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23 秘密


「ただいま」×2



 懐かしの我が家に到着。


 こじんまりした質素な外観、しばし、眺める。



 王都にあったような立派な建物とは違いますが、こんなのでも僕たちふたりのとても大切な我が家なのです。


 アランさんからは"ふたりの愛の巣"なんてからかわれちゃいましたけど、事実ですから否定はしませんよ。



「一服する前に、まずは掃除だな」


 王都で買ってきたアレコレを荷解きする前に、やっちゃいましょうか。


 どれ、鍵を開けまして、と。



「おかえりなさいませ、ご主人様、奥様」


 はい?



 中にいたのは……ルルナさん!?



 ---



「ツァイシャ女王様より、おふたりのお世話を仰せ付かって参りました」

「不束者ですが、精一杯ご奉仕させていただきます」

「よろしくお願いいたします」


 ……聞いてませんよ。


 ってか、サプライズ禁止のはずでしょ。



「ご不満は、ツァイシャ女王様へ直接、ですよ」


 ……ズルいなぁ。


 ところで、施錠されていたのに、どうやって入ったのですか。



「乙女の秘密です」


 いや、マズいでしょう、ソレ。


 それに見ての通り、この家にはメイドさんが泊まり込みできる部屋なんてありませんよ。



「大丈夫です、『ゲートルーム』での通いのメイドですから、ちゃんと日帰りしますよ」

「おふたりの熱々な新婚生活のお邪魔はいたしませんっ」


 なるほど、それなら納得、


 って、納得できるかっての。


 どうしましょう、シュレディーケさん。



「これからよろしくお願いしたい」

「フォリスさんが快適に暮らせるよう、ふたりで頑張りましょう」


 ……知ってたんでしょ、シュレディーケさん。



「乙女の秘密だ」



 ……わがまま乙女たち、許すまじ。



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