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13 みんな


 えーと、男たちが取り押さえられております。


『転送』で救援に来てくれたみんなが、あっという間に制圧しちゃいました。


 僕たちの個人認証用腕輪魔導具『コニタン』には、仲間たちみんなに緊急応援要請を通報できる機能が装備されていて、ピンチの際にそれを使うと『転送』で救援に駆けつけて来てくれるのです。


 で、ついさっきシュレディーケさんが警報を発令、


 結果はご覧の通り。




「ブン殴って良いかどうか分からなかったので、とりあえず麻痺させちゃったけど」


 ありがとうございます、モノカさん。


 僕たちも対処に困っていたので、麻痺は大正解です。


 無双の槍乙女と聞いていたのですが、麻痺する投げ槍は凄かったです。



 彼女は、モノカさん。


 サイリさんと同じく召喚者で、僕と同い歳くらいの可愛らしい娘さんですが、只者ではないのです。


 召喚されてから冒険者として旅暮らしを始めたそうなのですが、あちらこちらの国で大手柄を立てまくって、


 ついには各国公認の"特使勇者"という大英雄に。


"特使勇者"とは、その強さ・優しさ・公正さを世界中から認められた、各国お墨付きの特別な冒険者の証し。


 つまりは、只者ではないのです。




「状況がイマイチよく分からないのですが、何はともあれおふたりともご無事で良かったです」


 ありがとうございます、カミスさん。


 後ほど詳しく説明させていただきます。



 彼は、カミスさん。


 召喚者で、僕と同い歳ですが、見ての通りの強くて優しいイケメンさん。


 争いごとは大嫌いなのに、なぜかトラブルに巻き込まれやすくて、


 いつの間にか"若旦那"という二つ名で親しまれる有名冒険者に。


 特に有名なのが、奥手なのに周りの女性たちがほっとかないというそのモテモテっぷり。


 フィアンセのモノカさんとのらぶらぶ感溢れる逸話も、大変に有名なのです。




「どうやら俺は遅れて来て正解だったようですね」

「迂闊に"ぶなしめじ"しなくて良かったです」


 ありがとうございます、シナギさん。


 救援、感謝です。



 シナギさんは、この大陸の東方に位置する某国出身。


 物腰も立ち振る舞いも静かなる、"若先生"と呼ばれる達人武芸者。


 ただ、これほどの人物なのに、女性絡みになると達人感皆無になるところが、なんといいますか親近感。


 ちなみに"ぶなしめじ"とはシナギさんの愛刀の銘。


 落とせぬ首は無いと言わしめた銘刀を自在に操る、無双の用心棒なのです。




「ご無沙汰です、フォリスさん、シュレディーケさん」

「せっかくの新婚旅行に、ヤボな連中が来ちゃったみたいですね」


 ありがとうございます、アランさん。


 えーと、まだ新婚旅行ではないのです……



 アランさんも召喚者。


 誠実そうなお兄さんといった外見なのですが、4人の奥さま方との大活躍も有名な、"特使公爵"という凄い身分の著名冒険者。


 詳しいことは分かりませんが、"モンスター"と呼ばれて恐れられているほどの豪の者なのだそうです。


 うん、漆黒の魔導スーツ姿がとても良くお似合いで、凄く精悍です。




「駄目ですよ、アランさん」

「己が矜持をおろそかにすることなかれ、ですよ」


 ありがとうございます、サイリさん。


 矜持って、何です?



「アランさんの矜持は"人妻に手を出すことなかれ"なのです」

「つまり、シュレディーケさんをあんな風なまなざしで見つめてはイケナイのです」


 あー確かに、ガン見してますね。


 まあ、人妻うんぬんはともかく、シュレディーケさんが男性の目を釘付けにするのは致し方無しかな、と。



「えーと、ごちそうさま、で合ってます?」


 お粗末さまです……


 って、その漆黒の魔導スーツは、もしかしてアランさんとのペアルックなのですか。




「まずはこの場を撤収した方が良いかな」

「ミスキさんに『システマ』をお願いしたので、みんなでモノカさんのお宅に向かおうか」


 ありがとうございます、ロイさん。


 お手数をおかけします。



 ロイさんは、みんなのリーダー、ですね。


 揉め事でも祝い事でも、みんなは、まずはロイさんに相談するのです。


 その圧倒的な信頼感は、雄大にそびえる山脈の如し。


 ちなみに、奥さまのリノアさんの圧倒的な包容力は、優しく凪いだ大海の如し。


 僕たちの憧れのご夫婦なのです。




 ぷしゅぅん



 独特の着陸音と共に、箱型の魔導車両が到着。


 あれが、配送魔導車『システマ』


『黒猫嵐の魔導急便』ミスキさんたちの『転送』専用魔導車。



 ミスキさんたちは配送魔導車『システマ』で、人も荷物も、国をまたぐ距離ですらひとっ飛びな『転送』で配送してくれるのです。


『システマ』は度重なる改良で、積載量も『転送』距離も、開発当初とは比べ物にならないほどに進化しているのだとか。


 もちろん開発したのは、天才魔導具技師アリシエラさん。



「皆さま、愛と信頼の魔導車『システマ』を御利用いただきありがとうございます」

「お乗りの際はお忘れ物などないよう、ご注意願います」



 ミスキさん、とても嬉しそうですね。



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