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プロローグ
「田中さん。田中祐樹さん」
「あっ、はい」
呼び出しに気付きスマホの画面から顔を上げ声のする方へ向かう。
「本日の診察料1780円になります」
「分かりました」
「2000円お預かりしましたので220円のお返しとなります。お大事になさってください」
「どうも」
会計を終え病院を後にした。
少しでも身体を動かしておこうとアパートまでは歩くことにして帰路に着く。
医者に告げられたのは悪夢障害だった。
新しい環境からくる精神的なストレスが原因ではないかと。