第八十四の話 彼、敵に回すべからず
久々にあの人登場♪
〜龍二視点〜
「校長が怒ってただ?」
「うん。」
お昼、屋上でいつものメンバーで弁当つっついていたら、香苗がそんな話題を出した。んむ、チャーシューうまい。
「別に怒られるようなことはしとらんけどな?」
「私はあると思うな〜・・・。」
「はにゃ?」
何故に?
「龍二・・・アンタわかんないの?」
「?」
「腰よ、こ・し。」
「腰?」
くねってみた。クネクネ、クネクネ、クネクネ・・・
・・・・・・・・・・・
「・・・別に何ともないが?」
「誰が腰振れって言ったのよ。腰に付けてるのがあるでしょ。」
?・・・・・・・・
エル?
「エルがどうしたよ?」
『私は何かした覚えはないぞ。』
「・・・エル、アンタ自分の体自覚してる?」
『当然だ。切れ味なら例えどのような剣でも負けん。』
「うん、性能のこと聞いてるんじゃないよ?第一それこないだ実証したから知ってるよ?」
「おそらく校長先生が言いたいのは・・・明らかこれだろうな。」
久美が一泊置いた。
「学校に剣を持ってくるなということだろう。」
?そうなのか?
「まぁねぇ。銃刀法違反してるし、わかるっちゃわかるんだけど・・・。」
『そのようなこと、知ったことか。』
「いや・・・アンタがよくても学校側がダメなんだって。」
「う〜ん、演劇部の道具って言えば通用しそうだけど・・・真剣だとな〜。」
「いずれバレるということだな。」
「・・・。」
ふ〜む・・・やはり法律には逆らえないってことか。
「ならどうするんですかリュウジさん?」
「エルお留守番させとくの?」
『一人はさみし・・・いや、一人では退屈だぞ?』
今一瞬本音出たぞ。
「それに相手は校長先生だからなぁ・・・どうするよ?」
「黙っとけ影薄。」
「ひどいひどいひどいーーーーーーーー!!!」
うるさいバカはほっておこう。
・・・・・・・・・・。
ならあの手しかないかな?
「・・・ん、じゃちょっくら行ってくるわ。」
「へ?どこへ?」
「色々♪」
俺に向かって法律には逆らうな?
無理無理♪
〜校長視点〜
・・・何ですかこれは?私には名前さえ出ないということなのでしょうか?ホント久しぶりの登場だというのに・・・
ふぅ・・・まぁいいわ。にしても、荒木くん・・・また問題持ち込んできて・・・
しかも銃刀法違反って・・・理事長に知れたら大変じゃないの・・・理事長の耳に入る前に何とかしないと・・・
そう思案にふけながら校長室へ入るためにドアを
【ガチャ】
「お?おかえりー。」
【バタン】
閉じた。
「・・・。」
今誰かいましたよね?明らか。今だけ名前言いたくない人いましたよね?いや、いない。いないいないいないいないいないいないいないいないいない・・・・・・・・。
【ガチャ】
「お?おかえりー。」
・・・いた。
「・・・何をしてるんですか荒木くん・・・。」
「見てわからんか?座っている。」
「机の上には座らないで欲しいんですが?」
てゆーか普通に胡坐かいて座ってるし。
「・・・で?何の用ですか?」
「これ。」
【チャ】
差し出されたのは・・・
あぁ、今問題になってる剣のことですね。
「それがどうかしましたか?もしや、この学校に来てる間だけ預かって欲しいとか?それなら最初から持ってくるのはやめ「持ち込み許可。」・・・は?」
・・・今、何て?
「これ、持ち込むの許可して欲しいんだけど。」
「・・・な、何を・・・。」
「いやこれただの剣じゃないからさぁ。いいじゃん?減るもんじゃなし。」
・・・・・・・・・・・・・
・・・頭にきた・・・。
「あなたいい加減にしなさい!ただでさえ今までの暴挙もあるのに、法律違反など言語道断ですよ!」
「え〜、ダメか?」
「ダメですダメ!!大体、武器など何に使うというのですか!?」
この人、ホント犯罪者の道歩みそうで恐い!
「ちぇ〜。」
・・・ふぅ、今回は分かってくれたみたいで
「サ○リオピュー○ランド。」
!!!!!!!???????
「そういやこないだイベントあったよな?」
「・・・何で私にそれを言うんですか?」
「いや、だってねぇ・・・
舞台最前列でキ○ィーちゃん思いっきり呼んでたからなぁアンタ。」
!!!!!!!!!!???????????
「いやね、別にさ、個人の好みって人それぞれだからどうでもいいんだぜ?うん、大して興味もないし。
でもさぁ校長・・・クールでキャリアウーマンっつーか冷静な女性として通しているアンタが、実は超キ○ィーちゃんファンってことが世間に知られたら皆どんな反応するでしょうかねぇ?」
うぐぅ・・・!!
・・・はっ!
「し・・・証拠は・・・?」
「?」
「証拠です!私がサ○リオピュー○ランドへ赴いた証拠はありますか!?」
そう、何より大切なのは証拠!この人はいつも私のことを昼食の話題にすると脅しをかけていますが、一度たりとも証拠のような物を突きつけられた覚えはない!例え秘密を言いふらされたとしても、私がシラを切れば乗り入れるはず
【カチッ】←スイッチ入れた音
『きゃああああああああああああああああ!!キ○ィちゃああああああああああん!!こっち向いてええええええええええええええええええ!!!アイラブユーーーーーーーー!!!!!』
【カチ】←切った音
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぇ。
「先週の日曜日午後二時四分、このボイスレコーダーの音声を情報部に分析してもらえば誰の声かわかるんだけど・・・な?」
な、な、な、な、な、な、なななななななななな?
「ついでに・・・。」
【カチ】
『いや〜んもうダ○エルくんか〜わ〜い〜い〜♪超ラブリ〜って感じ〜?』
「いやあああああああああああああああ!!!!」
【バキィ!!】
や、やったわ・・・証拠であるボイスレコーダーを破壊・・・
「あ、ついでに言うとまだたくさんあるぜ?」
【ヒョイ】
・・・・・・・・
目の前に突き出されたのは・・・数十個もあるボイスレコーダー・・・。
「ついでに写真も。」
【ピラ】
「・・・・・・・・・・・。」
ショックが大きすぎて体が動かなかった。
「・・・いやぁにしても・・・今年で二十五歳の女性があそこまで歓喜の叫びを上げるとは思わな」
「いやああああああああああああああああああ!!!!!」
・・・も、もう・・・・・・・無理・・・・・・・・・。
「わ・・・わかりました・・・なら、一週間に三回まで持ち込みを許可し」
【カチッ】
『んも〜キ○ィちゃんかわい!一生ランドから離れたくなああああい!!!!』
「にゃあああああああああああああ!!!!???」
「じゃ、これ放送室に持ってって」
「いつでもその剣持ってきなさい!!もういくら法律無視しても構いませんから!!!(泣)」
ま・・・負けた・・・完敗です・・・。
「サンキュー。恩に切るぜ。」
「・・・はい・・・(泣)。」
あぁ・・・理事長に何て説明を・・・
!!
そうか・・・その手が・・・!
「あ、そうそう。
さっき理事長に“頼んで”すでに剣の持ち込み許可してくれたから。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
“頼んだ”=“脅し済み”・・・。
「じゃあな〜。」
【バタン】
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
神様神様・・・どうか荒木くんが地獄に落ちますように・・・落ちますように・・・(泣)。
〜龍二視点〜
『・・・貴様、ホント容赦ないな。』
「まぁな。」
まぁあの校長のことだし、あらかじめ真っ先に電話で理事長に脅し・・・頼んでおいてよかったぜ。
校長、ホントサ○リオ好きだよな〜・・・まぁ喋ってあの人の反応見るのも楽しそうだけど、これはこれで使えるし、黙っておいてやるか・・・
まだ、ね・・・【ニヤリ】
『まぁ・・・くれぐれも敵を作りすぎないように。』
「へいへい。」
もう遅いだろうがな。
「さ、そろそろチャイム鳴るからいくぞ。」
『ああ。』
〜余談〜
その日から、校長から教職員全員に『荒木龍二の剣について触れるべからず』という連絡が行き渡り、誰もエルのことについて問題視しなくなったそうな。
ただ一つ、学校中で改めて認識したこと。
それは、
『荒木龍二を絶対に敵に回すな』
とのこと。
え〜書いてて思いました。
鬼だな〜龍二・・・。
そうそう、人気投票、まだまだ受け付けてま〜す。ふるってご参加ください♪詳しくは第七十の話にて♪