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次期龍神は降臨する

 







 この紙がワールドエンド?何を言ってんだこのワンダフル執事。ワンワンよく見て、これは紙、紙だよ?





 「はうっ………久しぶりにアルティア様の侮蔑の瞳をいただきました…………………」





 カイテルは自分の体を抱いて悶えている。それを他所にゼグスが言った。





『本当にソレが"幻の島"なんだよ』




 「ただの地図じゃない」




『それの絵が書かれている島に触れてみろ。言い伝え通りなら……………』





 「わ!」





 紙の中に、吸い込まれた。凄い、この紙の中に入れるのか………!




 「左様でございます 」




 「…………心は読まないでくれる?



 これ、帰ってくる時どうすればいいの?」





 「帰ってくる時は、"ホーム"と叫んでください。………他の人間はそこで死んでもいいですけど」




 「余計なことを言わないで」




 「は、申し訳ございません」





 私はカイテルを諌めて、祭壇に再び紙を置く。最初に乗り込むのは私_____って!





 「ちょっ、ラフェー!」






 ラフェエルは無言で先に入っていってしまった。私は慌てて追いかけた。






 * * *




 「っつ!」




 紙をすり抜けたら結構な高さだった。けど、最初に落ちていたラフェエルが受け止めてくれた。それはいい。




 けど。






 「………………______あ」





 周りは______沢山の柱。そして埋め込まれた人々。祈るポーズを取っている人もいる。これは………………ゼグスの星空の空間で見た、光景だ。



 つまり。





 「龍神に…………呪いをかけた人々…………」




 「____おそらくな」





 そう言うラフェエルは悲しげだった。

 気持ちはわかる。でも…………なんで、ここに_____!?




 突然、空間が歪んだ。

 アルティアの体に黒い粒子がまとわりつき、分断される。






 「ラフェー!」




 「アル___!」





 手を伸ばすが____2人の手が繋がることは無かった。







 * * *





 「…………アル………!」





 言い終わる前に、アルティアは暗闇に包まれ、消えてしまった。

 伸ばした手は空を切っただけ。ラフェエルは自分の手を見てから、考える。




 この感覚………知っている。

 セイレーン皇国で、夢を見ていた感覚だ。ということは…………






『来たね』




 目の前には、夢に出てきた顔の見えない女児_アルティアの前世と言っていた_がいた。





 「やはり…………貴様か!」





 ラフェエルは剣を抜く。しかし、女児はくすくす笑っている。




『酷いなぁ、せっかく君にここがどういう場所か教えてあげようと思ったのに』




 「戯れ言を……………!」




『戯れ言みたいな話だよ。




 ここは____元、サクリファイス大帝国だ』




 「は………………?」






 ラフェエルは目を見開く。女児はひとつの柱に埋まる1人の女の体に触れる。




『サクリファイス大帝国、なんて名前をしてるけど、元々はこの幻の島に住んでいたんだ。争い事から逃げ、ほそぼそとね。



 でも、全員じゃなかった。ここでピストルや機械を作っていた人間は、その威力を試して見たくなった。で、過激なサクリファイス大帝国の人間は____沢山人を殺したんだ。





 そして、私が産まれた』




 そう言って、女は口元をいやらしく歪ませた。そして、理解した。この女児は____





 「"亡者の想い"……………か?」











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