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第八十九の話 アルスの悲劇

最後、アルスにとんでもないことが・・・!

〜アルス視点〜



「・・・うゅ・・・。」


・・・あぁ・・・寝てたんだ、ボク。


とりあえず起き上がる・・・あ、そっか。寝ながらリュウジさんから借りた本読んでたんだっけ。それで眠気が・・・納得。


・・・?あれ?手に違和感が・・・。


「くー・・・んみゅ・・・。」

「・・・。」



見てみれば、魔王がボクの右手を咥えながら眠っていた・・・痛くないけど、涎が・・・。



「・・・ちょっと魔王、どいてよ。」

「ん〜ん〜・・・!」



!い、痛い痛い痛い!歯に力込めないでええええええ!!!



「む〜・・・!」

「いつつ・・・もぉ。」


どうにか解放、というより振り払った。歯型と涎が・・・。


とりあえずティッシュ・・・リビングだったっけ。


立ち上がって和室を出て、ティッシュの箱を見つけて手を拭いてると・・


「?何これ?」


テーブルの上に一枚のメモが視界に入ってきた。



『アルスとクルルへ。

ちょとフィフィ連れて買い物行ってくる、大人しく留守番。まぁそんな時間かからん。

サラバ。

by龍二』



・・・ず、随分と簡潔な内容だなぁ・・・この文、何かが足りない気がするし。


あ、そういえば・・・エルの姿が見えないけど・・・




『詳しくは、3月22日の14時55分の感想を見てくださいね♪』



・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・今どこからかライターさんの声が・・・気のせいかな?



ん〜、どうしよ・・・一人は暇だし、魔王は寝てるし・・・さっきの本でも読んでおこうかな?



【ピン、ポーン♪】

「?」


あれ?誰か来た?


「?・・・・・・リリアン?」


インターホンの画面から見てみれば、リリアンの顔が。


【ガチャ】

「はい。」

『・・・アルス・・・こんにちは。』

「どしたの?」

『・・・暇だから・・・遊びに・・・。』


あぁ、暇人同士・・・。


「・・・うん、いいよ。上がって。」

『【コクリ】』


リュウジさんいないけど、別にいいよね。リリアンなんだし。


【ガチャ】


「・・・どうも・・・。」

「いらっしゃいリリアン。」


リビングに入ってきたリリアンを迎えいれた。


あ、そういえば・・・。


「リリアンが一人でこの家来るのって初めてだよね?」

「【コクリ】」


初めて来た時はクミさん達が付いて来たし、ボクが行方不明になった後にここで泊まった時もクミさんがいたし。


「・・・一人で来るのは・・・新鮮だった。」

「ふ〜ん・・・クミさん達は?」

「久美ママと出かけた・・・よって一人。」

「あぁ、そうなんだ。」

「【コクリ】」


・・・リリアンの喋り方に慣れてない人はイライラするかもしれないけど、慣れたら親しみやすくていいんだけどな。


でも何でゆっくりなんだろ・・・理由でもあるのかな?


「・・・リリアンっていっつも喋り方ゆっくりだよね。」

「・・・そう?」


え、自覚無いの?


「・・・これでも・・・普通のつもり・・・。」

「そ、そうなんだ・・・。」

「【コクリ】」


普通って・・・じゃ特に理由もなく地なんだ。


「・・・ところで・・・龍二いないの?」

「あ、うん。買い物だって。」

「・・・そう。」


?どことなく残念そうな顔になったけど・・・?


「・・・残念・・・。」


ホントに残念がってた。


「・・・ま、まぁリュウジさんならそのうち帰ってくるよ。」

「・・・そう・・・。」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



「・・・ね、ねぇリリアン?」

「?」


・・・前々から思ってたんだけど・・・。


「・・・もしかして・・・リリアンってリュウジさんのこと」

「アルス。」




!!??




「そこから先は言っちゃダメ。」

「・・・ごめんなさい。」




に、睨まれた・・・半開きの目の状態から急に目つきが鋭くなった・・・。




「・・・わかったら・・・それでいい。」


・・・さっきハッキリ言えたのにまたいつもの口調に戻っちゃった・・・。


「・・・やっぱり・・・怒るのは苦手・・・//////////」


顔赤くして逸らしながら苦手と言いつつ恐かったですけど。


「・・・じゃあ・・・。」

「?」


何?


「・・・





そういうアルスは・・・龍二のことが好「わー!わー!!わーーーーーーーーー!!!」。」


な、ななななな何言ってんのおおおおおお!!!???


「・・・も少し静かに・・・。」

「すいません・・・じゃない!何言ってんですか!」

「?・・・リュウジのこと「にゃああああああああああああ!!!!」


危ない危ない危ないぃぃぃぃ!!!


「・・・何言ってんのって聞いたからもう一回言ってあげたのに・・・。」

「もう言わないで・・・お願いだから・・・。」

「?・・・了解・・・。」


リリアンの天然は相変わらずだなぁ・・・。



「・・・むゃ〜・・・んむ。」

「あ、魔王。」


今起きたんだ。


「・・・クルル、おはよう。」

「あ・・・リリアン?どしたの?」


若干寝ぼけ眼のままリリアンの傍に膝を着く魔王。


「今日は・・・遊びに。」

「へぇそうなんだぁ。じゃ遊ぼ!」

「【コクリ】」


起きてさっそくって・・・力有り余ってるね、魔王。


「何して遊ぶ〜?」

「・・・・・・・・・・・・・・さぁ?」

「う〜ん・・・あ!じゃシリトリっていうのしようよシリトリ!」


あ、そういえばこないだ寝る前に魔王とフィフィとボクとでやったなぁ。


「シリトリ・・・初耳・・・。」

「えとねぇ、その言葉の最後についてる文字を繋げていくゲームなんだって!えっと例えば、“リンゴ”なら“ゴリラ”っていう風に。あ、でも最後に“ん”が付いたら負けだって。」

「・・・納得。」

「じゃ、やろう!アルスも!」

「・・・うん、わかった。」


あれ結構白熱したしね。


「そんじゃ行くよー!まずはシリトリの“り”!」


魔王からですか・・・順番決めてないのに。


えっとじゃ次はリリアンかな?


「・・・











“リリアン”。」

【ズゴン!!!】



ボクと魔王、同時に床に額を打ち付けた。



いきなり負けって・・・しかも自分の名前・・・。


「・・・り、リリアンの負け・・・。」

「・・・テヘ。」

「いえ、誤魔化そうとしないでください。」


強く打ちすぎた・・・オデコ痛いです・・・。


「・・・シリトリ・・・思ったよりおもしろい・・・。」

「どこが!?」


白熱の“は”の字も無かったよ!?


「えっとぉ・・・じゃ次どうしよっか?」

「・・・う〜ん・・・。」


あ、シリトリ終わったんだ


そういえば・・・TVゲームっていうのはおもしろかったけど・・・リュウジさんがいないとセッティングのしかたわかんないしなぁ・・・。


「・・・。」

「・・・。」

「・・・。」

「・・・あ。」

「?・・・思いついた?クルル。」

「・・・すっごくおもしろいこと思い付いた♪」

「・・・何?」

「リリアン、耳貸して。」



「ごにょごにょごにょ・・・。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・


なるほど、確かにおもしろそう・・・。」

「でしょ?」

「え、何何?何ですか?」


何でボクだけ聞かされないんだろ?


「・・・。」

「・・・。」

「・・・?」


え?何?何でこっち見るの?


「・・・それでは〜。」

「・・・アルス・・・。」

「大人しく・・・。」


へ?へ?へ?








「遊ばれろーーーーーーーーー!!」

「覚悟・・・。」


へええええええええええええええええええ!!!!????











〜しばらくして・・・〜



【ガチャン】


「ただいま〜。」

「ただいま〜。」

「あ!リュウくんおかえりー!」

「・・・おかえりなさい。」

「おりょ?リリアンいたのか。何か用?」

「・・・遊びに来ただけ・・・。」

「ほぉ、そうかそうか・・・?クルル?何してんだ?」

「えへへ〜♪」



「り・・・リュウジさ〜ん・・・(泣)。」



「・・・・・・・・・・・・・・





プクク。」



!?わ、笑われたああああああああ!!!!



「きゃっはははははは!ア、アルス何その顔〜!?」

「フィフィそれ言わないでえええええ!!」

「はっはっはっはっは、傑作だなオイその顔♪」

「あははははは!!」

「・・・クスリ。」

「うああああああああああああああああああああん!!!!」











その日一日、ボクの顔から猫髭とか目の周囲の輪とかホッペのグルグルとかが取れることはなかった・・・だってこれ油性だもん・・・クスン。


・・・あれって落ちないですよね・・・俺もされましたよ、昔。



外出て笑われるまで気付きませんでした・・・クスン。

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