うので着替えますと寝室へ行きましたが、
はて、随分と時間がかかっているような。
「待たせて済まない」
……!




