超常世界浄土穢土
異世界とは天国でもあるし、地獄でもある。
人間が死後どこかへ行くという現象の筆頭である天国と地獄概念を統合した上で昇華したものが異世界なのである。
その最も象徴的な例が魔法と魔力の存在であり、天国と地獄を超常的な現象として捉え直して、再度現実世界に組み込んで内包した世界が異世界である。
現実世界と天国と地獄をミキサーで混ぜると異世界が出来る。死後どこかに行くという意味合いでは地獄もまた空想のそれであると捉える事は出来る。故にそのダークサイドを取り込むことで悪人や奴隷概念が出来上がるし、天国的な美少女の存在も垣間見ることができる。
その全てを内包するための魔法の存在であり、それらを現実世界に投影することで異世界の完成となる。
死後どこかへ行くならばそれは天国に限定されないし、地獄もまた人間の望む死後の世界の姿なのである。闇のない天国ではあまりにも退屈であることを過去人間は見抜いたからこそ地獄の存在を死後の世界に組み込んだのであり、そのどちらも得ることに意義を見出した超常世界の存在こそ異世界である。
そこには地獄も天国もあって、魔法も魔力も現実世界もある。
学校もあるし、ダンジョンも魔物もいる。都市だってあるし、何でもありなのだ。
何でもありだからこそ天国ではなく異世界の方が人類の死後の世界には都合が良かった。退屈ではない世界で何でも出来るからこそ異世界を想像する意味があった。
そこには人間も魔物も亜人も獣人もるから、我々は人間が持ち得る感情の全てを楽しめるのであり、それこそが超常世界浄土穢土なのである。