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再契約の仕方

 





 「すみませんでした…………………」




『申し訳ございません…………………』







 「……………………………………」




『この俺を椅子替わりにしやがって…………ぜってえ殺す………』





 そう言って目の前で土下座するボロボロの白黒のごまプリンツインテール女とボロボロの白髪のくせっ毛ボブ男。聖女・フラン・ダリ・ジュエル・セイレーンと聖の精霊・カーバンクルである。




 私は四つん這いにさせた太陽神・ドゥルグレの上に座りながらそれを見下ろす。

 

 

 どうしてこうなっているのかは、正直ほとんど覚えていない。寝て起きたらダーインスレイヴにお姫様抱っこされてた。周囲にいた仲間と神達に聞いたけど、教えてくれなかったから全く身に覚えのない謝罪である。




 けれどラフェエルを攫い、契約解除を勝手に行ったこの2人を簡単に許す気は無いけれど……………それより。





 私はちら、と私の座っている横に設置されたベッドで眠るラフェエルを見る。本当に起きない。揺すっても怒鳴っても。………やっぱり、ドゥルグレの言う通りこの2人の力を借りるしかないのか……………



 気に食わない気持ちを押し殺して、口を開く。




 「…………………………ラフェエルを目覚めさせることは出来る?」




 「も、勿論です!ねえ、カーバンクル!」



『は、はい…………………僕の傷を治してくれた龍神様のためならば、喜んで………………』






 「そう。なら早くやって。10分以内にしないと痛めつけるわよ」



 「それは勘弁してくださいぃぃいい!!!!私が悪かったです!!!!ほんと、せ、せめて15分ください!!!



 カーバンクル!早くやるわよ!」




『う、うん!』





 2人は顔を真っ青にしてラフェエルに近付く。…………………本当に何があったんだろう?最初、滅茶苦茶見下されてたはずなのに…………………




 そう思っている私をよそに、フランはラフェエルの顔に掌を近づけた。そして、深呼吸してから目を開いた。





 「_____ラフェエル・リヴ・レドルド・サクリファイスに聖女の祈りを捧げます」






 フランの掌が光り出した。それは徐々に広がり、ベッドの周りを囲んで聖の魔法の光柱ができた。それを見計らって、カーバンクルはフランの掌の上に自分の掌を重ねた。






『聖なる力よ、この眠られる人間に目覚めの祝福を_______』





 カーバンクルの言葉に、白いキラキラとした光が舞う。この2人は大嫌いだけど、これには感動した。皆も同じように口を開けて見蕩れてるし、やはりなんだかんだ聖女って凄いなー。





 「アルティア、そんな呑気なことを考えている暇ないんじゃないかい?」



 「へ?」




 「ラフェエルは契約解除されているんだぞ、契約を結び直さない限り、"今までの関係"ではなくなるぞ」




 「………………あ!!!!」




 ダーインスレイヴの言葉に、契約解除されたことを思い出す。うわぁぁぁぁそれじゃ起きても「は?もうお前と関わる理由ないじゃん」ってなるかもじゃん!?いや、それはそれでありなのか…………………?



 いや、………………私、まだラフェエルに教わりたいこと、沢山ある。



 話したいことも沢山ある。



 その前に____ちゃんと、本当の気持ちを伝えたい。



 私はぎゅ、と胸を押さえて近くにいた森の妖精神・リーファに聞く。




 「ねえリーファ、どうしたら、もう1回契約を結べるの?」




『それは……………………………』




 「?」




 リーファは言いづらそうに顔を歪める。マリン、アクアも顔を逸らしている。その顔は悲しい色を含んでて____それ以上は聞きづらかった。




 ドゥルグレに命令したら吐くだろう。でも……………本当に、それでいいの?




 これは、自分で答えを出した方がいいと思う。けど、私が知ってることなんて物凄く少ないわけで。



 考えろ、考えろ、どうやって、契約を結び直せる?契約の仕方は______あ。





 ふと、契約を交わした時のことを思い出す。もしかして、契約の交わし方って___………………




 「ん、…………………」





 「……………!」





 そこまで考えたところで、ラフェエルが動いた。











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