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愛すべき不思議な家族&その後の愛すべき不思議な家族  作者: 桐条京介
その後の愛すべき不思議な家族6 菜月の中学・高校編
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28 夏祭りと新たな恋

 この日だけは夜の通りが日中みたいに明るく彩られる。

 年に一度のお祭りに立ち並ぶ夜店を、菜月は気の置けない友人たちと見て回っていた。

「前みたいにはぐれたら困るから、貸してあげるわ」

「う、うん……ありがとう」

 真と手を繋ぎ、愛花らの背中を眺めながら後方を歩く。

 恋人になってから何度もこうしているのに、いまだに恥ずかしさと嬉しさで頭が爆発しそうになる。

「そ、その……今日の浴衣、似合ってるね……とっても可愛い……」

「あ、ありがとう。気づいていないかと思ったわ」

「そんなことないよ! ただ、他の皆もいたから……」

 慌てて言い訳を始めた彼氏に、思わず菜月は吹き出してしまう。

「からかっただけよ。最初からわかっているわよ」

「う、うん……でも、もっと勇気は欲しいな……

「勇気? 何に使うの?」

「えっ!? そ、それは、あの、その、ええと……あ、あはは!」

 露骨に怪しく笑い始めた真を追求しようとして、他の皆がいつもの型取り屋の前に集結しているのに気づく。

「恒例になりつつあるわね。仕方ないから私も付き合うけれど、真もするのでしょう?」

「そうだね。また菜月ちゃんにかき氷を奢れるように頑張るよ」

 意気込んだ真だったが、こういう時に限って最高難易度の絵柄が出るのが世の常である。

 あえなく失敗して肩を落とす真を後目に、恐らく初めて宏和がもっとも簡単な絵柄のくり抜きに成功する。

「俺にかかればこんなもんよ!」

「さすが宏和先輩です! 憧れます!」

「そうだろう、そうだろう!」

 愛花に褒め称えられて、椅子に片足を乗せた宏和が調子に乗りまくる。何気にきちんと靴を脱いでいるあたり、阿呆は阿呆でも育ちの良さがわかったりする。

「愛花ちゃん、いつの間にか宏和を名前で呼ぶようになっていたのね」

 スマホの所持を許可されたあとで、約束通り菜月から宏和の連絡先をゲットしていた彼女だが、どうやら無事に一歩ずつ仲を進展させられているみたいだった。

「つい昨日、夜店が楽しみだってメールした時、勇気を出して名前で呼んでもいいか聞いたらしいぞ。先輩を取るのは、想いを成就させてからだって言ってたな」

 二人の仲を面白がっているような涼子が、耳打ちするようにして教えてくれた。

「こっちでも勇気が出てくるのね。ということは、真も私の呼び方を変えたいのかしら」

 くるりと顔を向けると、声が聞こえていたらしい真が盛大に慌てふためいた。

「図星だったみたいね。実はあたしも思ってたんだ。いつまでちゃん付けなのかなって」

 同じクラスになって以降、より仲良くなったらしい明美が真をからかいだした。

「や、やめてよ。そ、それは、その……」

「別に構わないわよ。私だってとっくに真を呼び捨てにしているのだから」

「う、うん……じゃあ、ええと……な、菜月……」

「……は、はい……」

 平気だろうと思っていたら、予想以上に照れ臭かった。

「おいおい、何だよこの初々しいカップルは。付き合い出してから、もう結構経ってるはずだろ」

「う、うるさいわね。それより涼子ちゃんこそ、もう彼女はできたの?」

「ボクの話は――って、おかしいだろ。何だよ、彼女って!」

「そのままの意味よ。最近、ますます女子からのラブレターが増えているみたいじゃない」

 事実なので反論のしようもない涼子が「うっ」と言葉に詰まる。

 その隙に、菜月への加勢を決めたらしい明美が追撃を開始する。

「実希子コーチの影響で、言葉遣いもどんどん男っぽくなってるし、とうとう先輩の女子からも告白されたもんね」

「バッ……! それをバラすなよ、明美!」

「そ、そうなんですか!? しょ、衝撃の事実を聞いてしまいました……」

「愛花!? いつからそこにいたんだよ!」

 宏和から貰ったという型抜きを大事そうに両手で抱えた愛花に、唾を飛ばして絶叫する涼子。

 女性陣は全員浴衣だが、愛花はキッチリと着こなし、涼子は腕まくり中と纏い方にも個性が出ていて面白い。

 明美は仲間うちで丈が一番短く、菜月と茉優は奇をてらわずノーマルそのものだ。



「……そういえば、茉優はどこへ行ったのかしら」

 いつものほんわかとした声が聞こえないのを不審に思い、菜月は周囲を見渡した。

 もし、迷子にでもなっていたら大変だ。

「あ、向こうにいるよ」

 真が指差した方向に茉優はいた。見慣れた笑顔で、しゃがみ込んで金魚すくいを遊んでいる。

「沢君が一緒だったのね」

 茉優の隣には恭介がいて、やはり笑顔で見守っている。あれこれとアドバイスせずに、請われた場合だけ助力する。彼の人柄が表れているみたいだった。

「ずいぶんと仲が良さそうね」

「中学の後半くらいからかな。遊んでても茉優ちゃんがあっちにふらふら、こっちにふらふらと興味を示して回るから、心配で目が離せないと言ってたよ」

 真の情報に、菜月はふうんと頷く。

「あの二人、意外とお似合いよね」

「え? ああ……確かにそうだね。恭介君も嫌々、面倒を見てるって感じじゃなかったし」

「二人で何を見てるんだよ」

 コソコソ話し合っていた菜月たちの背後に、いつの間にか涼子と明美が立っていた。

「茉優ちゃんと沢君ね。いい雰囲気じゃない」

「明美ちゃんもそう思う?」

 菜月が問うと、明美は苦笑する。

「誰が見ても、そうとしか思えないわよ。今にも手だって繋ぎそうだし」

「あっちもこっちも春だなあ。もう夏だっていうのに」

「涼子ちゃんもうかうかしてられないね」

「そう言われても、無理に好きになるもんでもないしな」

 頭をくしゃくしゃとする涼子の腕を、明美がそっと手に取った。

「それじゃ、今日のところは二人で見て回ろうか」

「そうするか」

 あっさり承諾した涼子を横目に、菜月も真の手を取る。

「ならこれからは別行動ね。愛花ちゃんたちもいい?」

「え? 何がですか?」

 宏和との会話に夢中で、こちらの様子に気付いてなかった愛花に事情を説明すると、彼女は茹蛸もかくやというほどに赤面した。

「ふ、ふふ二人きり!? そ、そそそれは……の、望むところではありますが……」

 チラリと横目で見られた宏和は、さして狼狽もせずに「いいんじゃないか」と首肯した。

 茉優と恭介に気付かれないうちに皆で姿を隠し、夜店が終わる午後十時まで別行動にする旨をLINEで伝える。

 すぐに既読がつき、笑顔の猫スタンプとともにわかったの一文が返ってくる。

「何か問題があったら、すぐ連絡してください」

「おお、さすが愛花。学級委員長らしいな」

「それがわたしの務めですから」

 えへんと胸を張る愛花だが、すぐに二人きりになる宏和を盗み見ては頬を赤く染めていた。



「もじもじしてどうしたの?」

 振り返った菜月は、挙動不審気味な彼氏を視界に捉える。

「茉優が心配なのかもしれないけれど、沢君が一緒なのだから大丈夫よ。それとも、もしかして茉優に彼氏ができるかもしれないことが寂しいのかしら」

「そ、そんなことないよ!」

 真が大慌てで両手を振った。

「ただ……その……」

 純情乙女みたいに薄っすらとした桃色を肌に宿らせる。

 元々が女性じみた顔立ちをしているだけに、下手な女子よりも月明かりの下では魅力的に見えるのはある意味で問題だった。

「僕たちも、あの……二人きり……だよね」

 指をこねこねしながら、緊張を隠せない真が言った。

 どうやら愛花以上に、好きな相手と二人きりというシチュエーションを意識していたらしい。

「……変なことを考えていないわよね?」

「え!? そ、そんなことないよ!」

 先ほどよりも大きく手を振る真。一緒に首まで動いているのが、なんだか面白い。

「考えてくれていないの?」

「え!? そ、そんなことないよ!」

 まったく同じ反応が返ってくるも、先ほどと意味合いはまったく違う。

「結局、考えているってことじゃない。何かしたいことでもあるの?」

「そ、それを聞かれると、こ、困るんだけど……」

 真が俯いてしまう。どうやら、菜月の対応はあまりよろしくなかったようだ。

「ごめんなさい。本で読んではいても、恋愛事なんて初めてだから、どうすればいいのかよくわからないの。したいことがあるのなら、真のしたいようにしていいのよ?」

 ただし、と菜月は付け加える。

「高校生らしい範疇でね」

「そ、そうだよね。うん、あはは」

「その反応……まさか……」

「ち、違うよ! 僕はただ……その……な、菜月……ああっ、駄目だ!」

 いきなり頭を掻き毟る真に、さすがに菜月も心配になる。

「落ち着きさない。ほら、深呼吸して」

「すーはー」

「それで、何が駄目なの?」

「うん。僕にはやっぱり、菜月ちゃんって呼び方が合ってるみたい」

 照れ笑いする真が妙に可愛らしくて、ついつい菜月は自分から彼の手を握ってしまう。

 温もりに気付いた真の手にも力が入り、しばらく無言で見つめ合う。

「こうしてるだけでも幸せなんだけど、人間って不思議だよね。もっと幸せが欲しくなっちゃうんだ」

 雲一つない夜空に輝く星々を真が見上げる。

 つられて一緒に見た菜月は、柔らかに問う。

「真の欲しい幸せとは何かしら」

「うん……僕ね、その……菜月ちゃんと、あの……ええと……キ、キス……がしたい、んだ……」

「…………」

 なんとなく予想はついていたものの、きちんと言葉にされるとやはり恥ずかしい。

 同時に菜月は嬉しくもあった。好意が一方通行ではないと確認できたから。

 きっと真もそれを欲しているのだろう。だから応えてあげたいと思う。

 けれど――。

「ねえ、真……」

「は、はい!」

「……二人きりと言うけれど、それは私たちの主観の話であって、実際には夜店を楽しむ大勢のお客さんが周りにたくさんいるのだけれど……ここでするの?」

「あああ、ごめん! そうじゃなくて!」

 慌てふためく真に、菜月はクスリとする。

「あ……何か踏んだみたい。悪いけれど、見てくれる?」

「うん。任せ――」

 ――ちゅっ。

 真が身を屈めた瞬間を狙い、菜月は彼の頬に唇をそっと寄せた。

「隙あり、ね」

「え? あ? あ……」

「何を惚けているのよ。今はこれで我慢しなさい。次は真が、きちんとリードしてくれないと怒るわよ。私だって……女の子なんだから」

 ふいっと顔を逸らすと、真が真っ赤なままの顔をブンブンと上下に動かした。

 そして――。

「ところで、何も踏んでないみたいだよ?」

「……どうして真はあんなに美的センスがあるのに、ムード作りはこうも下手くそなのかしら」

 その言葉でようやく頬にキスをするための方便だった気づき、真は絶望のどん底に落ちたように、今度は顔を蒼褪めさせた。

「ご、ごめん! 本当にごめん!」

「別にいいわよ。そこも込みで、私は真を好きになったのだから。それより……こんなところでいつまでもぺこぺこしてないで、そろそろ夜店を楽しみましょう」

「うん! そうだ。一緒にたこ焼きを食べよう!」



 昔からの定番のコースを真と二人で回っていると、締めとなる射的で菜月は茉優たちと鉢合わせた。

「考えてみれば、三人でよく回っていたものね」

 考慮すべきだったと悔やんでも後の祭り。

 ブンブンと手を振って嬉しそうにする茉優を無視するわけにもいかず、菜月は真と一緒に二人と言葉を交わす。

「なっちーは、まっきーと一緒だったんだねぇ」

「ええ。愛花ちゃんは宏和と、涼子ちゃんは明美ちゃんと組んでるわ」

 答えてから、親友と恭介を交互に見る。

「茉優は沢君と二人だったけれど、楽しかった?」

「うん! きょんしーって金魚すくいがとっても上手いんだよ」

 そう言って茉優は取ってもらったという金魚を見せてくれた。

 透明な三角の袋の中で、狭いながらも優雅に三匹が泳いでいた。

「今度は長生きしてくれるといいなぁ」

「茉優は夜店のたびに金魚を取っているものね」

「一生懸命、お世話してるんだけど、なかなか上手くいかないんだぁ」

 茉優が寂しそうな顔をすると、すかさず恭介が声をかける。

「どういう風に育ててるの?」

「バケツー」

「あ、あはは……それもいいけど、どうせなら水槽を使ってみたら? 確かうちに昔使ってた小さいのがあるから、あとで持ってきてあげるよ」

「いいの!? きょんしー、ありがと!」

「そのあだ名は変えるつもりがないの?」

「ふえ? 違う方がいいかなぁ?」

 茉優が小首を傾げると、恭介が微笑ましげにする。

 菜月の見た限りではかなり脈ありというか、ほぼ確実に恭介は茉優に好意を抱いているように思えた。

「俺は何でもいいよ。茉優ちゃんが呼びたいように呼んで」

「うーん……そうだ! それなら今度から、きょうちゃんって呼ぶね!」

「いいじゃない。まるで恋人みたいで」

 菜月があえてそう言うも、茉優はきょとんとするばかりだった。

「なっちーとまっきーみたいな? うーん、よくわかんないや」

 屈託なく笑った茉優は、それだけ言うと持ったままだった射的用の銃で再び景品を狙い始めた。



 お風呂にも入って、あとは寝るだけとなったところで、勉強机に置いていた菜月のスマホがバイブで受信を知らせてきた。

 ドライヤーで髪を乾かしながら、ベッドに腰掛けてスマホを確認する。

「……茉優?」

 いつもの世間話かと思ったが、LINEで書かれた一文を見て菜月は吹き出しそうになった。きっとグループで他に見ている人間がいれば同様の反応を示したに違いない。

 ――きょうちゃんとお付き合いすることになりました。

 見慣れた笑顔の猫スタンプが最後につけられた報告に、菜月はしばし見入っていた。

 可能性はあると思っていたが、まさか今夜中にカップルが成立するとはさすがに予想外だった。

 慌てて菜月は親友に電話をかける。

「茉優? どういうこと?」

「えーとね、帰り道に付き合ってくださいって言われたから、いいよーって」

「いいよって……そんな簡単に……」

「あはは。茉優ってば、どこかに遊びに行くことだと思ってたんだよねー」

 ありえそうだと菜月は苦笑するも、電話向こうの親友の声はいつになく弾んでいた。

「茉優の反応でおかしいって思ったきょうちゃんが一杯説明してくれて、それで恋人になりたいんだってわかったの」

「そうと知っても、はいと返事をしたのね?」

「うんー。きょうちゃんと一緒にいると楽しいから、茉優でいいなら彼女になるよって」

 その場面を想像して菜月は微笑ましくなったが、一名だけ違う感情を抱いた人物がいた。

「ま、茉優!? ちょっと今、気になる単語が聞こえたんだが!?」

「ふえ? ごめんね、なっちー。なんかお父さんがお話したいって言ってるから、電話切るねー」

「え、ええ……その……頑張って……」

 菜月はそれしか言えなかった。

 茉優は意味がわかっていなかったみたいだが、きっと佐奈原家はこれからちょっとした修羅場を迎えることだろう。



「ふええ……高校生になっても、夏休みの宿題はあるんだねぇ」

「泣きそうになってないで頑張りなさい。夏休みも、もうすぐ終わりなのだから」

 冷房の効いた図書館。正面に座る茉優へ注意するも、ひんやりした長机への頬擦りはなかなか止まらない。

 見かねた恭介が、横から猫のような茉優の頭を撫でる。

「宿題が終わったら、皆で菜月ちゃんのお姉さんのところへ行こうか?」

「うんっ! 茉優、はづ姉ちゃんのパン大好きっ!」

 元々、帰省時にはよく遊んでもらっていて、地元で就職してからはソフトボール部のコーチなどもしてくれたため、茉優はすっかり葉月に懐いていた。

「ならもう少しだけ頑張ろう。俺も手伝ってあげるから」

 茉優が苦手にしている問題を、恭介がわかりやすく教えていく。

「恋人というより、なんだか親子みたいだね」

 真が優しい目で茉優たちを見つめる。

「茉優には包容力のある男性が合っているのかもしれないわね。同い年の沢君に、そういう評価をするのもどうかと思うけれど」

「あはは……僕も恭介君くらい余裕があればいいんだけどね」

「真は真よ。他の誰になる必要もないわ。逆に私が困るしね」

 喋っている間にも、それぞれの宿題は終わっていく。

「愛花ちゃんたちも来ればよかったのにねぇ」

 順調さから嬉しそうにする茉優が、そんなことを言った。

「仕方ないわよ。あまりに宿題をやらない宏和を見て、愛花ちゃんがさすがですとか言いながら真似しようとしたからね。涼子ちゃんと明美ちゃんは、揃ってあのバカップルを監視中だもの」

「宏和先輩と愛花ちゃんって、付き合うことになったの?」

 すっかり菜月たちのグループに溶け込み、ちゃん付けでもそれぞれを名前で呼ぶようになった恭介が、どこか期待するように聞いてきた。

「まだだけれど、時間の問題でしょうね。宏和も満更ではないみたいだし」

「上手くいくといいねぇ」

「フフ」

 菜月は思わず笑みを零した。

 不思議そうに見てくる茉優にごめんと謝ってから、

「私もだけれど、茉優が他人の恋路を応援する日が来るなんて思ってもいなかったから」

「そうだねぇ。なんだか大人になった気分ー」

「パパにも交際のお許しを貰えたしね」

「なんか色々言ってたけど、きょうちゃんをお家に連れてって、話をしたら凄く応援してくれるようになったんだよ」

 元々、茉優の父親も性格はそれほど悪くない。好青年の恭介の人となりを確認して、安心できたのだろう。

「さて、それじゃあ、皆ではづ姉のパン屋に行きましょうか」

「えへへ。茉優、お腹、空いちゃったぁ」

「午前中からずっと勉強していたものね。でも、これで残りはゆっくりできるわ」

 後片付けをしながら、図書館の窓から空を見上げる。

 大きな入道雲が主役の座を明け渡すまいと空に陣取っていたが、その後ろからゆっくりと秋雲が近づきつつあった。

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