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魔剣の性能は最強クラス

 




 ラフェエルははしゃぐアルティアとエリアスを見ながら考える。



 ………………リーブは腕の立つ側近だ。宰相の子供で、幼少期から私と共にサクリファイス大帝国で稽古をしていた。数いる側近候補の中で賢く強いリーブを選んだ。側近ながら私と共に武功を上げた手練だ。


 天狗になっている次期龍神に敗北を教えるのも教育の一環だと思い手加減もさせていない。そうでなくとも剣は常人より破壊的に扱えないアルティアだ。



 だが、ダーインスレイヴを手にしたアルティアの太刀筋は達人のソレだった。




 「申し訳ございません、ラフェエル様……………」




 「いい。…………正面に立って、どうだった?」




 「別人でございました。手足のように剣を操り、先々を読んだ攻撃…………小手先のものとは思えませんでした」




 リーブが珍しく饒舌になっている。

 そこまでか。………別の視点からも見たいな。



 そう考え、呆然としているクリスティドを見た。





 「クリス…………クリスティド」




 「………………ラフェエル、その名前を呼ぶということは兵士としてではなく私として呼んでいると捉えても?」




 「そうだ。…………言いたいことはわかるな?」



 「ああ。魔法剣の使用は?」



 「使え」



 「わかった」




 クリスティドはいつもの優男の顔をやめて男の顔になった。言いたいことは無事伝わったらしい。




 「アルティア」



 「…………何よ」





 少し目を離した隙にアルティアは不機嫌になっていた。理由は知らないがしょうもないことだろう。





 「次の相手はクリスティドだ」



 「はぁ!?まだやるの!?」



 「……………罰か?」




 「う………………、わ、わかったわよ」





 アルティアは怯みながらも剣を握り直した。クリスティドも剣を既に抜いている。




 「…………アルティア様、剣を向けること、お許しください」



 「いいわよ。クリスティドもラフェエルに命令されたのでしょう?」




 「ええ。申し訳ないが、手加減はしない。アクア様、力を貸してください」





 コポポ、と剣に水が伝わる。水と海の契約者であるクリスティドは水魔法の使い手だ。難しいとされる魔法剣も容易く行える。リーブをも超える手練だ。





 「うぉお!!!!」



 「ッ、!」



 踊るように2人は剣を交える。アルティアは少し顔を歪めながらも直撃を避け、捌いている。魔法剣の特性である水の遠距離攻撃も切り落としている。だが、それも時間の問題か。




 目に見えて押されているアルティアは独り言を言う。




 「ダーインスレイヴ!私達押されてるよ!なんか得意技とかないの!?必殺技とかリミット技とか!え!?ない!?修行しろ!?無理無理無理!


 え?それはできるの?


 やってもいい?



 多分できるとおもう!じゃあ、弱点魔法使うよ!痺れたらごめんね!



 雷魔法・一閃(ア・フラッシュ)!」



 「……!」




 バチバチィ!と雷が剣先に落ちた。その雷は剣先から全体に巡り、パチパチと音を立ててる。クリスティドは怯んだ。当たり前だ、水の精霊と海の妖精神との戦いを見ているのだから。



 それでもクリスティドは引かずに遠距離から水を飛ばす。勿論効きはしない。アルティアは一瞬で距離を詰めてクリスティドの懐に剣先を向けた。




 「ま、参りました……………」




 「うん」




 「アルティア様…………!ああ、生で雷魔法を見られるなんて………わたくし、倒れてしまいそうですわ…」



 「それはやめてエリー………」





 「…………すまない、ラフェエル」



 クリスティドは悔しげにそう言う。

 負けはしたが、収穫はあった。魔法剣も使えるらしい。



 ならば。




 そこまで考えて、剣を鞘から抜いた。









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