第2章【世界が動き出す】~第22話 禅の為に赤いボタンを!~
案の定ナヴィの予想通り規格外の子達は凄い勢いで増えたのだった。どうやら片方の親だけでもタマゴから生まれた者だと規格外になるらしい。あっと言う間に学校はそんな子達で一杯になった。
困った事と言えば、その子達は親より強いのだ。その上、子供なので精神が未熟でイタズラばかりしてガラン達を困らせている。ガランを困らせるのは、まだいい..恐いのはシンリにもイタズラをしかけるのだ。その時のシンリの顔は思い出しただけでも背筋が凍る・・・もう少しイタズラする相手を考えて欲しいものだ。
まぁこの子達が大人になったら凄い戦力になる事は確かなので、それが解ってるシンリは我慢強く辛抱してるけどね。
俺は着々と俺の世界を造った。勿論、小さなトラブルは有ったが大事件と言う程の物は無く俺の世界は理想的と言って良い程、平和で皆仲良しだ。そして軍事の方は、防御と言う面だけを言うなら完璧だと言い切れる。しかし、攻撃はした事が無いので強いのかと聞かれたら正直、解らないとしか答えられない。臣下はMAX、タマゴから生まれた者やその子達もレベルがほぼMAXになった。良いスキルをタマゴから生まれた者やその子供達から見付けたらそれらを創作魔法として作り替えたりして貸与出来る者達に貸与した。武器も俺とエンゾで規制されてる物以外めちゃくちゃ沢山造ったけど心配は尽きない。ナヴィは、
『主様の世界は過去1番の攻撃力と防御力なので赤いボタン押しても大丈夫ですよ。それに創造主レベルMAXになったじゃないですか。』
そう、俺はレベルMAXになった。使える魔法やスキルを言うより、出来ない事を言う方が早いかもしれない。だからスキルを創作魔法に作り替えたりも出来るようになったのだ。しかしまだ自動解除まで100年以上有るのにわざわざする必要も無いだろう。住人を危険に晒したくないし、俺もまだ消えたく無い!
そんな穏やかな日々を送っていたある日、ブゥーブゥーブゥーと警報が鳴り響いたのだった・・・
その時、俺は久々に臣下全員と昼食をとっていた。最近ではそれぞれ仕事をしている為、時間がずれていたのだがルルが皆で御飯食べたいと言い出したからだ。俺はナヴィに
「これ何だ?」
と慌てて聞いた。ナヴィは
『創造主の誰かが赤いボタンを押したみたいですね。』
と、言った。まだ自動解除まで時間が有るのに誰だろう?気になったのでナヴィに聞いてみた。
『繋がった創造主なら解るので、少々お待ちください..あっこの人ですね。名前は《天神禅》となってます。』
俺はそれを聞いて目を見開いた。天神禅?俺の幼なじみのか?
『主様と同じ頃同じ所から入って来たようですね...』
俺はある結論に辿り着いた。俺がこちらに来た日、禅と遊ぶ約束をしていた。禅は俺の部屋の鍵を持っている。俺が居なかった為、暇潰しにゲームでもして待ってようと電源を入れてしまったのだろう。
「俺のせいだ・・・禅がこんな事になったのは。」
俺の言葉で臣下達は真剣な眼をしこちらを見た。俺は俯き拳を握り締めた。そんな中、沈黙を破ったのはガランだった。
「主殿。ご友人なのですか?もしそうならば、助けに行くと一言御命令を。それだけで我等は喜んでついて行きます!」
「ガラン...。」
全員が真剣な顔で頷く。
『主様、心配為さらずとも主様の世界の防御力ならば、この大陸が破壊される事は先ず有りません。臣下は皆、一騎当千以上。ならば、他の創造主様達が禅様の元へ行く前に主様が行き、協力体制を万全にして待ち構えた方が禅様が生き残れる確率を上げる事が出来るのでは?』
ナヴィの言葉に続きルルまでも、
「ご主人様ぁ!精霊さんも妖精さんも大丈夫だと言ってるのぉ!任せても大丈夫なのぉ!」
ミーアがルルの後押しをする。
「主様、ルルの言ってる事は本当です。私の頭にも大丈夫と念思が伝わって来ています。」
「主様と禅様に危害を与えるものは私が葬り去りましょう!」
シンリは恐ろしい笑みを浮かべて言い放った。俺はここまで言ってくれる皆の言葉で決断した。
「皆、有り難う。全員で禅を助けに行くぞ。大陸結界準備!思い付くだけの種類の結界を幾重にも張ってくれ!青龍、朱雀、白虎、玄武にも防御指示を出してくれ。住人にも一時家の中へ入るように念思連絡を頼む。その他各自以前決めた通りに行動してくれ。」
俺の言葉に全員が頷き、散って行った。緊急に備え、最初に赤いボタンを押す時の対処は決めていた。皆はその通りに準備を始めるのだった。念思で全員整った事を確認し、
「ナヴィ、少し早まったが行くぞ。準備はいいか?」
『結界全て完了。臣下配置完了。住人避難完了。そして禅様の大陸の隣に繋がるよう、手配完了です。どうぞボタンを押してください。』
「行くぞ!」
と、言って俺は赤いボタンを押したのだった。
その時、思い出したかのようにナヴィが、
『主様!光ります!』
次の瞬間、物凄い光が辺り一面に拡がった。
だからナヴィ、もう光ってるてば!毎回遅いんだよ・・・俺は又もや、目がぁ!目があぁぁぁ!と叫ぶ羽目になったのだった。




