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屈服の儀と屈服印

 




 海の妖精神に勝った。




 神様って言うくらいだから、強いんだろうなとぼんやりした不安に怯えていたんだけど、やってみればそうでもなかった。相性の善し悪しを考えた結果、水の弱点は雷だなと思って雷魔法を使ってみたってだけ。



 ガーランドには通じなかった魔法だから、通じないかな?って思ったんだけど効果てきめん。というか思ったより効き過ぎて死んだ?って焦った。微かに息があったから治癒魔法を使った。こちらも神相手に使えるのか微妙だったけど効いてよかった。………あれ?今日の私ラッキー過ぎない?朝占いだったら1位なんじゃない?




『……………なにニヤニヤしてるのよ』




 「いやー、自分の才能が怖いなと……ッギャァァァ!」




 「妖精神への敬意が足りないな」




 黒い雷もとい罰が落ちた。ラッキーと思ってたらこれだよ!というか助けに来た私に雷落としますかね普通?




『わぁ~、罰って本当に落ちるんだねえ。すごいなあ。クリス、僕に落としてみてよ』



 「そんな恐れ多いことできないです、私は」




 契約するならクリスティドとがよかったって心の底から思う。今から代われない?チェンジして頂けないかな……………




『アクア、くだらないこと言ってないでとっとと屈服印押しちゃいなさい』




 「…………屈服印?」



 ラフェエルは海の妖精神を見た。私も知らない単語に首をかしげる。海の妖精神はそんなことも知らないの!?と声を上げた。




『あっきれた……………龍神___ガーランドは逆に何を教えたわけ?』



 「何も教わってないよ、つい最近初めて契約だのなんだの…………ユートピア?っていうのもいまいちわかってないのに…………」




『まあ、ガーランドさんらしいね。今回ちゃんと知ればいいよ。


 とりあえず、僕からやるね』




 そう言って水の妖精神がひょこ、と私の前に来た。そして、私の手を握って歌うような声色で言った。




『水の精霊・アクア=ユートピア=ネプチューンは、龍神様に忠誠を誓います』




 「は……………っつ!?」




 そう言って手の甲をキスされる。すると突然、お腹が熱く疼いた。魔力が暴れてる時に似てる…………!




 「…………これでいいかな、ちょっとおへそ出してみて」




 「っ、わかった…………………………は?」




 私は着替え魔法_服を着替える時に使う魔法_でお腹丸出しの服に着替える。おへその上に1本の水色の線が刻まれていた。ラフェエルも覗いて、水の妖精神__じゃなくて、精霊?のアクアを見た。





『これが屈服印だよ。___妖精神、精霊の魔力の具現化するんだ。それにより、その魔法の威力が上がるっていう利点もあるんだけど、この龍神様には必要ないかな?


 精霊は縦の線を、妖精神は横の線を刻む。合計13本の線が刻まれれば全知全能の龍神になるよ。


 とまあ、それはさておき、屈服したんだから名乗って欲しいんだけど』



『待ちなさいよ、アクア。アタシが終わってからでもいいでしょう?』



『わ』




 海の妖精神はアクアを追いやって私の前に来た。そして、跪いて私の手を取った。




『海の妖精神・マリン=ユートピア=ネプチューンは、龍神様に忠誠を誓い、この世界の海を統治致します。


 次代の龍神様に栄光あれ』




 ちゅ、と手の甲にキスされる。また腹が疼いたから見ると、じわじわと藍色の横線が現れた。おお………なんか、感動。じゃなくて、名乗らなきゃ。





 「私はアルティア=ワールド=ドラゴン、よろしくね」




『物凄く締まりのない言い方ね。もっと神っぽくしなさいよ』




 「神っぽくってどうやるの?」




『はあ……………人間、いえ、アルティアの世話係、そこら辺もちゃんと仕込んでおきなさい』



 「………………ああ」








 ラフェエルははあ、と小さく溜息を漏らして頷いた。



妖精神と精霊の違いを知っているのは現時点でラフェエルのみです。

なのでこの先、(現時点の登場人物では)クリスティド、アルティアはアクアの事を妖精神と呼ぶ描写があります。ご了承ください。

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