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第八十一の話 Let`s Rock!<中編>

ホント難しいです、戦闘描写。

〜ライター視点〜



さて、始まりました特訓とは名ばかりの死合。戦うのは龍二とエルのペア。対してアルス、クルル、フィフィ、スティル、リリアン、ロウ兄弟の実力者勢ぞろいの面子。


あ、因みに約一名は速攻死にました。あっけなさ過ぎてもう説明したくない。


では、戦闘の様子をどうぞ。






「でやああああああああ!!!」

【ガキン!!】

「む。」


アルスの突進による力が加わった会心の一撃をエル片手で楽々と受け止める龍二。


「まだまだぁ!」


【ガキン!ギィン!ガキン!キン!キン!】


アルスによる怒涛の連撃。袈裟切り、切り上げ、突き、薙ぎ払い、それらを無数に龍二に叩き込む。


しかし、龍二はそれらを全てさばいてゆく。受け止めているのではなく、全て受け流していく。それも華麗に。


【ギィイイン!!】


そして最後の一撃で鍔迫り合いへと持ち込む。


「やるじゃん。」

「ボクだって・・・勇者ですから。」


まだまだ余裕そうな二人。


「・・・でもリュウジさん、忘れてませんか?」

「?」


アルスは少し口の端を吊り上げるかのように微笑し、



「相手はボク一人じゃないです、よ!」

【バッ!】



一足飛びで鍔迫り合いから抜け出した。


『木よ、襲え!!』

「お?」


すると龍二の前後から三つの先端の鋭い木の枝が飛んできた。唱えたのはスティルだ。


「・・・はっ!」


【ドォン!】


龍二の気合と共に周囲から巻き起こる炎。その炎に包まれて、木の針は全て消し炭と化した。


「・・・『龍明壁りゅうめいへき』。」


氣を周囲に張り巡らせて一気に発火させることで炎の壁を作り出す技。


「ふぅ。」


少し一息いれる龍二。


「休ませないよリュウくん!」

【ゴゥ!】


しかし、今度はドッヂボール並の大きさの暗黒球が龍二目掛けて飛んできたためすぐに構えることとなった。


「ほいっと。」

【ザン!】


それをスッパリと薙ぎ払う龍二。暗黒球は二つに分かれた後フッと消滅した。


「まだまだいくよー!『ダークネスショットー!』」


クルルが剣を振り回すと同時に先ほどの暗黒球が連続して龍二に襲い掛かる。


「・・・ふむ。」


【チャキ】


少し考え込んだ後、エルの切っ先を後方へと下げる。日本剣術でいうところの脇構えである。


「おりゃあああああ!!!」

【ザザザザザザザザザザザザザン!!!】


そこから気合と共に乱れ切りを放つ龍二。暗黒球は全て消滅させられた。


「ふぅ。」

「・・・まだよ。」


また一息ついた途端に背後から声がし、咄嗟に前方へと転がり込む龍二。


【ドオオオオン!!】


すると龍二が居た場所に半径三メートルの大きな穴が開いた。


「やるじゃんリリアン。」

「・・・戦士だから。」


戦士だからってそんな破壊力抜群の攻撃できるとは思えないけど・・・。


『時よ、かの者を止めろ!』

【キィーーーーーン】

「お?」


遠くからフィフィの声がし、同時に耳が痛くなる音がした。


すると、龍二の動きが止まる。


時間停止魔法・・・フィフィしか唱えられない上級魔法だった。


『氷よ、押しつぶせ!』

『風よ、切り刻め!』


今度はカルマとケルマの声がした。カルマからは巨大な氷の塊が、ケルマからは体から風でできた真空刃が発せられる。


それらは全て、迷うことなく龍二へと飛んでいった。


【ドドオオオオオン!!】

「あう。」


何とも気のない声だが、二つの魔法が命中すると共に爆発が起き、龍二は吹き飛んだ。


「アルス。」

「わかってる!」

【シュッ!】


リリアンが斧を突き出し、アルスが駆け寄ってジャンプする。

そしてリリアンの斧の腹の部分を踏み、リリアンが斧を大きく振り上げると同時に飛び上がる。アルスの脚力とリリアンの腕力により、高く吹き飛んだ龍二と同じ高度となった。


「はあああああ!」


気合を入れた声を発すると、聖剣が白い光に覆われていく。


そして大きく剣を横へと振りかぶり・・・




『ホーリーソード!!』

【ドオオオオオオオン!!!】




技名を叫ぶと同時に薙ぎ払うと、白く発光して爆発した。


「ぐお。」

「まだです!!」


【ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!】


すかさず剣を振りかざし、龍二を先ほどの爆発と連続で起こしながら切り刻んでいくアルス。高度を下げることなく出せるこの技は、アルスの浮の魔法を使って浮力を起こしているからこそできる。


「はあああああああああああああ!」


最後に大きく振りかぶり


「でやああああああ!!」

【ドオオオン!!】


渾身の力で爆発を起こし、龍二を地上に叩きつけた。


【ドン!】

「がは。」


背中を強く打ちつけ、一回バウンドする龍二。


『聖なる力よ、かの者を束縛せよ!』


そこを逃さず、スティルが魔法を唱える。


【ジャキン!】

「おぅ。」


スティルの手から白く発光する鎖が飛び出し、龍二の四肢を拘束した。


「アルス、今です!」


今の龍二は、スティルによって四肢を拘束されており仰向けの状態。


その真上に、アルスが浮の魔法で浮かんでいた。


「・・・聖なる力よ、我が剣に宿れ・・・。」


逆さにした剣を祈るように眼前に掲げるアルス。


【キィィィ!】


そして、先ほどと同じように剣が白く輝いた。


「・・・『ホーリーランス』!!!」

【ゴゥ!】


浮の魔法を解き、勢いよく落下していくアルス。白く輝く剣が、まっすぐ龍二の心臓へと向かってゆく。





【ドオオオオオオオオオオオオオオン!!!!】





アルスの剣が龍二に突き刺さると同時に大爆発が起こり、辺りを白い閃光と砂塵で覆った。


一同は腕で光から目を遮り、爆風を堪える。




「目が、目がああああああ!!!」

「雅、落ち着きなさい。」

【ゴン!】

「うぐ・・・。」




目を覆うのが遅れた雅は見事に天空の城の敵役の最後のシーンの如くわめき、挙句姉である涼子に拳骨くらって伸びた。ドンマイ雅。


「・・・。」


そして煙が晴れると・・・



大きなクレーターがグラウンドの中央にできていた。



「す、すごい・・・。」

「ほえ〜・・・。」


久美と香苗はその光景に唖然とした。そんな中、膝を着いていたアルスはクレーターの中心からゆっくりと立ち上がり、剣を抜いた。龍二は見事に地面に沈んでいる。


結果は明らかにアルス達に軍配が上がっている。


「・・・・・・・・・・・。」




だが、アルスは釈然としない表情だった。




「アルス?」


フィフィがアルスの傍まで飛んできて顔を窺う。


「・・・・・・・・・・おかしい。」

「へ?」


ボソリとアルスが呟いた。


「リュウジさんにしては・・・あっけなさすぎじゃないですか?」

「そ、そう・・・かな?」

「考えすぎでは・・・?」

「・・・。」


リリアンとフィフィに言われても納得のいかない様子のアルス。


いや、これもう龍二負けでいんじゃね?













【ボコッ!】

「ふ〜、泥まみれだぜまったく。」

『!!???』



突如クレーターの中心から声がし、全員そちらに振り向いた。



そこには、無傷の龍二が地面から起き上がっていた。うっそん。



「・・・え・・・リュウくん?」

「な、何故・・・さっき確かに・・・。」


クルルとカルマが呆然と呟く。それに対し、龍二は立ち上がって体中の泥を落とした。


「いや何、軽く新技つーか改良技をな。」

「?」




「『龍鉄風・改』。核ミサイル降ってきてもヘッチャラピー。」


また規模でかいなおい。


「く・・・やっぱりこう来ましたか・・・。」

「ただではやられんよ。」

『そうやすやすと倒れはせん。』


龍二の手に握られているエルも余裕綽々といった感じで言った。


ゆったりとした動作でクレーターから上がってきた龍二は、エルの切っ先をアルス達に向けた。


「さ、第二ラウンド的なもん始めますか。」

『!!』


【チャキ】


全員再び武器を構えた。


「さて、まずは・・・。」


【チャキ】


右手の剣を水平にし、切っ先はアルス達に向けるかのように構える。


「・・・スティルとロウ兄弟からな。」


まずは支援係を倒そうという考えだな。


【ヒュンヒュン】


轟波衝斬ごうはしょうざん!』


あ、珍しく龍付いてない技だ。


【ゴゥウウウ!!!】


剣を二回転させた後、神速の速さで振り上げて衝撃波を飛ばす。


「な!?」




当然、衝撃波の速度もかなりのものだった。




【ドオオオオオン!!】

「ぐはぁ!!」

「スティル!!」


咄嗟に杖で防御したものの、あまりの衝撃に吹き飛んだ。


「むん!」


【シュ!】

「!?」


遠く離れて位置にいたはずなのに、まばたきの間にスティルに接近した龍二。


縮地法。居合いなどである相手の死角に素早く入り込む移動法である。


『龍閃弾・双牙』

【ドドーーーーン!!】

「ぐああああああああああ!!!」


吹き飛んでいる最中のスティルに、氣を込めたワンツーパンチを一瞬にして叩き込む龍二。スティルは爆発と同時に吹き飛んでいった。


【ドオオオオオオオオオン!!!!】


そして校舎に激突し、大きな穴を開けた。


「・・・。」

【シュウウウウウウウ・・・】


すかさずエルを掲げて目を閉じる龍二。周囲から青い光が出、エルの銀色のパーツに集まっていく。


「切り裂き焼かれろ、『ストリームサンダー』!!」


【ズバババババババババ!!】


最初に恭田に放った術が連続して大穴へと飛んでいく。


【ドドドドドドドドドドドドオオオオオオオオン!!!】


一際大きな爆発と共に、校舎が吹き飛んだ。


・・・・・・・・・・・・終わったな。気配が消えてる。


『スティル、脱落。』


俺はスティルの敗北を宣言した。


「はい次!」

「「!?」」


クルリと向きをロウ兄弟へと変える龍二。咄嗟にロウ兄弟は構えた。


「させない!」

「ん。」


視界の端から、アルスとリリアンが突っ込んでくるのが見えた龍二。


「・・・せい!」

【ドォン!】

「グッ・・・!」

「とう。」

【ギィン!!】

「う・・・。」


アルスを龍閃弾で吹き飛ばし、横薙ぎに払ってリリアンを斧ごと弾き飛ばした。二人は龍二から遠く離れた距離まで飛ばされ、呻いた。


『風よ、切り裂け!』

『氷よ、飛べ!』


【ドヒュヒュヒュヒュヒュヒュ!!】


二人を相手している隙に、無数の氷の塊と真空刃が龍二に向かって飛ばしてゆくロウ兄弟。


「甘い。」


だが逆に龍二は向かっていった。


【ドドドドドドドドドドド!】

「ん、ほい、よっと。」


飛んでくる氷と真空刃を、体を捻ったり、側転したりなどして回避していった。


全てかなりのスピードなのに、全て見切っているかのようにかわしていった。


「とう!」

【ズドオオオン!】


最後に後方宙返りをした後、飛び上がって剣で薙ぎ払う。すると地面に衝撃波が走り、カルマとケルマの攻撃を相殺していった。


「「うぐ・・・。」」


悔しそうに呻き、龍二を睨むロウ兄弟。


「・・・さて、と・・・慣れてねぇけど、できるかな?」

【ヒュン】


エルを一振りし、氣をエルに集めていく。


「・・・行くぜ!」

【バッ!】


エルを下げたまま一足飛びし、ロウ兄弟へと接近する龍二。一瞬にして間合いをつめられ、驚く双子。


龍螺旋昇雲りゅうらせんのぼりぐも

【ドォン!】

「「うわああああああああああ!!??」」


アッパーと共に放った渦巻状の氣によって頭上に吹き飛ばされる双子たち。


「やるぞ、エル。」

『了解。』


エルを左手に持ち替え、切っ先を地面に向けてある構えをする龍二。



その構えはまるで・・・



「唸れ雷撃・・・








『ELECTRICAL SOUL 』 !!」






ギターだった。





【ギャイィィィィン!!!】

「「うああああああ!!??」」


「はぁぁぁぁああああああああ!!」

【ズギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャ!!!】


「Wow!!!!!!!」


【ギャアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!】


ギター、もといエルの峰部分を激しく打ち鳴らし、周囲と上空に膨大な電撃をお見舞いし、最後に大きくジャンプして着地と同時に一際大きな電撃を放った。


元々エルにギターの弦のような物はない。しかし、エルの刃から迸る電流がまるでギターの弦のようになっていた。


「・・・・・・・to eazy。」



【ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!】



呟いた後、上空で大きな爆発が起きた。


『・・・ロウ兄弟、脱落。』


空中の煙が晴れると、ロウ兄弟は跡形もなく消えていた。


ついでに言うと、龍二の周りが真っ黒に焼き焦げていた。


『・・・貴様、ホントに初心者か?まさか私の力をあのようにアレンジするとは・・・。』

「中学の頃ちょこっとだけギター握ったことあんだよ俺。それイメージした。」

『・・・まったく、貴様にはつくづく驚かされる。』

「何だ?こういう戦い方嫌かお前?」

『いや・・・






むしろ、最っっっっっ高だ!!!!』




あぁこのコンビあかんわ・・・最強。


「そんじゃ、次行くか。」

『上等だ!』





エルを一振りし、アルス達に突進していった。


また続きます・・・次回どうしよ。戦闘描写IS難しいネー。

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