特殊側近×人狼側近
アイスバーン・西地区。
「火魔法よ!」
「風魔法よ!」
防御魔法で自分達の身を守りながら街を燃やしている魔導師軍団がいた。
「____数はざっと500人。魔導師を守る兵士もちらほら居ますね」
その防御魔法の真上、木の上には___透明魔法・スケルトを使用したリーブとガロの姿があった。リーブは片手に双眼鏡を持って淡々とそう言った。
「では、始めましょう。
____やることは分かってますね?ガロ」
「…………………うん、ガロ、頑張る」
ガロの身体には沢山の刃が仕込まれている。背中には"普通の子供"では到底持てないであろう大きな大剣、腕や足には短刀、胸には沢山のクナイ。口の中にも剃刀が。
子供にこのようなことをさせるのは、と最初は思っていたが、今では思わない。それは"普通の子供"ではなく"龍神の側近"だと知っているのと、それだけの実力を有しているから。
リーブはぽん、とガロの頭に手を置いて言う。
「___いいですか?絶対狼になってはなりません。
貴方が危険な事をしたら、アルティア様が悲しむことを忘れないように」
「約束、守れたら、守る」
「……………………………」
そして、アルティアの言うことしか守らないことも知っている。リーブははぁ、と溜息をついてから、手を前に出した。
「______防御魔法解除」
「!?」
「なっ…………!」
リーブの解除魔法に、いとも簡単に割れる防御壁。触れなくても壊れるほど脆い魔法である。
リーブは残念そうにしながら、ガロに言った。
「行きましょう、ガロ」
「うん」
「?なん___ぎゃぁぁぁぁ!!!」
「こど……………ぐぁっ!!!」
「ひぃい!」
「逃げるな!応戦____っぁあ!」
ガロはリーブの言葉に動き出した。
木から飛び降りながら大剣を2つ軽々と抱えて2人の兵士の甲冑ごと貫いた。
劈く悲鳴の中、ガロは大剣を引き抜き一瞬で魔導師を血祭りにした。しかし、こんな子供に負けていられない、と言わんばかりに兵士たちが群がる。
……………おっきなけん、楽だけど重い。
そう思ったガロは目の前にいた男に突き刺し、それを足蹴に胸に纏っていたベルトから6本ほど引き抜いた。
アルさまがボクに作ってくれた、ちっちゃな刃物。
もう、全てを受け入れ諦めるボクはいない。
この国も、ゴセンゾサマも、みんなも、…………………アルさまも。
ボクを"ボク"にしてくれた全ての人の為に_____ボクは戦う。
「ぎゃっ!」
「ぐふっ!」
「足、足がァ…………!」
6本の刃を放てば、6人のオスに命中した。けど、頭や首に当たり、即死できたのは4人。後は足や横腹……………
「ガロ、やるならキチンと命中させなさい。あと大剣を投げるのは____っと」
リーブは自分に向かってきた兵士を一刀両断した。それだけに留まらず、魔法を唱えようとした魔導師に向かって風魔法をあて吹き飛ばした。
平然と敵を蹂躙しながら、続けた。
「……………………あまりお行儀がよくないです」
「うん、ごめん、ガロ、気をつける。
ガロ、向こう、倒す」
「わかりました。お気をつけて。
無理になったら伝達魔法で呼んでくださいね」
「だいじょぶ、ガロ、…………1人で、倒す」
ガロはそう言って両足の短剣を引き抜いて、走った。




