表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/270

プロローグ

久しぶりの投稿です。少しでも楽しめるよう頑張ります。

 




 ____どうしたらお前を救えるんだ?










 薄いピンクのような赤みがかった銀色の髪、紅い瞳の男・ラフェエルが空を見上げながら問う。










 その視線の先には、いやに青白い月の光を長い黒髪に乗せた黄金色の瞳の女・アルティア。ラフェエルはギリ、と歯ぎしりをしてから言葉を紡いだ。






 _____私が死ねばよいのか?








 ____この穢れた血を神に捧げればよいのか?






 ___そうしたらお前はその呪われた螺旋から降りられるのか?








 ___私達は来世で、出会える事ができるのか?










 ___……もう、その手で私を振り払わないで抱きしめ返してくれるのか?











 苦しそうに、悲しそうに顔を顰める男。それを見た女は冷ややかな瞳で見下ろし、言う。












 ____そんな日は、永遠に来ないわ。










 _____何故?








 ____何故?それは…………
















* * *












 「あぶっ!」








  そこでハッ、と我に返る。何今の……記憶?にしては鮮明というか文学的というか……昔読んだ小説かな?にしても、私と同じ名前って……。








  『どうしたんだ?』










  「……!」






  地鳴りのような声と共に、大きな黒い尻尾が私に触れようとする。私はそれを避ける為に飛びたい、と願う。それだけでふわり、身体が浮いた。そして尻尾の正体____漆黒の龍を睨んだ。








 「あぶー!」












 『本当に可愛い子供だねぇ。 親の顔を……と、親は我だったか』








  龍はそう言ってふう、と溜息をついてから一瞬で黒髪の男に化けた。 私と同じ黒い髪に金色の瞳。 黒いロープを優雅に着こなすイケメン。 けど、私は赤ん坊な上親である彼に欲情などしない。












  そんな事を思ってると、男はクイ、と人差し指を曲げた。すると私の体はあっという間に男に引き寄せられ、抱き締められる。










 「可愛い可愛い我が子……アルティア」








 「……」










 アルティア=ワールド=ドラゴン。 それは"今"の私の名前。……私は前世の記憶を持っている。 しかし小説界で流行ってる乙女ゲームや小説の中の"ヒロイン"や"悪役令嬢"に転生してヒーローに溺愛されたり、はたまた幸せになるように頑張ったり……そういうの物語では全然なく。というか、人間ですらない。










 私の魂は"龍神の後継者"に選ばれたのだ。

















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ