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第六の話 久美の家にて

前回に引き続き、サブタイトルの通りに久美の家の前まで来た俺。あいつの家はマンションで、セキュリティが充実していて周りには木々が生えていてなかなかいい環境に恵まれている。雅ほどじゃないが、あいつも結構金持ちだなぁ。


・・・踏んだろ(オイ)。


とりあえず玄関ホールにあるセキュリティロックを解除してもらわんと・・・えっとあいつんとこのナンバーは・・・っと。


【ピッピッピッピ(ナンバー入力音) ピンポーン♪】


『はい?』

「よう久美。」

『り、龍二!?もう来たのか!?』

「?何だ時間関係あんのか?」

『い、いや無いがちょっと待ってくれ!今片付けるから!』

「いや、とりあえず中に入れてくんね?お前んとこの部屋の前で待っとくからよ。」

『あ、ああ。済まない。今開ける。』

ガチャリという音がして扉が開く。自動扉というのは素晴らしい。理由は推して知るべし(知らなくてもいい)。にしてもここに来るのは久しぶりだな。何日ぶりだろかね?とりあえずあいつんとこは五階だから階段でさっさと上がっていく。エレベーターもあるんだが、健康にいいから、ってな理由で。とゆーかたかが五階くれぇでエレベーター使う必要もない気がする。


・・・ん?そう思うのはお前だけだと?


・・・。


マジで!?




どこかの電波を受信して軽いショックを受けつつ、久美の部屋の前まで来た俺は扉の横にあるインターホンを押す。


【ピンポ〜ン♪】


「・・・。」



出ねぇな・・・。



【バタバタバタバタバタバタバタバタドガンガシャン!!】



「・・・。」



扉が開いた。

「い、いらっしゃい龍二。」

明るい笑顔で俺を出迎えてくれた久美。でもさ、右手でドアノブ持ってて何気に左手でケツさすってんのバレバレなんだからさ、無理に誤魔化そうとすんのはやめとこうや。さっきのでお前がこけたのバレバレだ。

「ん、お邪魔します。」

まぁこけた件については忘れておいてやろう。まぁ、にしてもこいつんとこは廊下から落ち着いた雰囲気が出てるな。下駄箱の上に置いてある熱帯魚入りの水槽がこの家で一番の俺のお気に入りだ。最近気付いたんだがこいつぁグッピーだな。図鑑で見た。因みにこいつの愛称もグッピーだ。理由、久美もこいつの名称を知らないで、グッピーってかわいいんじゃねぇかとかいう理由でつけたんだが、最近になってグッピーってーのが愛称じゃなくて名称だと気付いたらしい。いやいや無知とは恐ろしいな。この超おバカ。

「?今何か私の悪口を考えてなかったか?」

「よくわかったな。」

「え、ちょっとそこは否定しないのか?普通はするものだろう?ねえ?」

「るせえなあ、本当のことなんだから否定するわきゃねえだろうが。」

「うぅ・・・龍二、最近毒舌のレベルが上がってきたな・・・。」

「で?例の人は起きたのか?」

「スルーされた・・・(小声)。」

「あ?」

「い、いや、もう起きているぞ?だからそんな睨まないですごく恐いから・・・。」

おっといけない俺としたことが。思わずガンきかせちまってたか。久美もなんか縮こまってるし。

「じゃあちょっと会わせてみ。」

「いいけど・・・気を付けろ。彼女、斧持ってるぞ。」

猟奇殺人事件の犯人に立ち向かう人に言いそうなセリフだな。つーか斧はあぶねえな斧は。

「あら〜!龍二くんじゃないの!」

パタパタとスリッパの音をたてながら出迎えてくれたこの人は、雅の家でのパターンとは違い、久美のお袋さんで、名前は立花・エリザ・アンドリュー。根っからのアメリカ人で、プラチナブロンドのロングヘアーが眩しい。アメリカ人らしく気さくで陽気だが、食い物はこってりしたのじゃなくあっさりとした和風の食い物が大好きという日本大好きな人。久美の金髪はこの人譲りだそうだ。まぁ顔も似てるしな。

「久しぶりだなおばさん。元気してた?」

「もぉバリバリよ。龍二くんこそ元気そうね。」

「俺に病気という言葉はないからな。」

ビバ・健康体♪

「母さん、とりあえずジュースを・・・。」

久美が不機嫌そうに言う。何故?

「わかってるわよ。もぉ久美ちゃんたらやきもち焼き屋さん♪」

「か、母さん!」

鼻歌歌いながら久美の怒鳴り声をスルーしてくおばさん。にしてもやきもち焼き屋さん・・・やきもちをさらに焼く店・・・おもち焦げっ焦げ。うん、まずそうだ。

「で?部屋に入っていいか?」

「あ、ああ・・・汚い所ですが。」

いきなり丁寧口調かよ。訳わからん。

「入りま〜す。」

そう言って扉を開ける。全体的に白を基調とした部屋の中は家と同じくらい清潔で家具なども派手な物も無く、壁には竹刀とか道着とかが掛かっている。まぁかわいい部分はと言うとベッドの枕元にある結構大きい熊のぬいぐるみ。ご丁寧に首に青いリボンなんか結びつけちゃってるよ。


で、問題の奴が部屋の中央にいた。


髪は俺と同じ黒髪。それをポニーテールにしてる。顔は世間一般でいうところ綺麗な部類って奴か?瞳はスカイブルーで、何か切れ上がってる。気が強そうだ。で、全身赤でサイズフィットしてるタンクトップと短パン。まぁ、素材が革製に見えるが、そこら辺は何の変哲もない。


でもよ、椅子に腰掛けて腕組んでこっち睨みつけてる上に、右の肘置き部分にはでっかい斧がギンギラギンに光りつつ立て掛けてあって、さらに左の足元にはごっつい鎧が置いてあるってーのは普通じゃねーよな?


「よ。初めましてだな。」

とりあえず片手挙げて挨拶する。

「・・・。」

無反応〜。

「・・・。」

ならば・・・。

「やぁ。初めまして。」

爽やかボーイバージョン挨拶。ついでに髪も上に掻き上げる仕草もしておく。

「・・・。」

これまた無反応〜。

「・・・。」

さて・・・。

「飽きた。」

「遊んでたのか!?」

久美がツッコミいれた。

「とゆーより挨拶二つしただけじゃないか!」

「だ〜ってさぁ、無反応なんだもんよ。」

「・・・。」

まだ無言かよ?

「とにかく!いい加減にしゃべったらどうだ!?」

久美が詰め寄る。それでも微動だにしないこの女。



・・・できる(?)。



「まぁ落ち着きなって。」

「だが・・・。」

「人なんてしゃべりたくない事もあるもんさ。まぁまかせとけって。」

聞きたいことがあるし。とりあえず相手の前に腰を下ろす。

「あー・・・とりあえず名前。」

「・・・。」

「・・・じゃここまでの経緯。」

「・・・。」

「・・・他に知り合いは?」

「・・・。」

「・・・何で黙ってんの?」

「・・・。」

「・・・聞いてるか?」

「・・・。」

「・・・お〜い。」

「・・・。」

「・・・。」





イラ。





「!」

ありゃ、殺気出したのバレたみたいだよ。ありゃりゃ、斧手に取ったよ。ありゃりゃりゃ、振りかぶったよ。

「龍二!!!」

久美が庇おうとする。




でも・・・。




ピシ。


「!?」












親指と人差し指でつまむように斧の刃をキャッチ。楽勝♪





「とりあえず落ち着け。な?」

出来る限り落ち着いた声でなだめる俺。内心はキレかけてます。

「・・・。」

大人しく座りなおす女性。斧も脇に置いた。

「さぁて、とりあえずお互い黙ってちゃ話になんねぇから俺から話させてもらうか。」

そのうち喋るだろうし。

「さて、第一に。お前は他に仲間がいるな?」

「・・・。」

「第二に。仲間は他に三人だな?」

「・・・。」

「第三に。三人はそれぞれ勇者っぽい奴、魔道士っぽい奴、妖精っぽい・・・いや、妖精の格好してるな(あれを妖精と言わずに何と言う)?」

「・・・。」

「第四に・・・名前はアリス、スティル、フィフィって奴だな?」

「!」

「第五に。作者はゲーム雑誌と間違えて大人の本【グァン!!】オウチッ!!」





何故か上からタライが降ってきた。ついでにタライの裏側に『天罰』と書いてあった。何のこっちゃ。





「り、龍二?大丈夫か?」

「うん、かなり痛い。でももう平気。」

回復力なら誰にも負けんよ。

「で?どうなんだ?」

とりあえず聞く。

「・・・。」

やっぱ無反応・・・。

「・・・そう。」

「!」

あ、喋った(久美がびっくりした)。

「皆・・・無事なの?」

「ああ、アリスとフィフィなら俺ん家にいるし、スティルも俺のダチの家で世話んなってるぜ。」

「・・・良かった。」

うっわ〜、喋るようにはなったが随分と寡黙な人で・・・まぁ警戒心解けてるし、よしとしよう。

「で、アンタ名前は?」

「・・・リリアン。リリアン・ヴェルバー。」

リリアン・ヴェルバー、リリアン・ヴェルバー、リリアン・ヴェルバー・・・。

「よし、覚えたぞリリアン・・・リリアン・・・。」

あれ?何だっけ?

「よし、覚えたぞリリアン!」

「「・・・。」」

冷たい目線を送ってくる二人・・・。

「・・・。」

それを返す俺。

「「・・・。」」

一瞬固まった後慌てて目を逸らす二人。


勝った。


「あ、紹介遅れたな。俺は荒木 龍二ってんだ。よろしく。」

「・・・よろしく。」

手を差し出して握手する。ん、背後(久美)から鋭い目線が・・・まぁいいか。

「入るわよ〜。」

あ、おばさんがジュース持って入ってきた。

「か、母さん!ノックぐらいしてよ!」

「まぁまぁそう怒りなさんな久美よ。」

「そうよ〜、何も三人のお話邪魔するわけじゃないし。」

「うぅ〜・・・。」

俺とおばさんのタッグは最強だ。

「とにかくハイ、ジュース。」

「お、サンキュ。」

「You are welcome♪」

ナーイス発音。さすがアメリカン。お、ミックスジュースか。うまい。

「んじゃまぁ、そろそろ行くかな。」

「え、もう行くのか?」

久美が残念そうに言う。

「何だ?俺が言ったら何かまずいと?」

「い、いやそんなことは・・・。」

じゃ何故に口ごもる?

「まぁ俺も用事があるしな。また今度来た時にゆっくりしてくさ。」

スティルと同様、リリアンの様子見に。

「じゃ、おばさん。ジュースごっそーさんでした。」

「ふふ、また来なさい。今度は新しいレシピ持ってきてね♪」

「オッケー。まかしとき。」

あ、言い忘れてたが俺とおばさんは時々互いにレシピを交換し合っている。おばさんは主に故郷の料理、まぁ西洋料理で、俺は和風料理。つってもラーメンのレシピがほとんどだ。ホントはラーメンは中華そばっつーんだが、おばさんはラーメンを日本料理と信じて疑わない。しかもラーメンが大好物ランキングにinしているという。おばさん最高。おばさん大好き。ラーメン同志として。

「じゃなリリアン。大人しくしとけよ。」

「・・・この人達には恩があるから・・・努力する。」

「努力しないとダメなのか!?」

久美、ツッコミがうまくなってきたな。

「じゃ。」

「あ、ああ。また来てくれ・・・。」

だぁら何で残念そうに言うかな?罪悪感感じちゃうよ俺。そう思いながらもマンションを出た。

「さ、次々。」

香苗に電話っと・・・ってあれ?そういやアリスの仲間はスティル曰くアリスとリリアンとフィフィだけってな感じな事言ってなかったか?じゃ香苗の家にいる双子の男の子ってのは誰だ?

「ま、行きゃわかるか。」

とりあえず香苗に電話した。



あ、久美の足踏むの忘れてた・・・今度踏も♪

てな感じで、第六話です。えと、龍二が言いそうになったセリフは・・・えぇ、お察しの通りです、ハイ。だってそれビニールかかってたんだもん。それがゲーム雑誌置いてあるとこにあったんだもん。名前がゲームマガジンみたいな名前だったんだもん。で、家に帰って開けてみたらアラびっくり、何か露出度高い人があーだこーだで・・・次の日処分しました(恥)。

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