20 出立
朝、今日も良い天気。
朝食、身支度、諸々済ませて、出立。
ありがとうございました、ルルガンさん。
今度来た時は、採れたての山の幸、楽しみにしてください。
「孫はやらんぞ」
「もう、おじいちゃんったら」
いつまでもお元気で。
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今日の予定は、
カミスさんのお宅で、ご挨拶、
サイリさんの事務所で、ご挨拶、
モノカさんのお宅で、ご挨拶、
城下町商店街で、アウド村のみんなへのおみやげ購入、
そして、魔灸の森にある我が家を目指します。
『ゲートルーム』は使わずに、『システマ』のお世話にもならずに、
ふたりで歩いて帰ろうと、相談して決めました。
「本当にらぶらぶなんですね」
ルルナさんも、連日の城下街案内、ありがとうございます。
「約束、忘れないでくださいね」
?
「もう、フォリスさんのお宅に遊びに行くっていう約束ですっ」
お待ちしております。
……できればサプライズではなく、事前に連絡くださいね。
「善処しますっ」
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用事は全て済ませて、お見送りのルルナさんとの別れを惜しみながら、
王都南門を出て、目指すは魔灸の森、の奥にある我が家。
おみやげたくさんだけど、大容量『収納』リュックのおかげで身軽、徒歩での旅も苦にならず。
その手荷物もリュックに入れますよ、シュレディーケさん。
「これは……私が持つ」
何やら大事そうに抱えております。
商店街で購入した、王都で流行の化粧品か何かでしょうか。
まあ、満足気なシュレディーケさんを見ていると、今回の旅、本当に来てよかったな、と。
「新婚の若夫婦は手を繋いで歩くものだそうだぞ」
……もう少し人通りが少なくなってから、です。
「楽しみだ」
知り合いには見られませんように……




