第1章【世界の始まり】~第7話 ナビさんこんにちは!~
すげぇ・・・
俺が創造したのだが想像以上の出来だっだ。
『報告します。お城に精霊の守護が発動しました。どんな攻撃を受けても崩壊しなくなりました。そしてお城はほぼご希望通りに仕上がったと思われます。創造主様の魔力を燃料に変換する機能も成功いたしました。お城の中で普通に生活していただければ、自動的に魔力貯蓄機に魔力が流れます。ただ島から外に出る際は、貯蓄機に魔力の補充をお願いします致します。』
異常に頑丈になったって事か。補充くらいの事なら問題ないね。任せとけ!
『貯蓄機は創造主様のベッドサイドに設置しておきました。』
どうしてそこ?電気スタンドじゃないんだから…
『睡眠中に多目に貯蓄出来るようにと思いまして。』
5階の空き部屋はいくつ有る?
『空き部屋は8部屋、全部で13部屋です。5階の部屋は全て広めに造りましたので部屋数自体は少なくなってしまいました。』
成る程。フロア凄く広い筈なのに何故?どれだけ広く造ったらそんな少ない部屋数になるんだ?
『見てみれば解ります。早速入ってみますか?』
そうだな。城の入口まで行ってみた。扉の上の方から声がした。
【登録します。城主様、開門と一言お願いします。】
城が喋った・・・精霊の守護のせいか?
『そうです。』
驚きながらも俺は
「開門」
と、言ってみた。
【登録完了しました。次からは開門と発声していただければ開門されます】
と、言う声と共にドアが開いた。
ギィィ・・・
そこには、豪華なホテルのロビーを更に豪華にしたロビーが有った。受付カウンターまでちゃんと有ったのは笑えた。
『謁見の間と言ってみてください。』
「謁見の間」
すると目の前が一瞬霞んだ直後、目の前は謁見の間になった。
『創造主様のみ行きたい部屋の名前を言えば瞬間移動出来ます。』
5階まで階段は大変だなと思ってたのでこれは、嬉しかった。出来た城だ。しかも謁見の間、パーティー会場に出来るくらい広い。うん、部屋数少なくなる訳だ。
『もうすぐ夕方になってしまいますので 臣下を少しでも造りましょう。臣下は最大15人まで造れますが、注意点が有ります。造った順番の序列になります。特に最初の7人はかなり異質な能力を貸与又は獲得出来ますので気を付けてください。臣下の創造は創造主様が創造し決定と言うと具現化が始まります。』
ふむ。そして俺はにやりと笑いながら創造を開始した。俺の右腕で有り、頭脳で有り、助言者で有り友となる者を。俺は何の宗教にも興味が無いし信者でも無いがこれらを兼ね備える友に相応しい姿形は智天使しか思い付かなかった。それで許してね?ナビさん決定!
『えっ?』
ナビさんの驚きの声が聞こえたが今度は俺がスルースキルを使ってやった。
目の前に粒子が集まり形を造ってゆく。かなり幻想的だ。何かが俺の中から抜けるのを感じた。
ナビさんの実体化大成功。中性的で年の頃は15~6歳位、目鼻立ちはかなり綺麗に出来た。瞳は菫色、髪は肩より短めで薄い紫、緩やかにウェーブしている。そして背中に有りますな白くて大きい翼が。ナビさん固まったまま呆然としている。
『前代未聞です。ナビを臣下として具現化した人は・・・』
「そうなの?でも出来たじゃん。何で皆しないのかね?」
『普通思い付かないと思います。どうして私を具現化したのですか?』
「少し考えれば解ると思うけどなぁ?ナビさんは俺を導く為に存在してるんだよね?導けるって事はさぁ、ほぼ何でも知ってて賢いって事だよね?その賢いナビを第1の臣下として具現化したらどうなる?想像を絶する凄い臣下になるだろう?」
『!!!』
俺は眼鏡を中指で押し上げながら・・・
「優秀なんですよ。俺、これでもエリートサラリーマンですから。」
そして不敵に笑った。