秘密の部屋と古代魔法の闇魔法
次の日
明日はいよいよ中学部の入学式だけど、ポルックスは朝早くから、秘密の部屋に来ていた。
明日から中学生かー少し大人に近づいた気分。でも、小学部の時のようにふざけすぎる事はもうできなくなるのかな?まぁ僕はふざけるような性格ではないけど。
さて、今日も秘密の部屋に来たわけなのだが、ちゃんとドアが開く事を祈る。これで開かなかったら泣く。開いたら一日一回説ある。よしっ、魔力操作使っていこう。
「"魔力操作(分散)"」
すると、ドアが出て来ると思ったが何も起きなかった。
あれー!?マジか開かない!これはまずいなー何か工程を間違えたのか?この間のはたまたまか?うーん……それともー……何か違うことが関係しているのかな?一日一回説、一生一回説、一週間に一回説、一ヶ月に一回説……うーん全部時間に関係があるよなー。ということは、時間指定されているのか?何時じゃなきゃダメとかあるのかもしれない。昨日は五時ちょっと前だったからその時間帯じゃなきゃダメなのかな?それなら今日は五時まで違うことをしようか。本に書いてあった今までとは違う魔力操作の使い方練習しよう。
修行場に行った。
今日は誰もいないみたいだな。人がいる時の方が多いんだけど。さて、昨日書いてあったことを試してみよう。まずは、魔法を発動した後に体内に戻すやつだ。どうやってやるのかよくわからないけどとりあえずやってみよう。
「"燃えろファイヤー"」
右手に炎を出す。
この後に体内に戻せればいいのだけどこの炎って触れれるって書いてあったよな?自分の魔力が変換されたものだから自分の魔力ならダメージを負わないらしい。炎に触り、体内に戻すイメージで魔力操作を使えばいいはず。
「"魔力操作(返還)"」
右手に出した炎を直接触り、右手に流れて戻るようにイメージしながら、魔力操作を使うと、炎が右手に吸い込まれて、完全になくなった。
おぉースゲェー本当にできた。魔力操作って結構練習しなきゃ無理なはずだけど、結構慣れて来たからかすぐ出来たな。魔力は多少減っているようだ本当に少しだけど。変換するときにも魔力を使っているからかな?まぁこれはあんま使わないかもだけど、例えば、脅しとして上級魔法を発動させたとして、用済みになってキャンセルするのはもったいないから体内に戻せるのはいい。必要なくなった魔法をキャンセルするのではなく、体内に戻すことで節約することが出来ると言うことだ。つくづく魔力操作というものは魔力を節約するためのものだな。
次は、初級魔法を中級魔法並みの強さにする。初級魔法をまず発動し、初級魔法に直接触れ、魔力操作で魔力を限界まで多くすると、威力が増すというものである。
「"燃えろファイヤー"」
この炎を直接触りそして、魔力を多くすれば威力が上がるということだよね?ということは次は魔力操作の出番だ。
「"魔力操作(増幅)"」
右手で炎を直接触り、魔力操作を使って、ファイヤーの魔力を上昇させた。すると、ファイヤーはさっきより大きく、メラメラと激しく燃え始めた。
なるほどこういうことか、確かに威力が格段に上がっている。けど、本当に魔力を多く消費するなー、初級魔法でこんなに魔力を消費するのは初めてだ。まだ中級魔法とまではいかないから、まだ魔力が入るってことか。
と思ってたら、シュンとファイヤーがさっきの状態に戻ってしまった。
あれ!?成功したと思ったら成功じゃなかったのか!?まぁそんな簡単に慣れたとはいえ出来るわけないか。一瞬できたのも収穫だ。しかしなぜ消えてしまったのだろう。その辺は練習を重ねて、解決しよう!練習あるのみ。
その後昼になったので一旦休憩して、お昼ご飯を食べて少ししてから、修行場に戻り、さっきの練習を含めたいつもの修行をした。そして、五時近くなったところで練習を止め、例の秘密の部屋の前に来ていた。
もうそろそろ五時になるころだな。これで開かなかったら、ちょっとめんどくさいな。開く時間を試していかないといかない。もしかしたら、一生開かないかもしれないし。それはやだなぁ。まぁ考えてても仕方ないし、とりあえず一回やってみよう。
「"魔法操作(分散)"」
すると、壁が動き出してドアが現れた。
よっしゃー!開いたー!どうやら時間説が有効だな五時かなんか微妙。まぁ別にいいけど
ドアを開けて部屋に入ると、壁が動き出してドアが消えた。
いつ見てもすごい仕掛けだなやっぱ魔道具使ってんのかなぁすごく興味深い。この本の中に書いてあるかもしれないな。さて、とりあえず昨日の続きを進めよう。すごくあの続きが気になる。
本とかは昨日のままであり、本が二冊開いて置いてあった。ポルックスは昨日同様に自動翻訳本に文字を節約しながら書いていった。
"……る。魔法操作は以上の通り色々な面で使える魔法操作はかなり難しいが諦めずに頑張ってほしい。習得したら強いかはこの僕が保障しよう。世界が変わって見えることだろう。そしてこれまで魔力操作のことを書いたきたが本題はこの後である。なぜ魔力操作のことを詳しく書いたかというと僕から君へのプレゼントが魔力操作を使えないとかなり危ないものであるからだ。そのプレゼントとというのは、君は知っているのだろか?君の時代では古代魔法と呼ばれているかもしれない。そうそれは「闇魔法」である。…"
や、闇魔法!?古代魔法の1つじゃないか!今は失われていて使える人はいないと何かの本に書かれていた。そんな魔法をプレゼントしてくれるのか?え、これ本当に凄いんですけど、凄すぎるんですけど。まだ中学部になるくらいの子供が知っていいレベルじゃないと思うんですけど…
"もしかしたら君はとても驚いていることかもしれない。多分君の時代に闇魔法はないのだろうから。…実はもう僕達の時代でも少なくなっているんだ。元々闇魔法というのは適正に含まれていた。その適正を持つのは闇魔法を完成させ自分のものとした者の一家しか適正を持ってはいなかった。それがどんどん伝染していき闇魔法を持っている人は増えていったのだが、いつからなのだろうか?闇魔法を所有している者がどんどん死んでしまったんだ。あれは不可解な出来事だった…それで闇魔法の適正を持つ者が大幅に減ってしまった。今も減り続けている。それに、闇魔法に関する知識もなくなってしまっているのだ。僕は闇魔法は素晴らしいものであるから無くなって欲しくないそのためにこの部屋にこの本を残すことを決めた。僕は闇魔法の適正を持っているわけではなかったが、闇魔法は適正を持たなくても使えるかもしれないと思い、宮廷魔導師の時に色々な魔導書を読み、闇魔法の知識を増やした。なぜ適正を持っていないのに使えるかもしれないと思ったかというと、最初に完成させた人物に適正はなかったのだろうから構造を理解して構築することで適正を持たなくても使えるのではないかと仮説を立てた。まぁ僕の場合は0からじゃなくて一からだから楽なのだけど。それじゃあ闇魔法を君に伝授しようと思う。まず、闇魔法はイメージがすごく鍵になる。闇魔法は、空間を操るものだと思ってほしい多分それ以外にもあるだろうが。空間を操るということは、どうゆうことかというと、空間を作り出したりすることである。空間を作り出すということは、まず、門を作り、空間を構築する。門の中に空間を作り出すのだ。つまり、異空間を作るということにもなる。そこにあるものではないのに、門を通して、異空間に入ることができる。たまに異空間収納スキルを持っている奴がいるだろう。それの空間や入口を操ることが出来るものが闇魔法である。至って簡単であろう?でもとても簡単に思えるのだが、扱うのは難しい君にはがんばってもらいたい。それじゃあ闇魔法の使い方を教えていこう。何回も言うようにまずは明確なイメージを持とう。そして、詠唱を唱える。詠唱は自分のイメージしやすいものでもいいのだが、……失敗すると、暴走してしまう可能性がある。実際そんな事件が起きたことがある。自己流にするのは慣れてからの方がいいだろう。まずは僕が考えた、イメージしやすく、暴走しにくい詠唱を使ってくれ。それならば問題はないと思う。そして、詠唱を唱えたら、魔力操作を使用して、闇魔法を整える。整えるのは、闇魔法を適正を持たずに使う場合、魔力が不安定になり、詠唱に問題がなく、イメージにも問題がなくても、魔力が暴走し魔法自体が暴走してしまう危険性があるため、魔力操作で整える作業をしなければいけない。(だから魔力操作のスキルを持った人にしか入れない部屋を作り、魔力操作と魔法操作について教えたのだ。)魔力操作を整える作業とは、不安定になった闇魔法を魔法操作の要領で安定させること。グニャグニャした魔力を感じ取り、そのグニャグニャを綺麗にするイメージ。そうすることで、門を作り出す。そして、異空間内の大きさを決める。この異空間内は頭の中のイメージで作られる。草原をイメージしたら草原になったり、荒野をイメージしたら荒野になる。具体的な距離も慣れてきたら調整できるようになるだろう。そうすることで闇魔法の空間魔法は完成だ。異空間内に入り、その後出たい時は次は出口用の門を作り、戻ることができる。そして………"
な、なるほどー……なんか凄すぎてよくわからなかったけど、闇魔法は覚えたいなー。イメージがとにかく大事だと言っていたな。闇魔法というより空間魔法だったな。空間魔法のイメージかー。あんま想像できないけど…異空間収納持ちのスキルの人に見せてもらったらイメージ湧くかもな、まぁこの魔法は数ヶ月必死に訓練しても無理なレベルで難しいな。二年…いや三年くらいでやっとできるくらいかな?はー先がない話だな努力あるのみっということか。
その後も読み進め、詠唱もバッチリメモをとり、そろそろご飯になるくらいで部屋から出た。
ふーちょっと頑張り過ぎたかもなー六時か夕食は三十分からだから間に合ったな。一時間しか経ってないということは、前三時間位で三十分だと考え……あれーその場合どうなるんだっけ?あー算数は難しいなーカストル兄に聞いたらわかるかも。
そんなことを考えながら食堂へ向かった。
ティンダレオース以外全員が集まり、食事を始める。
「カストル兄質問があるんだけど…」
「うん?どうした?ポルックス」
「えーっと180の時は30で30が60になった時、180はいくつになるの?」
「え!?えーっと…さ、30が60になったら、180はいくつになるか?えー……」
「360よポルックス」
「あ、ありがとうクリュ姉!さすがだね!」
ということは、六時間もあの部屋の中にいたのか!…あの部屋すごいなー
「あー!そうだそうだいやまぁあと少しでもう思いついてましたし!まぁこれくらい余裕だし!」
「ふふっカストル言い訳必死ね?」
「言い訳じゃないし。」
「それにしても、なんでそんなことを聞いてきたの?ポルックス」
「いやまぁ…明日中学部入学するにあたって勉強しておいた方がいいなと思って算数の勉強をしてて解けなかったから。」
「ふーんなるほどねー偉いわね〜勉強して。カストルも見習いなさい。」
「し、失礼な俺だって勉強はしっかりやってる!」
「あなたは長男なんだからもっと努力しなきゃダメよ?」
「わ、わかっていますよ。母様」
少し難しい顔をしながらカストルは答えた。
食事が終わり部屋に戻り明日の中学部の入学式に向けて準備をした。そして、今日は少し早めに闇魔法のことを考えながら深い眠りについた。
闇魔法の空間魔法の設定は言葉で表すのが難しかったです。よくわからない点もありますでしょうが、この後も解説されていきますので、徐々に慣れていってもらえたらなと思います。