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第八十二の話 Let`s Rock!<後編>

〜ライター視点〜



またまた登場、ライターです。前回、敗退したのは・・・


スティル、

ロウ兄弟、


の三人。残存しているのは・・・


アルス、

クルル、

フィフィ、

リリアン、


で、龍二。





「!フィフィ!」

「わかってる!」


頭上へ上昇し、体から赤い光を発するフィフィ。


フィフィは、それぞれの魔法の属性に対してふさわしい色を魔法を唱える時に発する。因みに赤は・・・



『炎よ、渦巻け!』



火である。



【ボオオオオオオオン!!!】



いつか見たような、巨大な渦巻き状の炎が龍二を包み込む。


龍閃斬りゅうせんざん


【ズバン!!】


しかしそれを呆気なく一刀のもとに両断する龍二。炎は二つに分かれてやがて消滅した。


「やるね・・・でもまだまだ!」


今度は青色に輝き・・・


『水よ、刃となりてかの者を刻め!!』


【バシュシュシュシュシュシュ!!】


フィフィの周囲から龍二ほどの大きさのある水の刃が襲いかかった。


【ガガガガガガガガガガガガガ!!!】


しかし、それらは全て龍二に当って砕け散った。


そりゃ龍鉄風かかってるもんなぁ・・・。


「かかった!」


ところが、してやったり、といった表情で黄色く輝くフィフィ。


『雷よ、落ちろ!!』


【ゴロゴロゴロゴロ・・・】


急に空模様が怪しくなったと思うと・・・




【ズドオオオオオオオオオオオオオン!!!】




龍二目掛けて、特大の雷が落ちた。でかすぎて振動ちょっと来たし。


「今よ!」

「はい!」

「いっくよー!!」

「了解・・・。」


フィフィの掛け声で、アルス、クルル、リリアンは、それぞれの得物を手に湧き上がる煙の中に突撃していった。


「「てやああああああ!!」」

「はっ!」


そして聖剣が、黒剣が、斧が閃



【ガイィン!!!】




・・・なかった。


「「「・・・。」」」


煙が晴れると、三人の刃をエルを逆さにして受け止める龍二がいた。


「ドンマイ♪」


楽しそうに言うな龍二。


「・・・あ、そういえば雷食らっても平気なんだっけ・・・リュウジって。」


あっちゃ〜と呟くフィフィ。第三十一の話で実証済みだろ。


「さて。」

「!まず」


アルス達が慌てて離れようとした。


が、遅い。


「むん。」


【ズガン!!】

「くっ!」


正面にいたリリアンの腹を直蹴りで吹き飛ばし、


【バキィ!】

「うみゅ!?」


右にいたクルルを掌底をかまして吹き飛ばし、


【ギィン!!】

「わぁ!?」


剣を薙ぎ払ってアルスを吹き飛ばした。


こう解説しているが、本当はこの動作に2秒もかかっていない。


「・・・。」

【シュウウウウウウウ・・・】


エルの切っ先を下に向け、左手をエルの銀色のパーツに添える。光が、エルへと収束していく。


「飛べ、雷の矢。『ライトニングアロー』」


【バヂィ!】


龍二の掌から雷の矢が飛び出した。


「!フィフィ、避け」

【ズバアアアン!!】

「きゃあああああああああ!!!」


アルスがフィフィに注意を促すも空しく、矢はフィフィに直撃した。



【ドオオオオオオオオオン!!】

『・・・フィフィ、脱落。』

「・・・く!」


残ったのは、アルス、クルル、リリアンの三人となった。しかも三人とも傷だらけ。


「じゃ、ラストスパートといくか。」


対して、龍二は一切傷を負っていない。


「・・・そんじゃいくぜー。」


【ビュン!】


一瞬にして間合いを詰める龍二。


「甘い。」

【ギィン!】


咄嗟に反応したリリアンが龍二の斬撃を受け止めた。


「・・・く。」


しかし、あまりの衝撃で斧を取り落としそうになる。


「いっくよー!『ダークネスブレイド』!!」


クルルがアルスとは対照的に漆黒の闇に覆われた刃を手に、リリアンと鍔迫り合い状態となっている龍二に突っ込む。


「よ。」

【ギィン!】


すかさず離れ、リリアンと距離を取ると同時にクルルの攻撃をかわす龍二。


「・・・覚悟。『アースブレイク』。」

【ドオオオオオオオオオン!!!】


しかしそれを逃さず、地面を渾身の力を込めた斧で叩き割って衝撃波を発生させるリリアン。


「む・・・ジャンプ。」

【バッ!】


とりあえずジャンプして攻撃を凌ぐ龍二。


「「甘い!!」」

「お?」


だが、目の前に二つの影・・・


アルスとクルル、それぞれ二人は、白い光と黒い闇を剣に纏わせつつ龍二に文字通り飛び掛る。


「いきます!『ホーリースラッシュ』!!」

「もっかい!『ダークネスブレイド』!!」


白と黒の剣が同時に龍二に襲い掛かる!


「ふむ・・・



龍双刃りゅうそうじん』。」



【ゴオオオオオオオオオオ!!!!】


「「!!??」」


だが、二人の剣が当る直前に、突如龍二から熱風が発せられた。


「うあぁ!!」

「きゃあ!!」


【ドザアアアア!!】


熱風により、地面に叩きつけられ、そのままスライディングしていく二人。だが、二人は受身を取ってそれ以上滑るのを阻止した。


【シュタ】


そして龍二も地面に降り立ち・・・





【ゴオオオオオバチバチバチ・・・】




炎と雷に包まれた刃を構えた。




「な・・・。」


あまりの出来事に、全員エルに釘付けとなった。


『ふ、驚いたか。私とリュウジならでは成せる芸当だ。』

「芸じゃないけどな。」


おそらく、龍二が得意とする氣を媒介に炎を放出させる力と、エルが持つ雷を操る力が合わさり、刃に炎と雷が宿ったということだろう。


「じゃいくぞー。」

『覚悟!』

「させない・・・『アトミック・スラッシュ』」


【グゥオオオオオオオオオオオ!!!】


リリアンが斧を大きく振りかぶり、風をも切り裂く凶悪な斬撃をお見舞いする。


「何の。」


【バシィ!!】


「!?」


剣で受け止めたのではなく・・・







小指一本で斧を弾いた。


「な・・・。」

かぁつ!!」


そのまま足を大きく踏み込み、リリアンの腹に氣を込めた掌底を放つ。


【ドオオオン!!】

「うぐぅ!」


吹き飛ばされて呻くリリアン。


龍二はその隙をつく。


【チャキ】

「怒れ、天空の雷。」


先ほど、フィフィに放った術と同じ構えを取り、呟く龍二。


【ズバババババババババババ!!】

「ああああああああ!!!」


すると龍二の周囲から電流が迸り、吹き飛ばされる前のリリアンが電撃によって拘束された。

「リリアン!」

「アルス、ダメ!」


駆け寄ろうとしたアルスだが、咄嗟に止めるクルル。おそらく、それが妥当だろう。



一度あの雷に捉えられたら、逃げることは不可能なのだから。



「はぁ!」


【バシュウ!】


そして雷の矢を掌から天に向けて撃ち出し、


【ドオオオオオオオオン!!】

「はぐぅ!!」


矢が破裂し、巨大な雷の雨となってリリアンの上から降り注ぐ。


【チャキリ】


龍王りゅうおう


エルを腰溜めに構え・・・





雷閃舞らいせんぶ!!!!』


【キキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキィィィィィィィィィィン!!!!】





神速の速さで縦横にエルを振るい、同時に雷を纏った無数の真空刃を飛ばした。


「ああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」


雷の雨で拘束されたリリアンは、為す術もなく全ての真空刃の直撃を受けた。



【ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!】



『・・・リリアン、脱落。』


ついにアルスとクルルだけとなった。


「リリアン・・・。」

「うぅ・・・。」


悔しそうに呻き、唇を噛む二人。


『最後は・・・貴様らだけだぞ、アルス、クルル。』

「ん、覚悟。」

【チャキ】


エルを構え、戦闘準備万端の龍二。


「・・・魔王。」

「何?」

【チャキチャキ】


気を取り直し、二人も剣を構える。


「もう・・・こうなったら全力で行くしかないよね。」

「・・・うん、私もそう思ってた。」


二人は一瞬目配せした後、小さく頷いた。


「・・・いきます。」

「いくよ、リュウくん。」


アルスは剣を目の前に掲げ、祈りを捧げるかのように目を閉じた。


対し、クルルは剣を地面に突き刺し、足を肩幅に広げて両手を前に突き出し、重ねた。


「?」


龍二は頭に“?”を浮かべ、首をかしげる。




『我が聖剣ライトブリンガーに宿りし神々の力よ。今その力を解き放ち、邪なる者を討つための聖なる加護の力を我に与え給え・・・。』



アルスが掲げた剣から、眩い光が漏れ、



『全ての闇よ、我に集え。漆黒の暗闇よ、光を打ち消せ。我の願いよ、悪しき者、しき者、全てを飲み込む闇となれ・・・。』



クルルの重ねた手から、漆黒の球が形成された。



「お、こいつはまさか。」

『む・・・この力は・・・。』






『リスティル・オム(光よ)!!!』

『ガレス・シェバンツァ(闇よ)!!!』



【ズゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!】




アルスの剣は巨大な光り輝く剣となり、クルルの掌の球は巨大な暗黒の渦となった。



アルスの剣は、まさに神々(こうごう)しさを纏った聖なる光。


対し、クルルの暗黒の渦は、光さえも飲み込む程深い闇だった。



「な〜る・・・最終奥義か。」

『やはり全力で来たか。』



二つの力によって起きた突風に怯みもせず、平然とその圧倒的な光景を見つめる龍二。



「・・・じゃこっちも“あれ”、すっかな。」

『・・・力を貸すぞ、龍二。』


【キィン】


龍二はエルを腰の鞘に収めた。


「・・・。」


【ザッ】


左足を一歩、後ろへ下げ、腰を深く落とし、左手は鞘に、右手はエルの柄へと添える。


「・・・全ての力を解放する。」



やがて、エルの銀色のパーツから光があふれ出し、炎と電流が鞘から漏れ出してきた。



「・・・さて、終わらせるか。」

『そうだな。』


あくまで余裕の表情は崩さない・・・


フッと、龍二は微笑した。



「いきますよリュウジさん!!!」

「いっくよー!!!」

「ショータイムってな。」

『勝負・・・。』











「でやああああああああああああ!!!!」

「はあああああああああああああ!!!!」

「十九の奥義・・・『龍閃斬りゅうせんざん刹那せつな』」


アルスが光を纏った剣を振り下ろし、


クルルが闇の渦から巨大な紫色の炎を発射し、


龍二が神速の速さで炎と雷を纏ったエルを抜刀し、










【ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!】









一際大きな爆発と閃光が俺達を襲った。



「うあああああ!!??」

「きゃあああああ!!!」

「くぅ!」

「「いやああああああ!!」」

「ひゃ!」

「あらあら〜。」

『ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!???』


咄嗟に俺を含めた外野は俺が張った特殊シールドで衝撃を防いだ・・・




けど、ものっそいスッゲェ衝撃でシールド震えてるし!!これちっとやそっとじゃ揺れないのに!!










【オオオオオオオオオォォォォォォォォ・・・・・・・・】



「・・・止まった・・・。」


やがて衝撃は収まり、視界がハッキリしてきた。


校舎は吹き飛び、辺りは一面焼け野原。おそらく結界を張ってなければ、町どころか日本は吹き飛んでいただろうなぁ・・・。




「・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・。」

『・・・・・・・・・・。』




そしてもはやグラウンドとは呼べないくらい荒廃してしまった場の中央に、三人はいた。



アルスは剣(すでに通常に戻っている)を振り下ろしたままの状態で硬直しており、


クルルは両の掌を前に突き出したまま硬直しており、


龍二はアルス達の背後で片膝を着いてエルを横へ薙ぎ払った状態から動かない。



三人とも若干俯いており、顔はよく見えなかった。



「・・・どっちが勝ったの?」

「わからない・・・。」


花鈴の言葉にそう返すしかわからない様子の雅。俺でさえもどうなったかわからない。



さぁ、どっちが勝ったんだ・・・?














【パタリ】



『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。』


俺達全員黙り込んだ。



確かに倒れた。倒れたには倒れたけど・・・















龍二、アルス、クルル、三人同時に倒れたのだ。






「・・・・・・・・・・・・


これ、どうなんの・・・?」

『・・・・・・・・・聞くな。』


花鈴に聞かれてもそう言うしかない俺。








で、結果発表・・・










引き分け。










〜で・・・〜



〜龍二視点〜



・・・む・・・?


「龍二、起きたか。」

「リュウちゃ〜ん。」

「ふぅ・・・。」


ありゃ?・・・目が覚めてみれば目の前に雅と香苗と久美と他一名の顔が


「他一名って何よ!?」

「読心術か。」

「・・・いや、何か思わずツッコミいれちゃったけど・・・え、マジでそう思ったの?」

「マジ。」

「ひど!?」


他一名ならぬ花鈴の顔があった。


「・・・どっこいせ。」


体を起こしてみれば、辺りはすっかり元通り。地面にあいていたはずの大穴も、崩れていた校舎も、つーか焼け野原だったグラウンドも元通りになっていた。因みに俺寝てたのグラウンド端のコンクリの上。


あぁなるへそ、結界解いたのか。納得。


「・・・龍二、おはよう・・・。」

「おう、おはよう。」

「・・・何かいやに挨拶が自然なんだけど。」

「はぁ・・・。」

「「し、痺れた・・・。」」


リリアン達が全員ペットボトルの水を飲みながら座っていた。結界内では死んだことにならんのだっけ?都合いいねぇ。


「う・・・。」

「ふみゅ〜・・・。」


隣から声が聞こえた。


「あ、おはよー。」

「・・・どうも。」

「リュウくんおはよ〜・・・。」


まぁ何とも気のない返事で起き上がった我が家の勇者と魔王。見てみれば全員傷が無くなっていた。


『ふぅ・・・なかなか白熱したな。』

「白熱しすぎです・・・。」


エルの呑気な言葉にアルス冷ややかツッコミ。


『いやはや、すんごい特訓だったなぁ。』

「「特訓じゃない!!!!!!!!」」


ライターの一言に全員のハモりツッコミが発動した。俺とエル等一部は除く。


「も〜ホントひどい目に合いましたよ・・・もう勘弁して欲しいです。」

「でも楽しかったけど?」


意外とノリ気だったしなお前ら。


「残念・・・せっかく龍二に勝ったらデートでき」

「そっから先言ったらダメリリアン!!」


?俺が何だ?


「負けた・・・負けた・・・。」

「「はぁ・・・。」」


何か意気消沈してねスティルとロウ兄弟。


「ま、まぁ何はともあれ龍二と引き分けだったんだし、すごいことだぞお前ら!」

「そうそう!」


で、必死になって三人を励ます雅と香苗。


まぁ善戦だったしな。俺も結構危なかった。


「・・・そう、ですか?」

「おう!」

「「・・・・・・ですよね!」」

「うん!」


スティルとロウ兄弟も元気を取り戻したし、めでたしめでたしっと♪








『あ、リュウジ。』

「?」


エル?








『またいつか特訓する場合は本気で行くのだぞ?今回のように手加減などするな。』

「え〜?」

『え〜ではない。』


メンドくせ。



「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・へ?」」



超長い沈黙の後、全員が頭に“?”を浮かべた。


まぁ、ねぇ?・・・『龍王雷閃舞』とか、あれ五億分の一の威力だったし・・・最後のなんてあれ四兆分の一の力で抑えないと結界崩壊してたかもしれんしなぁ・・・


だから今回の特訓は超手加減したんだが・・・あれ?何か皆白いぞ?




「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぁぅ・・・。」」




【パタリ】








俺とエルを除く全員が再び仰向けに倒れた。


「・・・何だ?」

『さぁ?』


俺とエルは頭に上に“?”を浮かべた。











「・・・俺、誰にも声かけてもらってない。」


あ、恭田いたんだっけ?

え〜戦闘描写終わりです・・・題名と中身があんま噛み合ってないなぁと思ったのは俺だけではないはず・・・


戦闘描写はむずいです。学びました。やっぱほのぼのですね。

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