第1章【世界の始まり】~第8話 慈愛のガラン~
ナビさんが少し落ち着きを取り戻したところで俺は言った。
「ナビさん折角具現化したのでちゃんとした名前付けてもいいかな?」
『え?私のですか?』
「うん、簡単にもじった名前だけどね?【ナヴィ】なんてどうかな?」
『可愛い感じにもじりましたね。私は気に入りました。構いませんよ。』
と ナヴィが了承した途端ナヴィの頭の上で【ポーン】と音がした。2人とも同時に
『「はっ?」』
と、言って目を見合わせたのだった。
『も、もしかして?メニュー!』
ナヴィが言うとナヴィの目の前にパネルが現れた。ナヴィのメニューは俺にも見えた。メニュー表示内容は俺と同じ物だった。
『これは...。』
ステータスを開くと・・・
天使族:ナヴィ【与えられし名】
智天使【ナビ】レベル:MAX
HP:∞
MP:∞ 属性all【創作魔法】
スキル:知識の泉・具現化補助・大結界・念の力・読心術(対創造主様用)・読唇術/特殊スキル:創造主の加護・智天使の頭脳
称号:創造主を導く者・創造主に使えし者
『これは...こんなステータス見たこと有りません...』
ナヴィはステータスを凝視している。どうしたのだろうか?
「いい感じになると思ったんだけど駄目だった?」
するとナヴィは頭を左右に激しく振った。
『逆です。創造主様の思った通り凄く良いステータスになってます。今まで見てきた第1臣下と比べると天と地程の差が有ると言えます。』
あっ焦ったぁ…失敗したかと思ったよ。
「じゃ良かった良かった!あっそうだ、その創造主様って呼び方も変えない?俺的には大って呼び捨ての方がいいんだけど…」
『それは流石に..主様はどうですか?臣下になったことですし。』
「少し短くなった事だし仕方ない、それで妥協するか。」
疲れた..でも、今日の内にもう1人くらい創造しときたいな。
「ナヴィ、もう1人創造しようと思ってるんだか創造する前にちょっと聞きたいことが有る。人化スキルは、創造すれば付けることが可能か?」
『そうですね、主様が元の姿と人化した時の姿をきちんと創造出来れば可能かと思います。』
俺は少し考え、
「ドラゴンはデカいから城の外に出よう。何事もチャレンジしてみないとな」
とナヴィに言いながら城の外に向かった。因みに俺は転移で外に出たのだかナヴィは、翼で窓から飛んで出たのだった。意外に大胆だな。
外に出ると俺は早速創造を開始した。今回はしっかりと創造する為に声に出しながら創造することにする。
「5階建のビルより高く大きなドラゴン。鱗は硬く爪と牙は鋭く尾は全てを薙ぎ払えるほど強く空を自由に飛び回り、優しく総てを包み込み守護する優しきドラゴン。人型の時は 白銀の髪、白銀の瞳、精悍な顔、無駄な肉など無い引き締まった体躯、弱き者を助ける正義の心を持つ者に!!決定。」
するとナヴィの時と同じように粒子が集まり始めた。但し今回はかなりの量だ。暫くするとそこには、白銀の大きなドラゴンが現れた。創造した通り大きく強そうなドラゴンだ。成功しただろうか?ドラゴンに俺は問いかけた。
「人化出来るか?」
ドラゴンはグォォォとひと鳴きした。そして頭を上空に向けて静止した。俺とナヴィに不安が過る。が、少しするとドラゴンは又粒子化を始めた。そして再構築された姿は俺が創造した人型で年齢は俺と同じ20代後半位だった。俺とナヴィは安堵の息を漏らしのだった。
「初めまして主殿。」
人型になったドラゴンは片足を着き頭を垂れてそう言った。
俺は彼の頬に触れてみた。彼は一瞬体を固くしたがそのままじっとしていた。俺はただ温もりが有るのか確かめてみただけだが。ちゃんと温かかったので俺は手を頭に移し、
「初めまして宜しくね。君には【ガラン】と言う名前を付けよう。」
すると彼は笑みを浮かべながら
「有り難うございます。宜しくお願いします。」
と、言ったところで【ポーン】と例の音がした。メニューを表示させてみた。俺達のメニューとは違った。そこにはステータス、アイテム、人事の把握の3つだけだった。人事の把握は本来なら第1臣下のナヴィに付くらしいのだがナヴィが特殊なので第2臣下ガランに移ったらしいと言う事だった。事実上の臣下の総大将はガランと言う事だ。ナヴィは参謀的な位置かな?
ガランのステータスを開いてみた。
龍人族〈ドラゴン〉:ガラン【与えられし名】
エンシェントドラゴンレベル:700
HP:80000
MP:70000 属性:未定【創作魔法】
スキル:人化・ドラゴンブレス・ドラゴンフィールド/特殊スキル:創造主の加護・正義の抱擁・正義の鉄槌
称号:ドラゴンの王・主に忠誠を誓う者・慈愛の塊・天空の支配者