第七十二の話 VS主夫ライター
今回は俺も出てみました♪
〜龍二視点〜
「急げお前ら!間に合わんようになるぞ!」
「だ、だって・・・そんな全速力で走られたら・・・。」
「リ、リュウく・・・ちょっと・・・。」
「ちょ!?クルルこけないでよ!?」
あーもー遅いなーおい!
「体に鞭打て!足ダメになってもいいから走れ!!」
「だ、だからぁ・・・。」
「リュウくん・・・。」
「「あなたの足が速すぎるんですよおおおおおおおお!!!(泣)」」
んなこと同時に言われてもねぇ・・・これでも遅い方だぜ?せいぜい車抜かす程度だぞ?
つーか何で俺らがこんな急いでいるのかは・・・
「お前らアホか!?タイムセールスだぞタイムセールス!もう時間ねえんだよ!それというのも昼間の太陽光線が家の中に差し込んできて俺の体をまったりゆったりモードへと誘ったばかりに俺は睡魔と闘った挙句睡魔の子守唄攻撃をモロに食らって意識は闇の中へ、そして目覚めて最初に目に飛び込んできたのは床に落ちていたチラシに書いてあった鳥モモ肉1パック20円にジャガイモ1袋50円といった破格の値段だったんだぞコンチクショウがボケえええ!!」
「さ、最後・・・いきなり怒鳴られても・・・。」
「とゆーより・・・結局はリュウくんが悪いんじゃ・・・。」
「しかも説明口調な上に走りながらよくそんな喋れるわね。」
むぅ、俺としたことがあの時間に寝ちまうとは迂闊だったな。
「とーにーかーくー走れー!!」
「「ひぃ〜ん!!(泣)」
つーわけで街道走っておりま。あ、フィフィはクルルの髪の中に紛れ込んでるから疲れねえんだと。対して二人はもう息も絶え絶え。でもそんなの関係ねぇ。
〜商店街〜
よし、目的地のスーパーはこの商店街を抜けた先に・・・!
「おぅ龍二、どうした?」
「急いでるからじゃな。」
途中でクラスメートに会ったが手を上げただけで挨拶した。
「すいませんが、道を・・・。」
「そこ真っ直ぐ行って次の角左曲がればすぐだからそれじゃ。」
こんな急いでるのに誰かが道聞いてきたんで丁寧に教えてやった。早口で。場所は知らん。
「リュウちゃ〜ん♪」
「あいさ。」
【ボゴッ】
バカ(香苗)がいきなり飛びついてきたんで蹴り飛ばした。いい感じに吹っ飛んでいった。
「クレイジー!!」
「ドンマイ。」
誰か知らんがそんなん言ってきたので適当に流した。顔どっかで見た気がするが気のせいだ。
「よし、ラストスパートだお前ら!」
【ズギュン!】
「え、ちょ、リュウジさーーーん!!?」
「待ってよーーーーーー!!」
目的地まで後少しというところでちょっと本気を出してスピードを出す。最後の最後で油断はできんからな。
よぉしこのままスーパーへ・・・
【ドドドドドドドド!】
「ん?」
何か横に黒い影が・・・・・・・・って。
「ライターじゃん。」
『おう龍二!』
何でか知らんが俺と同じ速度で横に並んで走っていた黒装束。相変わらず顔が見えん。
「何してんだお前?」
『見りゃわかるだろ!』
わからん。
『わかんねぇか!?スーパーまで急いでんだ!!』
「テメェもか。」
『おうよ!最近家誰もいねぇから節約料理とか考えてっからな!(実話)』
大変だなこいつも。
『そーゆーテメェもか!?』
「当たり前だ。主夫なめんな。」
『・・・。』
?急に黙り込んだな。
『・・・ダークネスクラウド!』
「?」
【ズガン!!】
いきなり掌を向けてきたと思うと黒い電撃放ってきやがった。軽く避けたけど。
「・・・何のつもりだ?」
一旦立ち止まる。
『フフフ、一人でも敵を減らしておかねえとならねぇからな。』
ライターも立ち止まって不敵に笑う・・・つっても顔は見えない。
「ふ〜ん・・・つまるところ少しでもセールスでの獲得率を上げたいってわけだ。」
『主夫としては当然だ、ろ!!』
お、また黒い電撃撃ってきやがったな。
【バシバシィ!】
ま、当っても効かねぇけどな。龍鉄風なめるな。
『チィ!』
「・・・つーかこんな街中で戦っても大丈夫なのか?」
商店街だぞここ?
『フッ、作者特権舐めるな。』
「作者て言ったらまずいんじゃね?」
『・・・・・・・・・・・・とにかく大丈夫だ!ここは閉鎖空間だから俺達の姿は見えないし被害もない。おまけに時間も進んでいない。』
話流した上にいつの間にそんなご都合主義な空間作りだしたよ。つかそれ作者特権って言うのかね?
『とゆーわけで死ねぃ!『デモニック・ブラッド』!!』
ライターが両手を左右に薙ぎ払うと真っ赤な衝撃波が俺に迫ってきた。
「・・・『龍閃炎』。」
【ボオオオオオオオオオン!!】
こっちは龍閃弾の炎バージョンを放って衝撃波を相殺させてやった。
『ならば次!『デモンズランス』!!』
おぉう、バカでかい槍が空中に・・・
『飛べやああああ!!!』
【ビュン!】
「・・・『龍螺旋昇雲』。」
【ズゴオオオオオオオオオオ!!】
飛んできた真っ黒い槍を踏み込みアッパーと共に放った渦巻状の衝撃波で粉々に粉砕させる。
『ちっ・・・。』
「・・・つーかお前何でそんな黒い技ばっか出すんだよ。」
『見た目も中身も黒いから。』
「あ、そ。」
確かに見た目黒いけどさ。そういやこいつSだっけ。
「じゃさっさと終わらせるか・・・。」
ここ閉鎖空間だし、あの技出してもいいだろ。さっさとスーパー行きたいし。
【ボォ・・・】
「・・・・・・怒れ暁の空よ 唸れ紅蓮の大地よ・・・。」
右手に形成した炎の玉を高く突き上げたと同時に、玉は天高く飛んでいった。
『え、ちょっと待てそれって・・・。』
ライターが何か言ってるが気ニシナーイ。
・・・やがて空が赤く輝き・・・
『奥義五 龍王轟炎雨』
【ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!】
『ぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!????』
無数の赤ん坊の頭ぐらいの炎の玉が周囲に降り注いだ。
〜閉鎖空間の中だけの時間で言うと五分後〜
・・・・・・・・・・。
『・・・・・・・。』
周囲が真っ黒焦げな中、俺の目の前には無残にもよりいっそう真っ黒くなったライターがぶっ倒れていた。
「・・・。」
『・・・。』
「・・・言っておくけど、あれで三千分の一だからな。」
『・・・あ、あれで・・・かい・・・ガク。』
ツッコミは忘れないのねん。
つーかあの技本気出したらサハラ砂漠でさえも燃え尽きるっつーの。
「さて、さっさと行くか。」
ライターが形成した閉鎖空間から出るべく、ライターの懐から取り出した銅製の鍵をポイと空中に投げ出す。
【ブゥン】
すると何かこれまた真っ黒で十分通れるくらいの大きさの穴が出現した。
「じゃあなライター。今から掃除頑張れよ。(実話)」
俺はそう言い残して穴を潜った。
〜夕方〜
「いや〜買った買った。」
「買いましたね〜リュウジさん。」
「ふい〜・・・。」
閉鎖空間から出た後はもうスーパーへ一直線。そこでオバチャマ達と戦争繰り広げてお目当ての物をレジに持ってって無事勝利を収めた。
そん時外でグッタリしてたアルス達がいたのは気ニシナーイ。
・・・まぁお疲れの様子だったからコッソリチョコとココアとサクランボ買っといてやったのは秘密だ。
「今日は疲れたなぁ。早く帰って休むか。」
「は〜い。」
「そうしたいです・・・。」
「あ〜疲れた〜。」
「あなたずっと魔王の頭にしがみついてただけですけどね。」
「う、うっさい。」
そんな感じで夕焼けで赤く染まった商店街を行きとは違ってのんびりと歩いていった俺達なのでした。
・・・そういやライターどうなったんだろな・・・まぁ別にどうだっていいけど。
・・・正直言ってオバちゃん達強すぎます。
伊達に修羅場繰り広げているだけじゃないって学習しました。死ぬ・・・。
あ、またいつかタイムセールスの話書こうかな。